まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

歴史まちづくりに取り組む自治体の会議in鶴岡2017

2017-11-06 17:29:03 | 建築・都市・あれこれ  Essay

2017.11.01東北公益文科大学大学院ホールに歴史資源を生かしたまちづくりに取り組む自治体が一堂に会しました。鶴岡市の主催するイベントです。

佐藤滋先生の記念講演に引き続き、「歴史的資源を活用したまちづくり」というパネルディスカッションがあり、私も鶴岡でのとりくみを紹介するという立場で参加しました。

私とともにパネリストとなったのが内蔵のあるまち並み、「(横手市)増田町観光ガイドの会」の佐藤豊会長(右)、そして弘前「前川國男の建物を大切にする会」の葛西ひろみ代表(左)。

お二人からは、活動にかける熱い思いを聞かせていただいただけでなく、素敵な冊子を頂戴してしまいました。まずは増田の佐藤さんがお持ちになった写真集。この写真集がきっかけで増田の人たちが自分たちの郷土にこんなにすばらしいものがあるということを知ることになったという話しは印象的でした。親から子の世代へ地域の資源のすばらしさを伝えていかないと、意外に自分たちのまちの良さは伝わっていかないということでしょう。

そして葛西さんがお持ちになったのは、前川國男生誕100年祭の記念誌と地域建築雑誌Ahaus.

前者はDVDもついた本格的な記録誌。さらに驚いたのはAhaus. 恥ずかしいことに青森県にこのような素敵な建築雑誌があったことを知りませんでした。貴重な創刊号が、「前川國男と弘前」!

内容も雰囲気もデザイン性に満ちています。

実は葛西さんからは、以前私たち「世田谷区庁舎検討委員」全員に励ましの手紙をいただいたことがありました。世田谷区民会館や区庁舎と同時期にできた市民会館や庁舎を本当に「大切に」使い込んでいるのが弘前市民です。何とか世田谷でも同じように前川建築を継承していきたいと思ったのですが、なんとも私たちの力不足・・・・・。合わせる顔がないというのはこのことだと思います・・・。

高谷時彦 記

I was very much surprised to know a periodical magazine on architecture named Ahaus had been in circulation in Aomori region. I was given the first issue of the magazine, a special edition devoted to architect Kunio Maekawa. Wonderful!

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1

 


2017まちづくりウィーク

2017-11-06 10:10:59 | 建築・都市・あれこれ  Essay

鶴岡市の中心街銀座にまちづくりセンター(鶴岡Dada2階)がオープンしました。ということで今年のまちづくりウィークはそのオープンイベントもかねて、10月の最終週に行われました。

準備や運営は銀座商店街、鶴岡市、早稲田大学都市地域研究所(佐藤滋先生)等のかたがた精力的に取り組んでおられました。私も、声をかけていただいて「後世を担う自分たちが描く・語る”これからの鶴岡”」に参加しました。

といっても題名どおり、主役は若いまちづくりプレーヤーです。10人の方がプレゼンテーションをされましたが、なかなか頼もしいかたがたでした。

また銀座通りの旧エビスヤ小池薬局ビルでは、これからのプレーヤーとなる渡辺社長がご自分の理想とするたまり場作りの片鱗を見せてくれていました。本格的な工事を経てのオープンが楽しみです。

またお隣の広場では、コンサートが。私たちの研究室OBのパフォーマンスもお披露目です。

高谷時彦 記

Tsuruoka Machizukuri Center ”Dada” was opend last week.

I addressed the opening symposeum and enjoyed the festival.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1

 

 

 


東置賜のまちづくりを見学しました

2017-11-06 09:26:45 | 建築・都市・あれこれ  Essay

山形県の都市計画(区域マスタープラン)のお手伝いをしている関係で、県南部置賜地域のまちづくりを見てきました。いろいろ観るべきものや、考えるべきものがありましたが、たまたま最後にお連れいただいた高畠について紹介します。都市計画課の皆様ありがとうございました。

上写真のまほろば通りは高畠町の中心商店街ですが、都市計画道路整備にあわせて、景観形成に取り組んでいます。もともと下写真のような切り妻、妻入りのまち並みがあったそうです。

こういった事例をもとに、4寸勾配の屋根を持った切妻、妻入りのまち並みを作ろうと努力されています。銀行もこんな感じ。

せめて道路側だけでも切妻にというので、こういうケースも。なかなかがんばっておられます。

この道に直行する通りも商店街ですが、こちらは道路拡幅は行わず、昭和の雰囲気の商店街作り。

中も本格的です。若い方もコーヒー片手に読書を楽しんでいました。

看板も統一的です。

大変熱心な取り組みを見せていただきました。これで終わりと思ったら、まちの方が連れて行ってくださったのは・・・・。

 

