まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

久しぶりの瀬戸内海

2022-05-02 13:04:41 | 建築まち巡礼ふるさと編 My Home Town, Setouchi

コロナで、長らく訪問を控えていましたが、久しぶりにふるさと高松に向かいます。学生時代から変わりませんが、いつも瀬戸内海を見ると、「帰ってきたなあ」という気持ちになります。

瀬戸大橋の構造物の合間から見る瀬戸内海ですが、島の上では、一瞬ですが、見晴らしがよいところもあります。小さな富士山型の大槌、小槌島もきれいに映っていました。あの向こうに高松のみなとがあります。

かつては、岡山県側の宇野から連絡船に乗って、直接高松のみなとに帰っていました。下の写真のように、海に近い、低いところからところから、まちや島々を眺めていたわけです。

さて、陸地につくと、車窓は下写真のような風景となります。穏やかで優しい風土を表していますね。

高松での用事を済ませて、東京へとんぼ返り。坂出駅で、20分ほど余裕があったので、坂出人工土地へ急ぎました。大高正人さんの60年代末の作品です。以前よりメンテナンスが良くなった印象です。

あと、10分しかないと思いながら、人工「土地」の上へ。残念ながら、ホールのほうまで行く時間はありません。私は、大高正人さんの都市・建築に対する姿勢に共感するものがあります。この建物も、チャレンジングで好感を持ちます。コルビュジエ的な造形もいいと思います。ただ、今の感覚からすると、コンクリートの存在感が、住む環境としては強すぎるかもしれません。今の良さを残しながらうまくリノベーションすることもできるのではないでしょうか。

60年代から70年代にかけては、コミュニティの存在を前提としつつ、高密度に居住する方法を建築的に解決する方法が模索された時代だと思います。同時期に、ロンドンのバービカンエステイトもできています。こちらも坂出人工土地と同じで、コンサートホールなどの文化施設を複合しています。

下写真のハノーバーのイーメツェンテュルムも同じような課題への挑戦だと思います。どちらも、コンクリートの可能性を追求したデザインですが、後者を案内してくれたランドスケープアーキテクトが、”Too much concreet!"といっていたのを思い出します。確かに、私も今の感覚では、その意見に賛成です。バービカンも大規模なリノベーションがなされるというニュースがありましたが、坂出人工土地も、大高さんの作られた骨格が大変美しいので、リノベーションにより、さらに住む人にやさしい、心地よい風景が生まれるのではないかと期待します。

・・・と思いながら、急いで駅に向かう途中に遭遇した住戸。玄関を自分なりに改造しています。リノベーションですね。自分のうちという意識が強く働いたのでしょう。こういう思いも包み込むようなリノベーションもあり得るような気がします。

いい建築は、いろんな形で受け継がれていく可能性を持っている、ということでしょう。

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko Takatani

architecture/urban design

 

 


けっこう楽しい屋島水族館

2018-01-04 19:46:59 | 建築まち巡礼ふるさと編 My Home Town, Setouchi

さびれていると勝手に思っていた水族館。

なかなか面白いと思いました。なんといっても大きな海獣がいい。マナティ! フロリダ(?)の沼地の風景の中で出会えればもっと面白いでしょうけど・・。

ペンギンも近くから見られます

イルカにも水をかけられるほど、接近可能です。

カメを見ると、宇野の水族館に連絡船に乗って何度も連れて行ってもらったことを思い出します。窓を通して、生き物の目を眺めていると、その個体は自分よりもずぅーっと昔からそこにいてたくさんの人を眺めてきた、そしてこれからもずぅーっとそこにいるのだろうという不思議な感覚がいつもやってきます。水族館というのは、時間の感覚に揺らぎを与えてくれる装置です。

獰猛なウツボ。昔図鑑で見て以来、海で岩の中に手に入れるのが怖くなったことを思い出します。しかし、本当に獰猛かどうか、見た目だけではわかりませんが・・。

癒しの雰囲気でブームとなっているクラゲもいました。加茂水族館と同じように円形水槽の中を円周に沿って漂っていました。

オワンクラゲ?でしたか。

お客さんも多く、けっこう楽しく見ました。

いろんな生き物がいましたが、やはり大きな海の生き物に近づけるというのが一番楽しい経験でした。みんな心の中に「腕白フリッパー」の主人公が生きているのだと思います。ほんの少しファンタスティックな空間の雰囲気が加わればはるかに楽しい水族館になると思いました。

高谷時彦 記

I enjoyed Yashima Aquarium very much!

Many big marine animals, manatees, dolphins,seals,turtles・・・・・・・.

