「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

「マッシュルーム・ハイ」広報部長「Starman☆アルチ」が放つ!「爆音レコード、45回転!」〜今夜この曲をあなたに〜」(第三回は「ビージーズ」)

2019-03-07 11:27:00 | 編集長「MASH」のレコード&CDラック(音楽紹介)
ついこの前
「2019年になった!」
と思っていたら、​
あっという間に3月!​

いやいや、
「月日の流れは本当に早い」
ですね。​

特に、連日レコードに針を落とし、、
「くぅ~」と頭を抱える僕としては、​
平成が終わるまでに、
後どれぐらいのアナログ盤を聴き込めるのか​?

なんて考えてる今日この頃であります。​

毎年この時期は、
「新たに始まる新生活」
のようなイメージがあり、​
学校を卒業し、就職や進学をしたり、​
何かと「人生の再スタート」を切る人
も多いことでしょう。​

僕は?と言いますと、​
少し前に「約900枚入るレコードラック」
を新調しまして(笑)

マニアックスとしては当たり前ですが、
その棚に
「レコード全部が収まるはずも無く…」
とりあえず、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「クラシック」

「ジャンル別」「アルファベット順」に並べながら
重複してたり「もう聴かないなー」
みたいなレコードを選別したりしています。​

その様な作業をすると
「昔よく聴いていた盤」に、​
久しぶりに針を落とす、
なんてこともあるでしょ?

レコードラックに並べられた
名うてのミュージシャン名を見つめながら、​
僕は、ぼんやりとこう思うのです…

「みんな死んじゃったんだなー」と。​
ここ数年ですと

デヴィッド・ボウイ
ジョージ・マイケル​
レオン・ラッセル
イーグルスのグレン・フライ
トム・ペティ
ジョン・ウェットン
キース・エマーソン
etc…

個人的に
デヴィッド・ボウイ
は別格としても、​
毎日、僕の元に届く彼らの訃報に、
既に悲しみはなく、​

「ああ、また一人居なくなってしまったんだなー」と、​
何とも「ぼんやりとした虚無感」
に包まれるのです。​

いや、ちょっと待て!​
日々、僕のレコードコレクションの中に​
「死んだ人の名前が増えていく」のを、​
ただ漠然と眺めているだけでは、
あまりにやるせない。​

「素晴らしい音楽を生み出した方々」が、​
死んだ後でしか評価されないのでは、
あまりに切ないじゃないか!​

残念ながら亡くなられた方は、
もちろん愛を込めて語り継ぐとして、​
今なお生きている「ベテラン」達を、​
今のうちにしっかりと紹介していかなければ!​

そんな矢先に、
MASH氏から託された
「3枚目の盤」がこちらなのです。​

Bee Gees!
そして彼らが1972年にリリースしたシングル
「My world」。

なんか前回と同じことを聞いてしまうのですが、​
皆さん「ビー・ジーズ」って好きですか?​

全世界で「1億2000万枚」の売り上げを記録!
そういう意味では、
前回ご紹介したエルトン・ジョン同様​
(読んでない方はバックナンバーを!)
「超トップクラス」の方々なの!

でもね、
やっぱり会ったこと無いんですよ、​
「ビー・ジーズ大好きなんです!」
って人に…(笑)

世間一般のイメージでは、やっぱり​
「サタデー・ナイト・フィーバー」
で使われた​一連の大ヒット曲。​

もしくは、
古くからのロック・ファンでしたら、​
1967年当時、日本でも大ヒットした
「マサチューセッツ」や、​
日本で大ヒットした
映画「小さな恋のメロディ」で使われた​
「若葉のころ」「メロディ・フェア」
辺りでしょうか。​

いずれにしても、
何となく「懐メロ」扱いで、​
「正当に音楽が評価されていない感じ」
がしていたので、​ちょうど良い!