驚きました。昭和初期にできた駅舎です。地元の高畠石が表面に詰まれて居ます。内側にはRCの躯体があります。

保存状態もよさそうです。電気室も残っていますし、電車やホームもそのまま。

この電車は懐かしい。

何とか活用しながら保存していける道があるとよいのですが・・・。

高谷時彦記

I visited Okitama-area, the southern part of Yamagata prefecture. Many thanks to the officers of Yamagata local government.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

 

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1

 

 

 


司馬遼太郎記念館はもっと早く来ておくべき作品でした

2017-11-05 17:15:04 | 建築まち巡礼近畿 Osaka, Kansai

司馬遼太郎記念館はずいぶん前から観たいと思っていた建築の一つです。

安藤氏は、建築は「外から見た時には、控えめで、中に入るとおおらかな空間があり、感動があるのがよい」という趣旨のことを言っていますが、この司馬遼太郎記念館はまさにそういう感がします。

アプローチです。

中が撮れないのが残念です。有名な本の壁の吹き抜けは平面は扇状、高さ11m以上ありますが、本棚と本棚の間は6mにも満たない空間です。どこかに入り込んでしまった(すなわち司馬遼太郎の内面世界ということでしょう)という感覚がうまくつくられています。1階から地下への階段、それから1階へのR形状の階段など人の行為を導く空間もたくみです。外観から見るとなんということのない縦長の窓(下の写真)が階段への光を導いている重要な窓になっているところもプラニングの妙です。

階段室の光の入れ方はアールトを彷彿とさせます。

そして展示されているスケッチを見ると初期においては敷地形状も異なり、建築も全く違った雁行形であったことが分かります。ただそこに、隣の土地が手に入らないかというコメントがあり、結果的には敷地の形を変えて現在の案となっていったことが分かります。的確な指摘というか、恐るべき執念ですね。

高谷時彦記

I visited Shiba Ryotaro memorial museum which I believe a masterpiece of Architect Tadao Ando.

The museum naturally reminds me of Hujisawa Shuhei Memorial Museum I designed in tsuruoka city.

Acording to the building specification set ahead of the design competition, an exhibition room must be separated from other spaces including  a corridor and hall. Then I decided to make an exhibition room as a completely closed RC box like KURA, a traditional storehouse in that region.  And I enclosed the solid box in RC structure with Sayado (pod hall) in steel structure.

Though I am satisfied with my work, while walking in Ando's museum, desultory thoughts are coming and going. "There might be an another solution if the architect had joined the making process of a preliminary document of the museum"  um.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko TAKATANI

architecture/urban design

 

 

 


新国立美術館で安藤忠雄展を見てきました

2017-11-05 16:24:44 | 建築・都市・あれこれ  Essay

3週間ほど前に司馬遼太郎記念館を訪れ、安藤建築が気になっていました。ちょうど展覧会があるということで、六本木の新国立美術館に出かけました。

一番の話題は光の教会の原寸模型。

原寸をつくってしまうところが安藤氏のすごいところ。

単純な幾何学のボリューム、貫入する壁あるいは直方体、(自然)環境との境をつくる(矩折の)長い壁・・それらが調停されることなく個々の存在感を主張する・・・その並置されたものの隙間に緊張感を伴う居心地を感じさせる空間がある・・・・そういった安藤建築の原型的な作品に惹かれるものを感じました。この感覚は司馬遼太郎記念館でも味わいました。

展示スペースから出てみると、今まで気づかなかった新国立美術館のスケールの良さも感じました。だんだん年を取るといろんなものに肯定的になるんですかね・・・。

せっかく普段来ることのない六本木かいわいに来たので、安藤氏の21.21美術館ものぞいてみました。

この美術館の上下の移動もなかなか心地よいもので、司馬遼太郎記念館を思い出させます。展示は大変刺激的でした。

 

こんな器を見たことはなかった・・。

高谷時彦 記

The retrospective exhibition of architect ANDO was very impressive one.

I was able to experience the space of Hikari-no-Kyokai or a church of light, I just missed visiting last month,

though I enjoyed seeing his masterpiece, Shiba Ryotaro memorial museum, in Osaka.

Tokihiko Takatani 

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1