北朝鮮が22日、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられる2発を、日本海に向けて発射した。
核弾頭を搭載する弾道ミサイルの戦力化へ歩を進める北朝鮮は、日本国民にとっての深刻な脅威である。核・弾道ミサイル開発の暴挙を容認することはできない。
参院選に臨んだすべての政党と候補者には、日本の国と国民を守り抜く具体策を語ってほしい。これは外交努力に加え、平和を保つ抑止力をどう構築していくかの問題でもある。
射程2500~4千キロとされるムスダンは、米軍基地のあるグアム島を標的にできる。通常の弾道ミサイルよりも高空へ打ち上げて近くに落とす「ロフテッド軌道」をとれば、対日攻撃用になる。
4、5月に北朝鮮は4発のムスダン発射に失敗していた。ところが22日は、1発目は空中分解したものの、2発目は400キロほど飛行し、高度は千キロにも達した。
中谷元(げん)防衛相は「一定の機能が示され、わが国の安全保障に対する深刻な懸念だ」と語った。
安倍晋三首相は「断じて許すことはできない」と述べた。政府が、明白な国連安全保障理事会決議違反として北朝鮮に抗議したのは当然である。
核弾頭搭載の弾道ミサイルを北朝鮮が持つことは、安全保障上の悪夢である。与野党は、北に対する脅威認識を共有すべきである。それが、国と国民を守る方策を論じる前提条件となる。
効果的な弾道ミサイル防衛には、強力な日米同盟の絆と集団的自衛権の容認が欠かせない。
日米韓3カ国の海自・海軍は今月下旬、ハワイ沖で初のミサイル防衛演習を行う。政治的にぎくしゃくしている日韓だが、演習が実現するのは日米、米韓同盟が機能し、必要とされているからだ。
ミサイル防衛は、高度な軍事科学技術に基づいて進化し続けている。近い将来、異なる国籍の複数のイージス艦、早期警戒機などをコンピューターのネットワークでつなぎ、最も撃ち落としやすい地点のイージス艦などで迎撃するシステムとなる。
複数の国が互いに守り合う集団的自衛権の仕組みといえる。
安全保障関連法の廃止などを観念的に唱えている勢力は、真に国民を守る方策を提示できるか。より現実的な議論を求めたい。
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国防の議論をしているのは幸福実現党だけ。