まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

建築物から受ける圧迫感についての研究

2012-12-29 16:01:57 | 建築・都市・あれこれ  Essay

大掃除で棚から懐かしい資料-圧迫感と天空遮蔽率に関する武井教授の研究-を発見しました。

                         
捨てる前に要点だけメモしておきます。

低層の住宅地の中に大きなマンションが建つことで数多くの近隣紛争を生んできました。
基本的には地域ごとに高さや建築形式、規模などについての共通イメージがありそれがルール化されていることが望まれますが、中々そうなっていないのが現状です。

               
この現状の中で、武井正昭教授(東京理科大)は心理的な感覚である圧迫感を、天空遮蔽率(1から天空率を引いたもの)に関係付ける研究をしています。

        
もちろん人によって圧迫感の感じ方は違います。また環境条件によっても違います。路地のようなところは天空遮蔽率が相当高いわけですが、とくに圧迫感は感じない人が多いのではないでしょうか。また、大きな建築物が遠くにある場合と、小さなものが近くにある場合では天空遮蔽率が同じでも相当圧迫感には差がありそうです。当然建築外壁のの質感、色などによっても感じ方にはばらつきがあることは想像されます。

       
ですから、武井教授の研究は低層住宅地に1棟だけ大型建築が20mから40m程度離れて建つ場合という条件で、圧迫感と天空遮蔽率の関係を研究しています。

     
次の論文を読めば、凡その内容が把握できます。

「建築群から受ける圧迫感の計測に関する研究」日本建築学会学術講演梗概集1977.10

「建築群から受ける圧迫感の計測に関する研究-その2」日本建築学会学術講演梗概集1978.9

「圧迫感の計測に関する研究・4-許容値の設定並びに日影との対照-」日本建築学会論文報告集310号1981.12

「周辺建築物の影響を考慮した大規模建築物から受ける圧迫感と許容限界値に関する研究」日本建築学会大会学術講演梗概集1990.10

     
また天空率の測定方法としては次の文献。大変実践的なパンフレットで、魚眼レンズの補正表などもついています。

『日本建築学会設計計画パンフレット24 日照の測定と検討』 彰国社1977.8


久しぶりの原宿表参道

2012-12-22 20:00:46 | 建築まち巡礼東京 Tokyo

普段はとんと縁のないまち、原宿・表参道に出かけました。

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原宿駅も中々いいですね。

大正建築です。ハーフティンバーと呼ばれる木造の軸組みを外に現した構造に特徴があります。ヨーロッパにもハーフティンバーの建築は多く見られますが、イギリスを起源とするチューダー様式の系譜にある本格的な建築といって良いのだと思います。今度駅に人があまりいないときにじっくり見たいものです・・・無理でしょうか。

夕方からはスカイツリー直近で打ち合わせですが、まだまだ時間があったので表参道の裏路地へ。

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どんどん変わりつつあるようです。建て替えだけでなく既存の民家をうまく利用した店も多いようです。やはり東京のパワーは別格です。

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フランス人?も行列している餃子屋さん。2から3ヶ国語が飛び交っています。何はともあれ頂きます。

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