元幸福の科学の会員で1987年より三十数年間、在籍し、活動をしてきました。その間を振りかえります。

最初は勉強会だったのに大川隆法氏は1991年に突然に自分は地球神・エルカンターレだと宣言し、宗教法人となった。

コロナ禍で迫りくる世界規模の食糧危機?[HRPニュースファイル2149]

2020-05-13 21:27:13 | 日記

幸福実現党党首 釈量子

◆コロナ感染拡大で予想される食糧の危機

今回のテーマは、今後予想される食糧危機とその対策をお伝えしたいと思います。

現在、中国発の新型コロナウイルスが世界に広がっており、これ自体、人類にとって大変な脅威ですが、いま別の危機も迫っています。

4月1日、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)の3機関の事務局長が次のような共同声明を発しました。

「各国の新型コロナウイルス封じ込めのための行動が、食料供給に影響を与えないよう、輸出制限などの措置を取らずに協調する必要がある。」

「食料品入手の可能性への懸念から輸出制限のうねりが起きて国際市場で食料品不足が起きかねない。」

◆未曾有の食糧危機の要因:(1)コロナで農業に従事する労働者たちが働けなくなる

こうした声明が出された背景として考えられるのが、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために、国境や都市を封鎖して人の移動を制限したことで、農業分野の人手不足が深刻になっていることです。

米国では、野菜や果物の収穫などはメキシコなどからの外国人労働者に大きく依存しており、この1年間に25万人の外国人に、農業に従事することを認めるビザが発給されていました。

ところが、コロナ騒動で、米国ではビザの発給が停止され、外国人の労働者がアメリカに入国できなくなってしまいました。

欧州でも東欧からの出稼ぎが止まり、農作業に支障が出ています。

日本でも、事実上の働き手になっていた「外国人技能実習生」が、日本に戻って来られないために、収穫が滞っているという悲鳴が上がっています。

◆未曾有の食糧危機の要因:(2)バッタの襲来(蝗害)

次にバッタの襲来で、蝗害(こうがい)と言われます。

今後の食糧危機を引き起こすものとして、労働者不足だけでなく、東アフリカ、アラビア半島周辺で発生した「サバクトビバッタ」が前例のない規模で大量に発生し、食糧を食い荒らしているという実態があります。

増えた理由ですが、2018年から本年まで、東アフリカでサイクロンが発生し、広範囲で雨が降ったことで緑化、豊富なエサの供給源となったことが直接的な原因とされています。

バッタは草だけではなく、人間の食糧も食べ尽くしながら移動し、成虫となったら卵を産んで、増殖していきます。

東アフリカでは、ケニアやエチオピア、ソマリアで前例のない発生があり、幾つかの群れがウガンダにも移動していると言われており、ソマリアでは「国家非常事態宣言」が出されています。

現在、バッタはパキスタンやインドに到達し、特にパキスタンでは壊滅的な打撃を受けて、食糧価格が高騰、全土に緊急事態宣言を発令し、国際社会に緊急援助を要請しています。

さらに、報道によると、「第1波」の次の「第2波」が繁殖地から飛び立って、既にウガンダなどアフリカ東部で壊滅的な被害をもたらしており、十分な対策をしなければ、第1波の20倍にもなるとの指摘もあります。

対策として各国は農薬を散布しているのですが、神奈川県ぐらいの面積で飛んでいるとされる大群にはとても追いつきません。

そして、このサバクトビバッタがいま中国に迫っています。


◆未曾有の食糧危機の要因:(3)ヨトウムシの大量発生

更に、中国では「ヨトウムシ(夜盗虫)」という蛾の幼虫で、極めて危険な農業害虫が大量に発生し、深刻な被害が出ています。

昼間は物陰に隠れていて、夜になって活動し、一晩で作物が食べられてしまうと言われており、既に被害面積は九州と四国を足した面積よりも大きい6660平方キロメートルにも達しています。

