まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

世田谷区庁プロポーザルのプレゼンテーション

2017-09-18 22:17:06 | 建築・都市・あれこれ  Essay

世田谷区庁舎建て替えのプロポーザルに6者の応募がありました。今日はプレゼンテーションを聴きに成城へ。現況面積を倍以上にしようという条件。前川國男の思いをこめた庁舎、区民会館そして広場を全て残すのは難しいでしょう。しかしほんの少し面積を小さくすれば、東半分(第1庁舎、区民会館、広場)を残すことはできるはずです。そう考えた建築家もいました。残念なことにおひとり(チーム)でしたが。

 

 

高谷時彦 記

I attended the open meeting to select an architect to be in charge of Setagaya City Hall project. Six architects made the presentations to the jury.

I was once a member of the committee to make preliminary plan of Setagaya City Hall. The discussion sometimes got entangled. THe issue in dispute was whether the old city hall designed by Japanese famous architect Kunio Maekawa, who had worked for Le Corbusier, should be demolished or not. 

I do think it's time for us to change our way, from scrap-and-build to preservation.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata


槇文彦先生の刀剣博物館へ

2017-09-17 16:24:23 | 建築まち巡礼東京 Tokyo

刀剣博物館は駅でいうと両国。

ちょうど本場所中。

 

敷地は旧安田庭園の中という素晴らしい立地。

 

3層のスケールは歴史的な公園にも調和しています。1階はレクチャー室、カフェなどのパブリックな用途。2階は館長室や学芸員室、収蔵庫など。展示室は3階にコンパクトに収まっています。

たまたま副所長のWさんがおられて、教えてくれたのが日本の刀剣美術の大恩人のお二人。

 戦後、進駐軍の方針で刀剣が日本人の手から離れようとしていたときに、美術作品としての価値を認めさせたのがこのお二人。もちろんそれ以外の面でも刀剣美術界で様々に活躍された方のようですが、佐藤先生は鶴岡、本間先生はその名からご推察の通り酒田の出身。そして今の会長(博物館館長)は旧荘内藩主酒井忠久氏。鶴岡の致道博物館で刀剣をもう一度じっくり拝見する必要があります。

高谷時彦記

Visited the Japanese Sword Museum designed by architect Fumihiko Maki.

It is located in Yasuda Teien, a Japanese traditional garden famous for its beautiful seneries. 

Walking through the garden I found the building in good proportion to the beautiful surroundings.

And in the museum, I felt, as usual, a sense of elegance coming out of good proportions, carefully selected materials and refinement of details.

Mr.Wakatsuki, a senior associate of Maki's office, taught me that two portrait busts set in the entrance hall were for two leading persons of Society for Preservation of Japanese Art Swords and they were both born in Shonai region.  The present director of the museum is Mr. Sakai, a descendant of a feudal lord of Shonai region. I realized Shonai people made a great contribution in the field of art sword.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

  

 

 


近代・現代建築史を読む

2017-09-12 20:12:29 | 建築・都市・あれこれ  Essay

 致道ライブラリーで『新建築学体系5近代・現代建築史』を初めて読みました。といっても前半の鈴木博之氏の「ヨーロッパアメリカの近代・現代」だけですが・・・。鈴木氏の近代・現代建築史は、読み物として大変面白いと感じました。小説と同じように歴史は歴史家の個性溢れる作品だと改めて思いました。

 はるか大昔、教科書である『建築学大系6近代建築史』を読んだことを思い出します。そのときも著者の個性を感じました。山本学治先生の思考法に導かれ「歴史を編纂する」過程を垣間見たように感じた覚えがあります。確かその後すぐに『素材と造形の歴史』も読んで、思考のダイナミズムを楽しんだような気がします。ただ肝心の内容についてはあまり覚えがなく、まったく身についていないのが残念です。

 

高谷時彦記

Enjoyed reading "History of modern and contemporary architecture" written by prof.Hiroyuki Suzuki.

I think a historian is an author of our history.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata


楽しい講演会

2017-09-09 17:32:50 | 建築・都市・あれこれ  Essay

 鶴岡の人づくり、地域づくり活動に尽力されている(公財)克念社主催の講演会が新装成った荘銀本店ホールでありました。お声がけをいただき、東大の下田正弘、宗教評論家のひろさちや両先生のお話しを聞いてきました。

(写真はブログの内容とまったく関係ありません。荘銀本店ホールから公益大大学院に戻る途中のスナップです)

 

 下田先生は仏教聖典の研究者。印度哲学教室の先生。大昔私も印哲の玉城康四郎先生の授業をとったことを思い出します。ちなみに玉城先生は研究者ですが同時に深い宗教体験も経られた求道者のような風貌でした。