この場を借りて、
「彼らの魅力をたっぷりとお伝えしたい」
と思います!​
どうぞお付き合いの方、よろしくお願いしたい。​

このビー・ジーズは、
リーダーであり長男の「バリー・ギブ」と、​
その双子の弟「モーリス」と「ロビン」
という「ギブ3兄弟」を中心に
結成されたグループ。​

元はイギリス領マン島出身なのですが、
父親の仕事の都合で​
一家揃ってオーストラリアへ移住。

そこで音楽活動を始め、​
徐々に人気が出た所を、
「ビートルズ」のマネージャーとしてお馴染み​
「ブライアン・エプスタイン」
に見出され、
1967年イギリスへ帰国し再デビューする言う、​
中々変わった経歴の持ち主なのであります。​

初期こそ
「5人編成のロックバンド」
としてスタートし、​
「ビートルズ直系のビート」に、
「ギブ3兄弟の美しいコーラス」
で登場!

この時期、60年代の時代を反映した
「程良いサイケデリック感」が混ざり合う
​素晴らしいロックバンドだったのです。

ただ、グループは途中から
「ギブ3兄弟」のみとなり、​
ジャケット写真でも3人しか写らなくなったため、​
「えっ、ビー・ジーズってバンドだったの?」
と思う人がいても仕方ありません。​

ビー・ジーズのベスト盤を聴いてみると、
一部の曲を除き、​
「口当たりの良いスウィートなポップス」
が多く、​もちろん一つ一つは良い曲なのですが、​
特にCDだと、どの曲も似ていて、
少し間延びして聴こえてしまうのです。​

この件に関して
実は本人達も自覚していたようで、​
デビューから「安定して売り上げを記録」
しているものの、​
良く言えば「安定」
ただ悪く言えば
「マンネリ化」している状態。​

1975年辺りから、ご存知の通り
当時流行りの「ディスコミュージック」と、​
ファンキーな黒人音楽を取り入れて、
大ヒットを連発するのです。

で、今回ご紹介する「My World」は、​
「過去のマンネリ」から脱却
しようと試行錯誤していた​
正に「過渡期のシングル曲」なのです。​

盤に針を落とすと聴こえてくるのは、​
「美しいピアノ」と「ギター」による
アコースティックサウンド。​
そこに独特の「繊細なボーカル」を持つ、
双子の弟「ロビン」が、​

「僕のために泣かないで、
そんなの君のスタイルじゃないよ。」​

と歌う。
歌詞も演奏も、非常にシンプルで、​
全てが曲を引き立てるために、
しっかりと練られている感じ。​

たとえば、CDで聴いていると、
「ストリングス」や「ボーカル」
だけが強調され、​
何処か「甘すぎる印象」
だったのですが、​やはりシングル盤!

コレだと
しっかりと「ドラム」「ベース」が聴こえ、​
正に「音の塊」が縦横無尽に広がります!

体中が美しい音に包まれるような、​
「45回転でしか味わえない感覚」
に包まれるのです。​

Bee geesの曲って実は
「世界の名だたる大御所」が取り上げている!

バーブラ・ストライザンド
ケニー・ロジャース
デュオンヌ・ワーウィック
ロッド・スチュアート
などなど…

挙げればキリがありません。​

それは彼らの生み出す曲が、​
ビートルズやボブ・ディランのように、​
それだけ「普遍的」な魅力
を持っている証なのですが、​

やはりCDだと「甘~くて軽~く」聴こえ、​
特に彼らは「映画のヒット」によるイメージ
も相当強いので、​
多くのロックファンから、
熱心に聴いてもらえない悲しい現状。​

ぜひぜひ「45回転盤」で聴いて頂きたい!​

えっ、そうは言っても
ポップ過ぎて物足りない?​
そう言うと思ってましたよ!

