日印の提携がアジアを守る
インド・政策研究センター教授
戦略問題専門家
ブラーマ・チェラニー
(Brahma Chellaney)
インド外務相の政策顧問団メンバー。2001年までインド政府国家安全保障会議(NSC)顧問として対外安全保障グループ座長を務めた。著作に『中国、インド、そして日本の興隆』など。
中国の「海のシルクロード構想」は、かつての「真珠の首飾り戦略」(注2)を穏便に言い換えただけです。インドは陸側からも中国の脅威にさらされているため、インド洋を取られてしまうと、完全に包囲されます。
それなのに、インド国内では、陸地の国境紛争にばかり気をとられています。インドは、自国が海洋国家でもあると認識を変えなければなりません。
また、インド国内には安い中国製品があふれています。問題は、こうして中国が各国に経済的に進出し、政治的な圧力をかけてくることです。日本やフィリピン、韓国に対しても、同じ手口を使っています。
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まずインドは、流れ込んでくる中国製品を取り去るべきでしょう。そして、インド市場に入る条件として、中国に、政治や領土、水資源における紛争解決を迫る。こうして、中国の影響力を弱めていくべきです。
アメリカはフィリピンのスカボロー礁を守れませんでした。アジアの安全保障をアメリカに頼り切ることはできないのです。日本がアメリカとの同盟を維持しつつ再軍備すれば、日本のGDPは跳ね上がり、アメリカの安全保障も強固になります。
さらに、日本がインドと力を合わせれば、その合計は確実に、中国よりも大きくなります。日印の連携が、「中国中心のアジア」の実現を防ぐのです。(談)
(注2)中国が、香港からスーダンまでの沿岸各地に軍港やインフラ投資を行い、シーレーンを確保しようとする戦略。2005年、アメリカ国防総省の報告書に書かれた。