If tere were a little more fantastic atmosphere it would be much more vibrant place of the people.

 

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1

 

 


初詣は84番札所屋島寺へ

2018-01-04 18:41:29 | 建築まち巡礼ふるさと編 My Home Town, Setouchi

吹雪の庄内を後にして、東京経由で故郷の高松へ里帰り。

岡山で新幹線を降りて、マリンライナーで瀬戸内海を超えます。

しかし気持ちは、何年たっても子供の時の連絡船気分。

高松につくと、ことでん(琴平電鉄)琴平線に乗り換えです。高松築港の駅はお城の中にあります。ホームから母校の中学を望みます・・・

が、既に校舎は跡形もありません。巨大な「文化施設」が屋島方面への視界をふさいでいます。歴史的なシンボルである高松城(玉藻城)から源平の古戦場屋島への視線を遮るのはいかがなものでしょうか?

ともあれ、まちの中には地方都市にお決まりの風景が。再生への対応が遅れた廃墟のまち並み・・・。

しかし一方には、早くから対策を考えて今もにぎわう中心部もあります。

立地条件はむしろ前者の方がよい(ターミナル駅や駅デパートにも近い)のですが、両方ともに商業的ににぎわうというのは地方都市ではむつかしいようです。

ところで初詣は四国八十八か所巡り、84番札所の屋島寺へ行きました。ことでんの屋島駅も何年ぶりでしょうか。1929年築だそうです。屋根は天然スレートだったんではないでしょうか。

ケーブルカーが廃止になったのは知っていましたが、とりあえずケーブルのふもと駅まで歩いてみました。そこにあったのは・・・。この風景は寂しいですね。

バスで山頂に行くと、そこには昔と変わらない瀬戸内海の風景があります。

こういう風景を背景に子供のころ写真を撮ったことを思い出します。ただしそのころには手前の方の人家はなく、枝条架が規則正しく並ぶ流下式塩田の不思議な風景でした(枝条架の並ぶ風景を説明するのは結構難しい)。このあと、子供たちが小さい時に来て以来の「珍しくも山の上にある屋島水族館」へ。

あっ、もちろん屋島寺にもお参りしました。

高谷時彦 記

Started new year of 2018  in Takamatsu, my home town.

I, with my family, climbed Mountain Yashima to visit Yashima-temple to make wishes for the coming year.

How many years have passed since I took my boys to the aquarium on the top of the mountain last time?

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1

 

 

 

 

 

 

 

 


日帰りで瀬戸内海を往復

2017-09-07 20:34:09 | 建築まち巡礼ふるさと編 My Home Town, Setouchi

高松の家に用事があり、長男と二人で新幹線・日帰り旅行を決行。往きは朝の瀬戸内海。逆光です。

与島の上を通過中。遠くに大槌、小槌が見えます。

高松駅に到着。駅から瀬戸大橋通りを東に向かい目的の病院を目指します。艮櫓と琴電。廃校にはなりましたが母校の城内中学校前です。

電車が通り過ぎると使われていない校舎が見えるはずでしたが、既に跡形もなく仮囲い。何かができるのでしょうか?県立ホールやミュージアムの並びなので公共施設が建つのかもしれません。どうか、ホールやミュージアムのように、お城から(東の)屋島への景観を阻害することのないことを願うばかりです。

途中には、何港でしたっけか?

向こうに見える四国ドックは半世紀前と変わっていない!ように見えます(よくある記憶のねつ造でしょうか?)。玉藻橋がこんなアールデコの造形だったとは今はじめて気づきました。昭和初期の築造のはずです。

この後すぐに病院到着。

懐かしい流正之さんの彫刻が出迎えてくれます。まだまだお元気とのこと。

病室の窓から香川県立体育館がよく見えます。丹下健三先生の設計ですが、今は耐震性能の不足のため使用禁止になっていると建築雑誌で読んでいました。

気になるので、探索に出かけました。・・・力強い・・・構えた闘犬のようです。

コルビジェ的?生々しい造形。いいですね。

中は少し優しいモダニズムです。

帰りも電車です。やさしい山の姿がこの地方の特徴です。

夕日の瀬戸内海。またしても逆光でした。右手に本島や広島が見えていると思います。真ん中は高見島?

 高谷時彦記

I went to my home town TAKAMATSU with my son to see his grandpa sick in hospital.

I always feel that I'm home, seeing Setonaikai or the inland sea of SETO.

Our high school English teacher used to say " the beauty of the inland sea of SETO is beyond description."

It had almost become a cliche to us.

But now after 45 years since then,  I nod in sympathetic agreement with him!

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata