まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

新横浜駅の円形歩道橋

2009-08-11 20:36:58 | 建築・都市・あれこれ  Essay

新横浜駅前の改造計画がもう大分前に完成していますよという声を聞いて早速見学にいってきました。

環状2号線をまたぐ円形の歩道橋が完成していました(下左写真)。新横浜駅前の明快なシンボルとしてのリング形状は私たちが03年におこなわれたプロポーザルで提案したものです。下右写真はそのときの検討模型です。

「yokohama_proposal.pdf」をダウンロード

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プロポーザルにおいては新横浜を歴史的な関内地区に対比的に捉え、未来的でスピード感・躍動感のあるデザインがふさわしいと考えました。関係する要素が錯綜する駅前空間はどうしてもごちゃごちゃとした雰囲気になりがちです。そこにわかりやすい円(丸)と直線という単純な幾何学を提案したのです(上右写真)。

 

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小一時間ほど感想を語り合いながら横浜市職員のO氏たちと歩きましたが、ふと新幹線からの連想でフランスのTGVの駅の話になりました。私は一昨年訪れたストラスブール駅を思い出しました。わかりやすさ、ダイナミックな造形、機能的な解決(L.R.T駅が地下に)、まちを代表するイメージを作り出すメッセージ性の強さなど大変感心させられるものでした。

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


館林県立美術館は建築家のこだわりの賜物

2009-08-10 22:20:54 | 建築まち巡礼関東 Kanto

栃木に寄ったついでに高橋靗一設計の県立美術館を訪れました。

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完成度の高い作品です。禁欲的な厳しいディテールや厳選された素材から感じられる抑制感と、伸びやかで自由な平面からもたらされる爽快な高揚感が同居しています。

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異なった幾何学のぶつかるさま、そのぶつかり方を厳しくコントロールする建築家の透徹した精神・・・・・・あらゆるところに建築家のこだわりが潜んでいます。

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


栃木-うずま川と蔵のまちなみ-

2009-08-10 21:51:37 | 建築まち巡礼関東 Kanto

江戸時代から舟運で栄えた商都・栃木に立ち寄りました。

市内を流れるうずま川に沿って蔵屋敷などが並びます。

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上の写真は旧横山邸です。深岩石(大谷石と同じ凝灰岩)でできた二つの石倉にはさまれた木造の商家です。右が麻問屋、左が銀行と分かれていたそうです。他にみない独特の雰囲気を作り出しています。

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川には船が浮かび周遊することが出来ます。上左の写真は木材の回漕問屋として財を成した塚田家の蔵です。しかし、そこまで立派でなくとも上右のようななんでもない日常的な風景もなかなか味わい深く感じられるのが川からの視点です。

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駅に向かう途中には上左のような懐かしい床屋がありました。この建物は木造です。いつの建物かわかりませんが出来た当初は表現主義的な斬新なデザインとして注目されたのではないでしょうか。これ以外にも面白い建物が多く飽きることなく駅に戻ってきましたが駅前の風景が「お決まり」パターンを踏襲しているのだけはいただけません。

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


早稲田の皆さんお疲れ様でした

2009-08-09 22:24:57 | 建築・都市・あれこれ  Essay

早稲田大学の卯月先生が主催する夏季集中ゼミが酒田でひらかれました。このゼミには様々な学部から30人あまりの学生が参加しています。まちなかの再生というテーマのもとで、東京での予備スタディに続き酒田で1週間近く合宿し提案をまとめました。

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昨日9日は中町交流広場でその発表会がありました。私も中間で2度ほどエスキスをみましたが、正直なところ間に合うのか心配でした。然し私の心配はまったくの杞憂で、皆さん本当にわかりやすくまた熱意を持って自分たちの提案を市民のみなさんに説明していました。会場にこられた皆さんも、模型やスケッチ、あるいは提案した食材の試食までを織り交ぜた熱い説明に感心してしているように思いました(若干ひいき目になっているかもしれません)。

 

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私は学生の成果品を採点するときにはコンセプト(発想の基本的な部分)、プログラム、空間構成、プレゼンテーション等の側面から評価しますが、今回のような短期課題でしかも市民の前で発表するというタイトな条件の下では、コンセプトにぶれがないかあるいはプレゼンテーションがしっかりしているかというあたりに重きを置いて評価すべきでしょう。そういった意味では、皆さんに高得点をあげたいと思います。きっと卯月先生もよい点をつけてくれるのではないでしょうか。

まちの再生には社会的、文化的、経済的そして環境・デザイン的にと多様な側面からの取り組みが必要です。そういった意味でも教育、政経、人間環境、理工学部の人たちと都市デザイン専攻の学生が共同で提案をまとめるというゼミのスキームはすばらしいと思いました。それぞれが専門家(の卵)としてのバックグランドをもって問題解決のための協働を行い市民が判断できるようなオールタナティヴ提案を作り出していくことがこれからの市民社会にもとめられているのだと思います。

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


事務所設立20周年を迎えました

2009-08-06 11:39:56 | 建築・都市・あれこれ  Essay

 

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事務所設立20周年記念日のサプライズ。

7月31日、夕方K邸の見積もり調整などを行っていたら、所員からの花束贈呈という思わぬサプライズがありました。1989年7月31日は私たちの事務所を登記した日です。その日からもう20年たってしまいました。設立当初からほとんど変わることのない事務所の規模、仕事の進め方ですが、これをサステイナビリティと考えるのか、停滞と考えるのか。私はもちろん前者のつもりです。

この間、見放さずにお付き合いいただいた所員の皆さんどうもありがとう。

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani