まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

今日の寄り道ー三業通りから大塚駅へ

2018-05-29 19:18:27 | 建築まち巡礼関東 Kanto

日曜出勤の帰り、ふと寄り道のアイデア。いつもの巣鴨駅ではなく大塚駅経由で帰ってみよう。

このくねくねの小道。調べてみると三業通り。くねくねしているのは昔は谷端川(やばた川)が流れていたから。

三業というのは、芸者置屋、料亭(割烹、仕出し屋)、待合茶屋の三つの職種のことで、このあたりは大震災後に栄えた花街だったとのこと。そういわれると料亭も何件がありますし、しもた屋でも、そことなく往時を髣髴とさせる。面白い佇まいを持つ建築もちらほら。

集合住宅もどこか、つややかな感じ(気のせい?)。不思議な欄間。

行きかう人の言葉を聞くと外国人の方も多そうです。

この道は大塚駅横の山手線ガードを超えて北側に続きますが、谷端川もそのまま上流へと続きます。ちなみにこの川は反対方向を下って神田川に合流します。このガード下には橋が合ったので、橋が花街への境界となっていたのでしょう。ここで大塚駅です。

もともとは大塚駅の北まで王子から電車がつながっていました。そこに鬼子母神まで新たな路線が付け加えられたそうです。

駅前を上から撮って見ました。確かに、日本の駅前というのはそれぞれが独特の表情を持っています。そして、地域の人々にとって何がしかの帰属意識を与える親しさを醸し出しているのです。

 I enjoyed strolling on my way home via Otsuka station from my office.

I came to know that the name of the winding street I was walking on was Sangyo street.  Japanese word "sangyo" sugests that this area was prosperous district containing classical Japanese style restaurants, tea houses with gesha and geisha dwellings. 

I'm sure each period or era should have left its mark. I was able to find some marks that remind me of the prosperous age of the district.

      

高谷時彦 建築/都市デザイン

設計計画高谷時彦事務所 東京

東北公益文科大学大学院 鶴岡・酒田

Tokihiko Takatani  architect/professor

Tokihiko Takatani & associates Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki University Tsuruoka, Shonai, Yamagata

 

 


旧割烹小幡のティンパネルがこんな身近なところに

2018-05-29 18:26:51 | 公共建築 Public architecture

酒田市にある急割烹小幡の洋館の外壁(地下を除く1,2階部分)は昭和の時代にいわゆるティンパネルで覆われてしまいました。東京で看板建築がはやった時代に外壁でよく使われたものです。化粧整形されたブリキのパネルといったところでしょうか。

おそらく同様なパネルだと思います。文京区の私たちの事務所のすぐ近くにありました。

灯台下暗し!

この建物は、はっきりしたことはいえませんが、おそらく関東大震災後~昭和初期の時期に作られたものではないでしょうか。ブリキのプレス成型板であるティンパネル(ティンシーリング)については、今後少し詳しく調べてみます。

Kyu Kappou Obata building in Sakata city was covered with "tin panels", tin coated thin steel panels popular in early Showa period.  I was very much surprised to find the same kind of "tin panel" on the surface of an old building located just near my office in Tokyo.

 

高谷時彦 建築/都市デザイン

設計計画高谷時彦事務所(東京)

東北公益文科大学大学院(鶴岡)

Tokihiko Takatani  architect/professor

Tokihiko Takatani & Associates, Tokyo

Gracuate School of Tohoku Koeki university, Tsuruoka, Shonai

 


旧割烹小幡が紹介されています

2018-05-26 16:52:56 | 公共建築 Public architecture

日経アーキテクチュアの最新号に旧割烹小幡の記事が(小さく)出ています。

映画おくりびとのロケ地である旧割烹小幡を、地域の交流施設として、隣接する日和山公園と一体的に整備することが紹介されています。

一時は費用や活用の方針が見えないことから、多くの部分について解体やむなしという「空気」もあったようです。この度、私たちに調査の機会が与えられ、市役所の方々と歴史資料の収集や、現場調査を進める中で、酒田地震(明治27年)に耐えた古い建築である可能性、地元の名棟梁の関与が推測される珍しい構造方式の存在、大正期にフレンチレストランとして建てられた斬新なデザイン(無筋コンクリートと木造の混構造)、当時珍しいマジョリカタイルの使用等々、湊町酒田にとってその歴史を物語る大変貴重な建物であることが分かってきました。

また、法規上の問題を整理したうえで、できるだけ工事費を押さえるような構造の補強方法や、洋館のフレンチレストランとしての再生や、和館の庭と一体となった地域交流施設としての活用を提案し、その方向での整備が酒田市によって方向づけられました。

お祭り(酒田祭り)の時に見ると、小幡楼(副島種臣により瞰海楼と名付けられていました)周辺が、一つのクライマックスとなっていることがよくわかります。

また、まちの方向を見ると、このあたりが酒田の中で一番高く、小幡楼(瞰海楼)がまちから見上げられたランドマークであったことが確認できます。

ついでながら、日和山から鶴岡方面を見ると月山の全貌が大変美しく見えます。右手の湯殿山、左手前の羽黒山(出羽三山)もはっきりと見分けることができます。

逆に鶴岡からは鳥海山の全貌がこれまた美しく眺められます。

Kyu Kappou Obata house, an deserted old building which was once used as a Japanese restaurant, was on the brink of being demolished because of high maintenance manegement cost. Sakata municipal office, the owner of the building, asked us to clarify the value of the building. Through our investigation the building was proved to be greatly worthy of being preserved from various points of view. The Mayor declared at the press meeting to preserve Kyu Kappou Obata house and renovate and use it according to the way  we proposed. I feel that we are very much responsible for the whole process of the conversion of the deserted building to the vibrant place where people enjoy interaction with other people and reborn SAKATA FRENCH cuisine.        

 

高谷時彦  建築/都市デザイン

設計計画高谷時彦事務所 

東北公益文科大学大学院

Tokihiko Takatani  Architect/Professor

Takatani Tokihiko & associates

Graduate School of Tohoku Koeki university