このヨトウムシはトウモロコシを食べますが、既に農薬に対して抵抗性が付いていて、農薬が効かないという話です。

このヨトウムシ被害の後、もしもサバクトビバッタの大群が中国に入ってきたら、中国で生産している穀物に非常に大きな被害が出ることは明らかです。

◆未曾有の食糧危機の要因:(4)食料生産国の輸出規制

以上のような労働力不足、害虫等の大量発生の理由から、各国は自国民の食糧を確保するために「輸出規制」を設け始めています。

世界最大の小麦輸出国のロシアは国内供給を優先し、4〜6月の穀物輸出量に制限を設けており、ウクライナも小麦の輸出制限を設定しています。

更に、世界最大のコメの輸出国であるインドも、コメや小麦の輸出を制限していますし、世界3位のコメ輸出国であるベトナムも、3月下旬に新たなコメ輸出の契約を停止しました。

冒頭にお伝え通り、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)、WTO(世界貿易機関)は、過度な輸出制限をしないように各国に求める共同声明を出していますが、今後どうなるか分からないのが実態です。 

◆日本の脆弱な食糧自給体制

このような未曽有の食糧危機に対して、日本はどのように対処すればよいのか、まず、日本の現状を確認してみます。

日本の食糧自給率を見ると、穀物の大半を輸入に頼っていることがわかります。

コメに関しての自給率はほぼ100%ではありますが、家畜の餌にする飼料用穀物の自給率は、28%しかありません。

各国からの輸入が止まった場合、コメ以外の穀物が食べられなくなるだけでなく、家畜用のエサがなくなってしまうので、タンパク源である豚や牛の生産に影響が出るわけです。

◆食糧確保のため日本が取るべき道:(1)減反の実質的廃止

日本がまず行うべきことの一つは、「減反を実質的に廃止する」ということです。

「減反政策」とは元来、米価が下がり、農家が困窮することを防ぐことを目的に、生産調整を行って米価を維持し、生産調整の達成度に応じて農村に補助金を配る仕組みです。

「頑張らなければお金をもらえる」のはおかしいしと批判が高まり、半世紀近く続いた減反政策は2018年には廃止になっていますが「事実上の減反」はまだ続いています。

その象徴となるのが「転作補助金」で、食用のお米をつくる代わりに、大豆や麦をつくったら10アール(1反)あたり3万5千円、飼料米をつくった場合は、10万5千円もの補助金を出しており、今までの減反補助金よりも高額と言えます。

しかし、食糧危機が来るかもしれないという今、そんな余裕はなく、食用のコメづくりの生産性を高めるか、あるいは「飼料用穀物」の生産に力を入れていくことが必要です。

◆食糧確保のため日本が取るべき道:(2)飼料用穀物の国産化

飼料用穀物については、補助金をもらうためではなく、国内の畜産農家に売るために、戦略的に作っていくことが大事だと思います。

現時点では、飼料用トウモロコシは、ほとんど米国から輸入していますが、日米貿易交渉において、日本は米国の余ったトウモロコシを買う代わりに、自動車への高い関税を免れたとも言われています。

確かに、非常に政治的でデリケートな分野だとも考えられますので、日本としては食用のコメづくりを守ることを最優先とし、いま国を挙げてトウモロコシ生産を推進する必要はないでしょう。

しかし、先ほどお伝えした通り、中国がヨトウムシによる被害によって、「トウモロコシ」が大打撃を受けている今、世界の19.3%を生産していた中国において、仮に収穫量が半分になったら、世界のトウモロコシの需給バランスが大きく崩れる可能性があります。

また、もし米国が飼料用のトウモロコシの輸出制限を始めた場合、豚や牛などのエサがなくなってしまいます。

北海道などで作られている乳製品の需給にも影響が出てきますし、現代人にとっては「肉なし、乳製品なし」の生活は考えられないでしょう。

◆飼料用トウモロコシを国産化する有効性
以上のように、日本においても飼料用穀物を生産できる体制を作っておく必要があるということです。

確かに、飼料用のコメもいいのですが、豚や牛のエサは、穀物をバランスよく与えてあげる必要があるため、100%コメで育てることは難しく、やはりトウモロコシも必要です。