だからこそ「シングル盤」なの!
ひっくり返してB面に針を落としてみよう。​

曲名は「On Time」。​
これ「アルバム未収録」で、
このシングル盤でしか聴けない曲。​

熱心な「ビー・ジーズ」ファン
(どこにいるか分かりませんが)
ですら、​ご存知なくても仕方がない曲です。​

実はかく言う僕も
今回このシングル盤を手に入れるまでは
存在を知りませんでした・・・​

針を落とす…
オッ!まるで
「リトル・フィート」でも聴いている様な​
ブルージーなアコースティックギターが
イイ感じに聴こえてきた。​

あれ、おかしいなー?
と思っていると、そこに
フィートの「ローウェル・ジョージ」風
劇渋ボーカルが飛び出す!​

僕はてっきり、
B面に違うミュージシャンが収録された​
「共演盤」か何かかと思ってしまい、​
もう一度、B面のラベルを確認する。​

いや、確かにビー・ジーズで間違いない。​
そして、作曲者のクレジットには​
何と「モーリス・ギブ」の名が記されているではありませんか!​

「モーリス・ギブ」​
ギブ3兄弟の三男で、
A面「My world」でリードボーカル
を取るロビンの、​双子の弟にあたる人物。​

ビージーズの数多い作品の中でも
彼がリードボーカルを取る曲って
実はほとんど無く、​
兄弟の中では「最も地味な印象」。​

でも彼は
「ギター」「鍵盤」「ベース」など、
様々な楽器を演奏する​
マルチな人なんです!​

この「On time」でも​
アコースティックギターを演奏しているのですが、​
これがまた、程よく抑えられたプレイで、​
良い味を出してるんですよ!​

そして、リードボーカルがイイ!​
何処か「アメリカ南部の土の香り」が漂う​…

この様な「粘っこいボーカル」曲って
ビー・ジーズでは全く無かったため、​
彼らの「音楽的ルーツの深さ」に、
改めて衝撃を受けたぞ。​

あえてB面に収録することで、​
「俺たち、こんなことも出来るんだぜ」​
と、当時の彼らがアピールしているみたい。​

改めて言うが
シングル盤はA面とB面で一曲づつ、を収録。

「一口で二度美味しい」
などと言いますが、​今回のように、
「あまりにタイプの異なる2曲」
が聴くことが出来るのは、​
正にシングル盤ならでは!​

そして、そこには
「当時のミュージシャンの意図」や、​
「試行錯誤している姿」
が見えて来て嬉しい。​

ビー・ジーズ…
この盤をリリース以降
「黒人音楽」を取り入れて​
「ファンキー・サウンド」に生まれ変わり、​
「超」が付くほどの大ヒットを記録する!

決して、それは
「流行りに乗った付け焼刃」でなく、​
もともと彼らの音楽のルーツに、​
しっかりと「黒人音楽」があったという事ですね。​

そして、そこには
「モーリス」
の存在が必要不可欠だったのです!​

残念ながらモーリス・ギブは、
2003年に53歳の若さ…
で亡くなってしまいました。​

弟を失ったバリーとロビン
しばらく活動を休止していましたが、​
2009年から再び2人で活動を再開!​

「また、素晴らしいハーモニーを届けてくれる」
と思っていた矢先、​
今度は、ロビンが他界…​

残っているのは、
グループのフロントマン
長男「バリー」のみ
となってしまいました。​

最近は、目立った活動のニュースも無く、​
今一体、何をしているのか?
全く分からないのですが、​
「ポール・マッカートニー」が、
76歳で世界中を飛び回っているのですから、​
現在72歳のバリーにも、
まだまだ現役で頑張ってもらいたい!​

今後の続報に期待です!​

今改めて、
このビー・ジーズを聴く人って
少ないかもしれません。​

ですが、まだ長男「バリー」が生きている!
「そんな今」だからこそ
バリー、モーリス、ロビンの3人、​
そして
ビー・ジーズではありませんが、​
更に下の弟で、70年代にソロデビューし
幾つかの素晴らしい作品をリリースした​
4男「アンディ・ギブ」​

この
「ギブ兄弟の素晴らしき世界」
を、​今こそぜひ聴いて頂きたい!​

そうです。
まずは、シングル盤から!​
さあ、僕と一緒に針を落としましょう!​

(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)

https://1on1.crayonsite.com


バンド「Mashroom High」公式ホームページ

https://mrh.crayonsite.com



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ゲスト・ライター陣紹介

〈Starman☆アルチ〉

俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。
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「今月のソロ・ステージ」情報

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3/11(月) 20:00~​
相模原すずらんハウスにて​
「3.11 被災地支援チャリティライブ」
に出演致します。​
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