落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

忘れたとはいわせない

2008年08月01日 | book
『アジアの子ども買春と日本』 アジアの児童買春阻止を訴える会(カスパル)編
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昨日に続きまして映画『闇の子供たち』の予習。
アジアの児童売春撲滅のために活動している人権団体カスパルが1996年に刊行した活動記録。12年も前の本なので現在と比べて情報は古いが、手近にすぐ読めるこのジャンルの本が少なかったのでとりあえず手にとってみた。
結論からいえば、一応参考にはなるけど読み物としてはちょっと弱過ぎる。あくまで活動記録なので本全体としてもまとまりがないし、何をどう読ませたいかという明確な姿勢がイマイチ見えてこない。とりあえず今日こんなことしてあんなことして、こんなことがあってあんなことがあって、誰某がああいったこういった、なんてなことが五月雨式にたらたら書いてあるだけのような印象。
本を読んでから団体のサイトも見たけど、どうも活動内容が散漫な感じがしてしまって、どういう成果を上げてるのかが具体的に響いてこない。成果はあるんだろうけど、そこをわかりやすくアピールしなければ第三者の理解にはつながらないし、つながらなければ協力も得にくいのではないだろうか。そういう面ではネパール人セックスワーカーの自助活動を支援するラリグラス(『少女売買』)の方がやってることはずっとわかりやすい。
もちろんこうした活動において、わかりやすいわかりやすくないという基準は何の意味もないのかもしれない。だがくり返しになるが、わかりやすい方が共感は得やすいし、人道援助に第三者の共感は必要不可欠のものではないだろうか。
それとこれはぐり個人の好みかもしれないが、本全体にかなり強引な極論や宗教臭が目立つのも気になった。

それはそれとして、アジア各国で日本人がどれだけの凶悪犯罪を犯しているかという事実を知るだけでも、それなりにいい資料ではある。
ここ数日『闇の子供たち』のプロモーションが活発になって、各メディアにアジアでの人身売買がちょくちょくとりあげられるようになって来たが、「信じられない」「知らなかった」「あり得ない」「嘘みたい」といった論調がやたら目につく。それこそ嘘みたいなくらいである。
ってか嘘でしょ?みなさん。ぐりは東南アジアに日本のおっさんどもがツアー組んで女の子買いにいくなんてことは、中学生のころにはもう知ってたよ。今から20年以上前の話だけど、それこそそんなことはぐりの周りの子も大抵普通に知ってました。買われる女の子が自分たちといくつも変わらない未成年だということも知ってました。
それともアレかな?人間て自分に都合の悪いことはすぐ忘れてなかったことにしちゃうから?「信じられない」「知らなかった」「あり得ない」「嘘みたい」って書いといた方が記事がカラフルになるから?
まあそんなことはどうでもいい。
小児性愛者に買われた子どもは肉体を買われてイタズラされただけでは済まない。売春生活の末に待っている地獄絵図こそが児童売春の真の害悪である。すべての小児性愛者にはそのことをこそ自覚してほしいと思う。

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