まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

高円寺を歩く

2011-05-07 16:31:12 | 建築まち巡礼東京 Tokyo

今日は、東八道路沿いに用事があったため、いつもの京王線ではなく武蔵境駅から中央線で事務所に向かいました。これは、良い機会だと思い、高円寺に立ち寄りました。ある大学の4年生の設計課題となっています。

     

高円寺は私が1971年に受験のため東京に来たときに、とめてもらったところです。

まずは、伊東豊雄氏のザ高円寺シアターに足を向けました。

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外から見ると閉じたボックスですが、中はかなり地域に開かれた使い方がされているという印象をもちました。

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地域上げての大道芸イベントを子供たちの参加型イベントと上手く絡み合わせて運営しています。350席程度のシアター空間が、子供たちの「リトル高円寺」を楽しむ遊び場と化していました。

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地下2階から2階までの吹抜けの階段が印象的です。

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上階はレストランです。

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周りを住宅地に囲まれ簡単に周囲に開くことができないという条件を上手く活かして独自の空間体験の場を作り出しています。

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外部の殻を構成する鉄板も今回気仙沼で被災した高橋工業のものでしょうか。そんなことを考えながら町に出ました。

       

高円寺の町は今若い人に大変人気が高いそうです。車からフリーの路地的雰囲気、小さくてオーナーの顔の見える店、人気の飲食店、若い人の好きな古着屋、安いアパート(とはいえ1kで9万円台などそれほどでもないような気もしますが)など、今風の魅力にあふれているようです。

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小さな単位で代謝を続け元気を保つ高円寺のまち。そこに学生たちがどういう提案をしてくれるのか、楽しみです。

      


鶴岡・仙台・FUKUSHIMA(3)

2011-05-06 14:48:37 | 建築まち巡礼東北北海道 Tohoku, Hokkaido

仙台から郡山に入りました。

こちらに入ると復興にはいるというよりは、まだ事故は継続中という雰囲気です。

テレビでも放射線量が常にモニターされています。田んぼにも水が張られていないようです。

さて私は東北地方でいくつか作品を作らさせてもらっていますが、幸いほとんどは被災していません。唯一の例外が小名浜の水際プロムナードです。郡山から東京に向かう途中にどうなっているのか立ち寄ってみました。

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かなりやられています。被災前の写真と比べることができます。

http://www15.ocn.ne.jp/~takatani/onahamadeck.pdf

関係者の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。犠牲者がいなかったことを祈ります。

幸い日本設計で設計されたアクアマリン福島は外から見る限り大きく破損しているようには見えませんでした。もちろん中では復活に向けた多くの努力がなされていることと推測します。

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周りの倉庫なども波をかぶっています。

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このプロムナードはラック計画研究所熊谷さんの基本計画・景観設計方針に基づき私たちが基本設計を担当しました。土木発注ということもあり、残念ながら、実施設計を担当することができませんでした。

     

デザインにおいては基本設計と実施設計は分離できないのですが、残念に思った分、実施設計チームに設計意図が少しでも伝わるようたくさんのスケッチを描いて渡したことを思い出します。

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早く、以前のように多くの人たちが、市場や水族館を楽しみ、このプロムナードをぶらぶら歩いてくれる日が来ることを祈っています。


鶴岡・仙台・FUKUSHIMA(2)

2011-05-06 14:16:20 | 建築まち巡礼東北北海道 Tohoku, Hokkaido

続き:

更に駅の東口へ足を伸ばしてみました。楽天のホームグラウンドのあるほうです。東口広場は家族連れでにぎわっています。

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うわさに聞いていたアンパンマンミュージアムも外構を残しほぼ完成していました。

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今まで城下町の時代の都市構造を意識したことがありませんでしたが、駅の東側にも鉄砲町や連坊小路など城下の時代を感じさせる町名が残っています。仙台の場合には、城下町の東側の一部をかすめるようなかたちで鉄道が入り込んできたようです。

鉄砲町のあたりは今も区画整理でどんどん変わりつつあります。

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ちょっと寂しい風景です。昔は、まち並みがあったのでしょうか。

古い瀬戸物屋さんです。

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連坊小路の方にはお寺が並びます。

新しい(と思いますが)五重塔もありました。

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かなり大きな軒の出です。

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駅の東側は初めて歩きました。大型マンションと戸建て住宅の混在する不思議な風景でした。


鶴岡・仙台・FUKUSHIMA(1)

2011-05-06 13:50:12 | 建築まち巡礼東北北海道 Tohoku, Hokkaido

連休を利用して郡山の家内の実家にお邪魔しました。

私は鶴岡からバスで仙台にはいりました。ここから東北新幹線ですが、少し時間があったので

天井が落ちたと報道された仙台メディアテークに足が向かいます。

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定禅寺通りを西へ歩きます。

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3日の時点で4階までは既にオープンし、ちょうど復興に向けてのキックオフイベントが始まるようでした。翌々日には設計者の伊東豊雄氏もスピーチに訪れるとのことでした。

    

この建物には自由な広場の趣があります。誰もが、自由に自分の居場所をつくり、自分のために時間を過ごすことができるという雰囲気があります。しかも、デザインのなせる業でしょうが、今までの公共建築にはない華があります。

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ここにいる人たちも、ほかの人たちの活動をぼんやりと眺めつつ、自分が見られていることも十分意識し、それを楽しんでいるように思われます。

一画には移動図書館がありました。前からあったのか知りませんが、建物の中に木陰があってそこに子供達が好きな本をたくさん乗せた移動図書館が立ち寄る・・・・そういった場面設定がごく自然に感じられます。そういう建物です。

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取りあえず安心して、駅の方向へ向かいます。少し寄り道をして戦災復興記念館にも立ち寄りましたが今日はお休み。商店街の方へ向かうと、今まで全く気付かなかった一画があります。

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こんな「いかにもありそう」という店もあります。

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「朝市」をいつもやっている通りもあることに気付きました。

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