まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

雪の手向について JUDI通信12号、四季雑感

2019-06-23 18:22:56 | 建築・都市・あれこれ  Essay

都市環境デザイン会議のWEB通信(服部圭朗龍谷大学教授ほかの皆さんで編集)12号に私たちが大学院で取り組んでいる手向のまち並みに関して、短い文章を寄せました。以下再掲します。

 

四季雑感

 

出羽三山信仰の宗教集落、手向(とうげ)の雪は深い。修験者/山伏の住居であることを示す立派な抜き通し門が半分以上雪に埋まっている。温暖な瀬戸内で生まれ育った私には、想像もできない厳しい暮らしである。

手向集落でも山伏として道者(里からくる修行者)を迎える宿坊を営む人は少数となった。多くの人がサラリーマンとなっている。しかし雪の少ない平地に降りずここに暮らす意味は何か。それは、羽黒山と共にあるという拭うことのできない自然に身についた感覚であり、峰入りなどの修行、祭りや出羽三山神社や集落の行事を通して修験道を千数百年守ってきた誇りである。

誇り高い山伏のまち・・・まち並みはその営みの集団的な記憶を表現している。私たちの研究室はこの10年来、まちの将来を真剣に考える住民とともに、まち並み修景に取り組んできた。ようやく制度が整い、信仰集落にふさわしい風格あるまち並みが徐々に私たちの前に現れつつある。

高谷時彦

建築・都市デザイン

東北公益文科大学大学院・鶴岡市・山形県

設計計画高谷時彦事務所・東京

Tokihiko Takatani

architect/professor

Graduate School of Tohoku Koeki University

Takatani Tokihiko Studio architecture/uaban design

 

 

 

 


久しぶりの寄り道 本郷台地の縁を歩く

2019-06-01 17:04:48 | 建築まち巡礼東京 Tokyo

本郷西片で所用があったため、白山まで歩いてから千石の事務所に向かいました。久しぶりの寄り道です。ちょうど南北に長い本郷大地の西の縁を北方向に歩くことになります。

 このあたりには漱石や魯迅が住んでいたそうですが、残念なことにその住居跡はありません。もう少し谷に降りれば樋口一葉終焉の地もあるようですが、今日は少し台地側を北に向かいます。

地形の縁は面白いというのはブラタモリのタモリ氏ですが、同感です。

こんな建物が出現。

昭和初期の3階建て鉄筋コンクリート建築。登録文化財になっています。壁は大正から昭和初期に流行ったドイツ壁です。面白い出版社の建物も並んでいます。

ここに来る前には、銭湯に出会いました。ここは谷を走る白山通りに近いところです。

 こんな看板建築もあります。

このレリーフもなかなか味があります。軒(コーニス)には何か文字看板がついていたかもしれません。

再びブラタモリ語録ですが、まちというものはその歴史の痕跡を簡単に消すことはできません。古いお屋敷の時代の塀の後も残されています。

歴史の凝縮した本郷台地の際、また白山台地との境い目ともいえるあたりです。少し勉強してからまた歩いてみたいものです。

高谷時彦

建築・都市デザイン

設計計画高谷時彦事務所・東京

東北公益文科大学大学院・鶴岡

I enjoyed walking to Hakusan Subway Station on my way to my atelier in Sengoku from Nishikata.

Tokyo has a lot of hills and valleys in its central area. I like walking on a path that skirts a historical hill.

There must be something curious! Of course I found very interesting historic buildings today.  

 

Tokihiko Takatani

architect/professor

Tokihiko Takatani Studio. Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki University. Tsuruoka City. Yamagata