「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

リレー連載「震災を考える…」(下) 「ハウリンメガネ」が語る「東日本大震災」と「阪神淡路大震災」

2019-03-18 12:02:10 | 震災・原発

読者諸賢、お元気?
ハウリンメガネである。

申し訳ないが、今回は盤の話はお休み。
「あの日」
にちなんだ話をさせてもらいたい。

3.11。

あの地震が起きたとき、
筆者は会社で仕事の真っ最中であった。

すでに関西に住んでいたので、
直接被害にあったわけではなかったが、
関西でもグラッと来たと思ったら
妙に長く揺れが続き、
なんだか妙だぞ…と思っていたら、
あの大震災であった。

幸い、知人に被害はなかったものの、
ニュースで東側の被害が流れるたびに
(なにが起きてるんだこりゃあ…)
と只々絶句を繰り返す…
そんな日々であった。

(9.11の時もそうだったが、想像力を大きく超えた事象というものを目の前に突き出されたとき、
人間というものは絶句するしかないのだなぁ…)

あれから8年。
いまも復興は続き、
原発の始末もついていない。
(つくわけがない。あれはチェルノブイリ同様、我々が未来永劫抱えなくてはならない問題だ。)

だが、いつになれば
復興が終わったといえるのか?

はっきり言ってしまえば、
復興というものに終わりはない。

どれだけ街が被害から立ち直っても、
一度失われたものが元に戻ることはない。
だから復興は終わらない。
あくまで区切りがつくだけだ。

区切りをつけることで、
一歩々々未来へ前進を続ける。
それが復興というものなのだろう。

筆者がこう考えるのには訳がある。

思い出してもらいたい。
1995年の大震災から復興を果たした街がある。
そう、筆者の住む明石の隣りであり、
関西三大都市として名を馳せる神戸だ。

神戸を歩いていると
震災に関係するモニュメントが時折目に入る。

何十年も経ち、
街が震災から立ち直ったかの様にしか見えなくとも「それ」が起きたことを
人々に忘れさせないようにする…。

あの日からの復興の先に
今の姿があることを忘れさせないように。

今回は復興の街、神戸から
震災に関係したモニュメントをご紹介しよう。

【神戸市長田区の鉄人28号】

「…何故鉄人28号?」
と思われた方もおられるだろう(苦笑)が、
これもちゃんと震災関係のモニュメント。

神戸の住宅街である長田区。
被災後、街を立て直すにあたり
「何か象徴的なモニュメントを!」
という声があがったそうで、
長田区出身である漫画家、
「横山光輝」氏の作品
「鉄人28号」の実物大モニュメント
が建てられたとのこと
(ちなみにすぐ近くに横山三国志の壁画もあるぞ!)。

近くで見るとさすがの大迫力で、
思わず「♪ビルの街にガオー♪」
と歌いたくなる出来。

ふと思ったが、
街を壊すロボットが
災害のメタファーなのだとしたら
それと戦う鉄人28号は復興の象徴なのかもね。

【神戸港震災メモリアルパーク】

神戸の中心街である三ノ宮から南に下り、
海沿いにあるメリケンパーク
(最近ニュースになっていたBE KOBEのモニュメントがある場所)。

その端に残されているのが
このメモリアルパークだ。

被災時の状態をそのまま保存してあり、
如何にあの震災が凄まじかったのかを
垣間見ることができる。

当時の被災写真なども掲示されており、
神戸に来たらぜひ一度は見てみてほしい
そんな場所である。

(ちなみに筆者は神戸の海沿いの風景が好きで、
神戸に用があると、帰りにこのあたりを散歩する。それがメガネお決まりのコースとなっている)。

【ルミナリエ(三ノ宮)】

年末に開催される、
国内最大級の点灯数を誇る
イルミネーションイベント、
「神戸ルミナリエ」
(去年のクリスマス記事で「独り、イルミネーションを見に…」と書いたのはこのイベントのことであった)。

三ノ宮の旧居留地に
イルミネーションが張り巡らされ、
まさに光の芸術と呼びたくなるこのイベントだが、その始まりは「震災からの復興」と「鎮魂の祈り」
として開催されたものであった。

これを観た帰りに三ノ宮を歩いていると、
震災の爪痕を残さないような街並みの裏に、
あの震災から復興する為の努力があった
のだといつも感嘆してしまう。

地震に限らず、災害は突然やってくる。
ある日を境にすべてが一変してしまう。
問題はそこからなにができるかだ。

神戸に行くとそんなことを考える。
そしてそれは東北の復興とも地続きだ。
復興は終わらない。続いていくだけだ。

そこにいない人間にできるのは
それを遠くから見守ることだけだ。
考えられるだけ考えてみよう。
そしてできることをしよう。
それができれば復興は続いていくのさ。

3月某日、神戸の喫茶店にて。
ハウリンメガネ

( 企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)

https://1on1.crayonsite.com


-------------------------------------------------
ゲスト・ライター陣紹介
〈ハウリンメガネ〉
俺「Mash」の店「ジェリーズ」に
16歳の時に来店!
来店初日から「サン・ハウス」の話をし
俺に強烈インパクトを与える。

以後数々のバンド活動を続けながら
ソロ活動も「ハウリンメガネ」として活躍。
この明石のブルースマンが繰り出す
「ハウリンメガネShow」は一見の価値有り!

ジェリーズ軍団では
「AL」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。