それから、農地あたりの生産量とコストについて、飼料用のコメの場合、10アール当たり556kg、コストは10万円以上かかりますが、飼料用のトウモロコシは10アール当たり1000kg収穫でき、コストは3万5千円しかかからず、しかも手間がかかりません。

またトウモロコシは二毛作と二期作が可能で、もしトウモロコシが余ったら、食糧不足に陥った国々へ輸出もしやすいため、日本でも飼料用トウモロコシを育てておくのもいいのではないかと思います。

他にも大豆の自給率は6%しかないので、今後ニーズが高くなる可能性は高いです。

日本国内の「飼料用穀物の備蓄」はメーカー独自の在庫をあわせて100万トンありますが、万が一、輸出が止まったら、すぐにピンチに陥りますので、国内で生産できる体制を作っておく必要があるわけです。

◆食糧確保のため日本が取るべき道:(3)未来型農業への投資

今回のコロナ禍への対処策として、農林水産省は失業者に対して、農業を受け皿にするための支援を検討しているようです。

仕事を失った人たちが地域の農業で働けるよう、研修や宿泊の費用を支援して転職を促し、農家の人手不足を解消する狙いです。まさにジョブ・クリエーションです。

そうであれば、更に踏み込んで未来型農業への道を開き、「稼げる農業」を目指す若い世代の参入を促すべきではないでしょうか。

「リモートセンシング」や「GPS誘導付き自動運転トラクター」「ドローン」など、最先端の農業技術を組み合わせる「スマート農業」を進め、少人数で大きな農地を管理できる農業によって、生産性も格段に高まります。

「植物工場」も注目で、天候不順にも強く、世界にも輸出できます。[

今後、世界的に「農業用水」が不足する時代になると言われており、「水」の節約、そして中国に輸入依存している「肥料」の節約にもつながります。
世界三大投資家の一人と言われるジム・ロジャーズ氏は「日本で今後伸びる産業の一つは農業。

ライバルが少ない今、15年後には大儲けできるかもしれない」とも述べています。

◆食糧確保のため日本が取るべき道:(4)農地法の改正

そのためにも、農地に関する規制は緩和すべきで、農業に新規参入しようとする企業や個人を締め出してきた「農地法」は改正すべきです。

「食糧自給率を上げる」と言う観点からも、また「稼ぐ農業」という視点からも、生産性を高めるための環境づくりをすべきです。

例えば、現在でも株式会社が農業に参入する際には賃貸でしか農地を得ることができず、農業生産法人を設立しても、農地を所有するには、構成員の4分の3以上、役員の過半数以上が農業従事者でなければいけないといったルールもあります。

これでは、大手の食品会社などが自前の農地を持って農産物を育てるようなことは難しいでしょう。

◆食糧危機に貢献できる世界のリーダー国家を目指せ!

最悪のケースとして、「食料自給力」という考え方もあります。

これは国内のすべての農地、耕作放棄地や、花など、食物にならない農地をフルに活用した場合、どれだけのカロリーを生産できるかという指標で、芋を中心に植えると、国民が必要なカロリーがほぼ満たせるそうです。

しかし、これでは本当に戦時中と同じような食生活になるので、それが嫌なら、今から備えておくべきです。

日本には既に農業分野で高い技術力があります。

こうした安心安全の食をつくる技術を最大限に発揮して、日本の食糧自給率を高める取り組みを今から始めるべきです。

更に歩みを進めて、「世界の人たちをも食べさせる」という気概が必要だと思います。

いま世界はコロナの蔓延で殺気立っており、資源と食糧をめぐって奪い合い、紛争が起きる可能性もあります。

迫りくる「食糧危機」を乗り越え、世界に貢献できるリーダー国家・日本を目指すべく、今後もあらゆる政策を発信していきたいと思います。


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