●ポイントは舌の上のブツブツにあり!
体の中でもっとも触覚が鋭敏な部分が舌。なんと10万分の1ミリの凹凸を感知
します。鋭敏さを生み出しているのが、舌の表面を覆う小さいブツブツですが、
この小さな白い突起は糸状乳頭と呼ばれ、口の中の液体をのどの方へ導く
など、様々な大切な役割を果たしています。
糸状乳頭は非常に新陳代謝が早く、わずかなストレスや体の変調などによって
状態が変化します。
●死を招く!? 危険な低位舌
誰でもすぐわかる“舌を見る上で見逃せない超重要ポイント”があります。
見分けるために使ったのは「牛乳」です。
牛乳を舌と上あごの間に閉じ込めるテストをやり、このテストで牛乳がもれる
人は、誤えん性肺炎や歯周病、交通事故や二重アゴになる危険性が高いと
いいます。
牛乳がもれる人の特徴は、舌の位置が下がっている「低位舌」(ていいぜつ)」
です。
実は舌は厚さ5センチもある巨大な筋肉の塊で、本来であれば、安静時は
上あごに接しているものですが、舌が自らの重みを支えきれなくなると、
下がってしまいます。つまり、低位舌は舌の筋力低下の証拠なのです。
◎低位舌を見分ける「牛乳テスト」
【用意するもの】
・牛乳 7ml(小さじ約1杯半)
※水など、他の飲み物でも代用できます。
(1)牛乳を口に含み、舌と上あごとの間にこぼれないように閉じ込めます。
(2)そのまま「イーッ」の顔をして、唇を閉じずに飲み込みます。
最後まで、牛乳がもれなければ成功です。
※幼児、高齢者、持病を持つ人は行わない。誤えんには十分注意。
舌を見るだけで低位舌か見分けるポイントは「舌のふちが歯形がつきガタガタで
白っぽい」ことですが、舌が白くてガタガタでも、牛乳テストができる人は問題
ありません。
●低位舌改善!カンタン舌体操
「ベロは宝(べろはたから)」。
これは、口に出してみるとすごいことが起こる魔法の言葉、
舌の筋力がアップするトレーニングです。
ひとつひとつの文字にはちゃんと意味があります。
「べろはたから」という単語を1日20回繰り返してください。
(声は出しても出さなくてもOK)
「べ」は思いっきり舌を真下に突き出して発音してください。
出したり戻したりすることで、舌の位置を高く持ちあげる筋肉を鍛えられます。
「ろ」と「ら」は舌をなめらかに動かすための訓練。
「た」と「か」は舌先そして舌の奥を強く上あごに押し付けて発音するため、
食べ物をのどの奥に送る筋肉を鍛えます。
早ければ数日で、トレーニングの効果が実感できるようになります。
●「赤くてツルッ」が危険!平滑舌とは?
きれいな赤色でツヤツヤしていて、一見健康そうに見えても、舌の表面の白い
ザラザラがなくなった舌を「平滑舌(へいかつぜつ)」といいます。
白いザラザラがなくなることで表面がツルッとし、下の血管がじかに透けて見え
るので赤く見えますが、舌がこのような状態になっていたら、ほぼ100%の
確率で病気です。
●平滑舌に潜む病気とは?
一番多いのはドライマウスです。
ドライマウスは唾液が少なくなる病気ですが、唾液がなくなると、
ザラザラがこすれてなくなってしまいます。
他にも、鉄欠乏性貧血(重度の貧血)や、亜鉛などのミネラル不足によって
平滑舌が起こることもあります。
平滑舌になると、ザラザラが消失することで、舌を保護する粘膜もなくなり、
痛みが生じます。普通にしていても舌に違和感を感じるようであれば受診
したほうが良いです。
舌に不安がある場合、口の中の健康の専門医である「歯科」をまずは受診
することがおすすめです。
治療法は、ドライマウスであれば、唾液を出す薬を処方するなどの治療を行い
ます。舌の表面は再生能力の高い細胞でできているので、適切な処置を行え
ば、多くの場合、2週間ほどでザラザラは再生します。
※再生までの期間には個人差があります。
(2012年4月18日 ためしてガッテン)
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