 下田先生は客席から拝見した範囲では普通の研究者、学者の風貌でした。お話しは「仏のことばに聞く」というタイトルです。釈尊あるいは原始経典がことばというものをどのように捕らえているのか、考えているのかということから始まりました。ことばは単に伝達のための記号ではなく釈尊はもの・ことと心(意識)を形作るものとして捕らえられています。ことばの意味についての話にはヘレンケラーのことを何回か引用されていました。

 私は映画の中でしかヘレンケラーを知りませんが、子供のころ盲、聾、唖の三重苦を背負ったヘレンが、サリバン先生の厳しい指導でWaterということばを始めてしゃべったシーンを思い出しました。私が印象に残っているのは、彼女が水が欲しいからWaterといったのではないということです。ものにはことばが対応しているということをサリバンは教えたのです。実物の世界に相同なシンボルの体系の中に私たちは生きているのです。話しは講演と離れますが、映画では私たちの世代には絶大の人気があったパティデュークがへレンケラー、アンバンクロフトがサリバン先生を演じています。「卒業」のミセスロビンソンですね。

 ひろさちや先生のタイトルは「南無そのまんま」。先生も印哲出身で、基本は学究の徒だと思いますが、風貌と話しぶりは大阪のおじさん風。

基本的には釈尊の一切皆苦という教え、そこにある執着を知ること、四諦の意味等を教えてくれたのだと思います。ただ話し方はお説教風ではなく、比喩にみちた人生漫談。会場の爆笑が絶えませんでした。

話しの最後は、浄土に持っていくお土産の話し。幸せな楽土ですから、その幸せを味わうためにはこの世での苦しかった思い出を持っていくのが一番よいそうです。影があってこそ光が感じられるという唯識論の説話を思い出しました。ただし、釈尊自身は死後のことについては考えないのがよいと言っていたことも教えてくれました。はすの池に落とした石の行く先を考えても分からないということでしょう。

面白く、そして考えさせる1時間半でした。あっという間に過ぎてしまいました。こんな機会をいただきありがとうございました。また地方銀行に400席のパブリック?ホールがあるというのもすばらしいことだと思いました。

高谷時彦記

I attended the lecture on Buddhism hosted by Kazama Family. It was held in new Shogin Hall in front of Uchikawa river. The large audience enjyoyed Mr. Hiro Sachiya's speech, rich in humor, and learned many words of Buddha from Professor Shimoda Masaya's speech.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

 

 


日帰りで瀬戸内海を往復

2017-09-07 20:34:09 | 建築まち巡礼ふるさと編 My Home Town, Setouchi

高松の家に用事があり、長男と二人で新幹線・日帰り旅行を決行。往きは朝の瀬戸内海。逆光です。

与島の上を通過中。遠くに大槌、小槌が見えます。

高松駅に到着。駅から瀬戸大橋通りを東に向かい目的の病院を目指します。艮櫓と琴電。廃校にはなりましたが母校の城内中学校前です。

電車が通り過ぎると使われていない校舎が見えるはずでしたが、既に跡形もなく仮囲い。何かができるのでしょうか?県立ホールやミュージアムの並びなので公共施設が建つのかもしれません。どうか、ホールやミュージアムのように、お城から(東の)屋島への景観を阻害することのないことを願うばかりです。

途中には、何港でしたっけか?

向こうに見える四国ドックは半世紀前と変わっていない!ように見えます(よくある記憶のねつ造でしょうか?)。玉藻橋がこんなアールデコの造形だったとは今はじめて気づきました。昭和初期の築造のはずです。

この後すぐに病院到着。

懐かしい流正之さんの彫刻が出迎えてくれます。まだまだお元気とのこと。

病室の窓から香川県立体育館がよく見えます。丹下健三先生の設計ですが、今は耐震性能の不足のため使用禁止になっていると建築雑誌で読んでいました。

気になるので、探索に出かけました。・・・力強い・・・構えた闘犬のようです。

コルビジェ的?生々しい造形。いいですね。

中は少し優しいモダニズムです。

帰りも電車です。やさしい山の姿がこの地方の特徴です。

夕日の瀬戸内海。またしても逆光でした。右手に本島や広島が見えていると思います。真ん中は高見島?

 高谷時彦記

I went to my home town TAKAMATSU with my son to see his grandpa sick in hospital.

I always feel that I'm home, seeing Setonaikai or the inland sea of SETO.

Our high school English teacher used to say " the beauty of the inland sea of SETO is beyond description."

It had almost become a cliche to us.

But now after 45 years since then,  I nod in sympathetic agreement with him!

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata