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『スターマン★アルチ 』訳『The Word/ROCKの言霊』 知らずに死ねるか!詞から紐解く名曲の数々 (3曲目) John Mellencamp『Play guitar』

2024-05-19 13:26:00 | 『スターマン★アルチ 』Presents『The Word ~ROCKの言霊~』

皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
月一回登場の『スターマン★アルチ』でございます。
今回もどうぞよろしくお願い致します。

新生活が始まり、生活の変化に不安やらストレスを感じている人もいるかと思います。
僕はと言いますと、5月より新居に引っ越しました。
住む場所が変わると、日々継続しているランニング(フクシマンさん程では無いですが)のコースも変わるわけで、信号や交通量が少なく、いかに短時間で効率の良いトレーニングが出来るコースはどこだ~!?と模索する日々です。

最近、うちから、近くを流れる川にかけての坂道を下り、そのまま墓地の間を縫った登り坂を登るという強烈なアップダウンコースを発見し、何回かチャレンジしているのですが、やはり登り坂はキビシイ~!登っている間、よく頭の中で、あのアレサ・フランクリンも歌う大好きなゴスペルソング「Climbing Higher Mountains(高き山を登らん)」が流れるのですが、「どうせやるなら高い山(ハードな道)を選ぼう」
という挑戦する気持ちは、いくつになっても大切だなぁ・・・と思う今日この頃です。

挑戦・・・
そういえば、最近、制服の背中にギターを抱えた中高生を見かけません。「全く見かけない」というわけでは無いのですが、自分が中学、高校生の頃に比べれば圧倒的に減った気がします。当時は日本でも海外でも、時代を牽引する「ロックバンド」がいて、彼らの新譜が出るたびに次の日の学校で盛り上がったものです。「ロックバンド」は憧れであり、その中でも「ギター」は、言葉では表現できない独自の甘美な魅力を持っていました。それは、自分の悩みやフラストレーションを抱えた少年少女のはけ口であり、最大の自己表現だったのです。「ギターじゃないといけない」という根拠のない理由が、僕らの間には共通認識として存在していた。まだ僕らが少年だった「あの頃」には、そういった人達がたくさんいたのです。そして、みんな当たり前のようにロックバンドに憧れ、当たり前のようにギターを手に取った

今となっては、昔話なのでしょうか。少なくとも、今のキッズ達にとって、ロックミュージックもギターも、最初の選択肢には挙がらないようです。

前置きは長くなりましたが、まだロックミュージックに無限のエネルギーがあり、「ギターを弾く」という事が当然の憧れであり、神秘的な魅力を秘めていた時代の一曲をご紹介します。

ジョン・メレンキャンプの1983年のアルバム「Uh-Huh」(天使か悪魔か)収録の、「Play guitar」です。
彼については別途、語る機会を設けたいぐらいです。とにかく僕は彼が好きで、非常に社会に対しても政治に対しても、勿論リスナーに対してもそうですが、メッセージを発信し続けている人物なのです。話し出すと切りがないので、曲の歌詞にのみ注目して書きたいと思います。

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You may drive around your town
In a brand new shiny car

新しい光る新車でドライヴすると良い

Your face in the wind and your haircut's 
Your friends think you're bizarre

風を切る最先端のヘアーカット
友だちは君を異様だと思うだろう

You may find a cushy job
And I hope that you go far

楽な仕事を見つけると良いよ
上手くいくことを願っている

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この曲のターゲットは主に当時のアメリカのハイスクールから20代前半でしょうか。
残念ながら日本の高校生は車の免許は取れないのですが、要するにファッショナブルで誰もが憧れるようなきらびやかなステータスや、楽な生活を求める若者の心理が歌われています。今の日本の若者同様ですね。

この曲における「You may(すると良い)」というフレーズは、
「俺はそう思わないけど、すれば良いんじゃない?」という皮肉めいた挑発的な表現として用いられております。

じゃあ、ジョン・メレンキャンプは何を伝えたいか、それがこれです!

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But if you really want to taste some cool success
You better learn to play guitar

だけど、君が本当にクールなら、成功を味わいたいなら
ギターを習うべきだ

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はい!もうこれがこの曲のメッセージのすべてです。
「つべこべ言わずギターを弾け」
ギターを弾いてアメリカンロック界のトップに上り詰めた男の、何ともシンプルで説得力のあるメッセージです。

それにしても、ただの「成功」ではなく「クールな成功(cool success)」と表現するところが、何ともロック的でニクイですよね!

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Play guitar, play guitar
Play guitar, oh yeah

プレイ・ギター プレイ・ギター

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サビは曲のタイトルを連呼。
いかに彼がシンプルにリスナーにこのメッセージを伝えたいかがよくわかります。

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Well, you got your eyes on the cheerleader queen
And you're walkin' her home from school

チアリーダークイーンに夢中な君
そして、君は彼女を家まで送っている

You know that she's only 17
But you know she's gonna make you a fool

彼女はたったの17歳だけど
君を笑いものにするだろう

And you know you can't touch that stuff
Without money or a brand-new car

それは、金や最新の車無しでは触れられない代物なのさ

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ここの背景描写は、それこそ「ビバリーヒルズ高校白書」のような何ともアメリカンなシーンですが、
お金もない、スポーツカーも持っていない、ルックスもいまいち(そこまでは言っていませんが)
そんな男に、「クラスのトップクラス女子のハートを奪うことは出来ないぜ!」みたいな事ですよね。

「そんな奴が一発逆転ホームランを打つ方法がこれだぜ!」と言わんばかりに、彼は高らかに歌います。

そう!

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Let me give you some good advice, young man
You better learn to play guitar

若者よ、アドバイスしよう
君はギターを習うべきだ

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そして、続いて、なぜギターで無ければいけないのか?が歌われます。

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All women around the world want a phony rock star
Who plays guitar

世界中の女は、ギターを弾くインチキなロックスターを求めてるんだ

Well, you pump your iron and shine your shoes
And wear your hair just right
You go down out on cruisin' street
'Cause you wanna score tonight

身体を引き締め靴を磨き、髪型をキメて街に繰り出すのさ
だって、今夜は結果を出したいだろう

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ここで、僕が持っている、この曲が収録されたアルバム「Uh-Huh」の日本盤LPには次のような英詞が載っています。

「We all grab our stocking this time」
(僕らみんなは、今こそ自分達のストッキングを掴む)

なんだそりゃ???
という唐突で脈絡のない文章が現れ、思わず「grab~stocking」という何らかのスラングなのかと調べていたのですが、残念ながら見つからず。ただ、彼の歌詞を紹介する海外のサイトには、同じ箇所の歌詞が、

「We all want to strut our stuff」
(俺たちは皆、自分のものを見せびらかしたいのさ)

と書かれており、恐らくこちらが正しいと思われます。
断定は出来ないですが・・・

まあ日本人同士ですら聞き間違いがあるのですから、改めて英語を聞きとる難しさや、翻訳するむずかしさを感じました。

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You really wanna show your scars
Forget all about that macho shit

君は本当に自分の傷跡を見せたいんだな
そんな下らない男らしさなんて忘れろよ

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男のくだらないこだわりや強がりは、女性には全然響かない事なんて腐るほどあると思いますが、そんな世の男どもに釘を刺すフレーズを歌ったあとは、最後にやっぱりこの一言

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And learn how to play guitar
そしてギターを習うんだ

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いかがでしょうか?
この曲では全編に渡り、「なぜギターじゃなければいけないのか」が歌われています。

どんな時代でも、悩みやフラストレーションを抱え、人との関わりや自己表現に悩む事はあると思います。
そんな時、あなたは何をしますか?

「SNS」で誰かと繋がった気持ちになって気持ちを誤魔化すのも良いし、「Youtube」や「テレビ」で垂れ流された動画に、何も考えず身を埋めるのも時には良いでしょう。
しかし、そこに一体、何の努力があるのでしょうか?

冒頭でも書いたように「Climbing Higher Mountains(高き山を登らん)」
努力した先には、今まで感じたことのない喜びや達成感があると思います。

もちろん、どこにフォーカスするかは人それぞれ自由なのですが、もし、自分の感情のはけ口が無かったり、何か毎日に物足りなさを感じているようでしたら「ギターを弾く」というのは、とても良い解決策だと思います。ちょうど幼少期にメレンキャンプで燃えた編集長『Mash氏』がお伝えの通り「ジェリーズ・ギター」を復活させますしね。

自分も、今の時代に「ロックミュージック」「ギターの素晴らしさ」を伝える事に少しでも貢献できれば・・・と思っておりますよ。

ちなみに、ジョン・メレンキャンプは、そうやってギターを弾いたことで、アメリカンロックのトップに登り詰め、その後なんやかんやで、あのハリウッド女優「メグ・ライアン」とお付き合いしていた模様。この曲の歌詞の通りの成功を掴んだわけです。

まあ成功の基準なんて人それぞれですが、とにかくこれだけは言いたい!

「ギターを弾く」って最高に楽しいですよ。
この曲を聴いて、一人でもギターを手にする人が増えれば嬉しいです。

以上、お読み頂きありがとうございました。Keep on Rockin'!

《スターマン★アルチ筆》

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