『ユゴ 大統領有故』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B0015DSO90&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
現在も韓国近代史上最大のミステリーとされている10.26朴正煕大統領射殺事件をモチーフにした政治サスペンス。
えー。とってもおもしろかったです。ぐり的には。
ただし。これ韓国の歴史や文化に興味のない人には、ちーとツライ映画かもしれません。
作品そのものは純然たる娯楽映画だし別に専門知識とかは必要ないんだけど、基本が事件当日の1日だけを時系列で語ってあるので、当時の韓国の国情にいささかなりとも理解がないと微妙について行きにくい。
たとえば作中に日本語の台詞がやたら出て来たり、大統領が日本の演歌のファンだったり、日本と韓国との長く深い関わりを示唆する演出が随所にみられるのだが、これだってつい最近まで韓国政権の中心を担っていた要人たちの多くが日本統治時代に教育を受けていて、思想的に日本の軍国主義に影響を受けていたという事情がわからなければ、ただ唐突にズレた表現にみえてしまうかもしれない。
なんでそんなことを思ったかとゆーと、ぐりが座ってた席のすぐ前にいたカップルの男の方が、上映前に思いっきり韓国に対して差別的な発言をあたり構わず大声で喋りまくっていたからだ。おおかた彼女に無理に連れてこられたんだろーけど、どーみても映画にも韓国にもいっさい関心がなさそうだった。それはいーけど場所柄をわきまえなさいよ(ちなみに他の観客はほとんどが中高年以上の男性ひとり客。カップルは30代半ば)。あったま悪っ。
この彼みたいな人はたぶん、この映画かなり退屈だったんじゃないかと思う。御愁傷様である。余計なお世話ですけど。
デートのときはもっとデートムービーらしいプログラムを選ぶべきですね。周りもメーワクだしね。
政治的大事件を描いた映画だが、雰囲気はとくに辛気くさくもないし深刻でもない。
というかむしろ却って、未だに歴史的評価の定まらない謎の多いこの事件をあえてコミカルに描くことで、モチーフに対してあくまでニュートラルに、受けとめ方を観客に自由に委ねるような、おおらかな映画にしあがっている。
暗喩の多い台詞回しは思わせぶりだけど、いったん事件が動きだすと誰も彼も何をどうするべきかまるでわかってなくて、チョー行き当たりばったりなのがものすごくおかしい。靴下には穴があいてるし、銃には実弾がはいってないし、無線は正門につながってない。大統領にあてがわれた女たちはほったらかされ、部下は上司の顔がわからず、医師は大統領の顔がわからない。ドタバタである。
それとは逆に、意味がわからなくてもあくまでも上官の命令通りに殺人を遂行する武官たちの、動物的な行動力が妙に怖い。こういうところが軍事政権の怖いところだなとしみじみ思った。軍事政権なら、大統領の警護をする人間もみんな軍隊出身者で実戦経験者なのだ。つまり、人を殺したり殺されかけたりした経験のある人ばっかりがウジャウジャと要人をとりまいてるのが日常ってワケ。守るだけじゃなくて、実際に人が殺せるんだよね。こーゆー人たちってさ。日本でいう警備員とはちょっとわけがちがう。
こえー。
韓国ではセンセーショナルな内容がマスコミや政府見解も含めて大きな批判をよび、一部シーンが黒みの音声のみの処理をされて公開されたそうだが、日本公開バージョンはオリジナルのままだという。
韓国で上映されなかったシーンは確かに、未だに朴正煕大統領の評価が定まっていないという複雑な事情を考えればしかたがないなという気はするけど、客観的にみればそんなにめくじらたてるほど大したシーンでもないと思う。
裁判も映像削除も、いい宣伝にはなったんじゃないかと思うけど、韓国ではどのくらいヒットしたのかねー?
ところで劇中で韓国人女性歌手(キム・ユナ)が熱唱する「北の宿から」と「悲しい酒」、ぐりにとっても懐かしい曲なのでこの事件当時もう発表されてたんかいな?と思ったらされてました(「北の〜」は76年発表、「〜酒」は66年)。当時韓国では日本の文化は規制されてて一般には鑑賞できなかったはずだから、大統領がどこでこういう歌に親しんでたのかがちょっと気になり。2曲とも名曲だけにね。
気になるといえば、帰省した在日韓国人がスパイにでっち上げられる法的手順を情報部職員たちが冗談まじりに解説するシーンも序盤にあって、ここまで日本と韓国の関わりにがっつり突っ込んだ韓国映画もちょっと珍しいのでは?という印象ももちましたです。
あと、大統領たちが宴席で食べてた高そうなお料理はなんとも思わなかったのに、病院で警備員が食べてたインスタントラーメンをみて思わず「おいしそう!」と思ってしまった自分のビンボー症にも失笑。もちろん帰りはラーメン食べましたともさ・・・。
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現在も韓国近代史上最大のミステリーとされている10.26朴正煕大統領射殺事件をモチーフにした政治サスペンス。
えー。とってもおもしろかったです。ぐり的には。
ただし。これ韓国の歴史や文化に興味のない人には、ちーとツライ映画かもしれません。
作品そのものは純然たる娯楽映画だし別に専門知識とかは必要ないんだけど、基本が事件当日の1日だけを時系列で語ってあるので、当時の韓国の国情にいささかなりとも理解がないと微妙について行きにくい。
たとえば作中に日本語の台詞がやたら出て来たり、大統領が日本の演歌のファンだったり、日本と韓国との長く深い関わりを示唆する演出が随所にみられるのだが、これだってつい最近まで韓国政権の中心を担っていた要人たちの多くが日本統治時代に教育を受けていて、思想的に日本の軍国主義に影響を受けていたという事情がわからなければ、ただ唐突にズレた表現にみえてしまうかもしれない。
なんでそんなことを思ったかとゆーと、ぐりが座ってた席のすぐ前にいたカップルの男の方が、上映前に思いっきり韓国に対して差別的な発言をあたり構わず大声で喋りまくっていたからだ。おおかた彼女に無理に連れてこられたんだろーけど、どーみても映画にも韓国にもいっさい関心がなさそうだった。それはいーけど場所柄をわきまえなさいよ(ちなみに他の観客はほとんどが中高年以上の男性ひとり客。カップルは30代半ば)。あったま悪っ。
この彼みたいな人はたぶん、この映画かなり退屈だったんじゃないかと思う。御愁傷様である。余計なお世話ですけど。
デートのときはもっとデートムービーらしいプログラムを選ぶべきですね。周りもメーワクだしね。
政治的大事件を描いた映画だが、雰囲気はとくに辛気くさくもないし深刻でもない。
というかむしろ却って、未だに歴史的評価の定まらない謎の多いこの事件をあえてコミカルに描くことで、モチーフに対してあくまでニュートラルに、受けとめ方を観客に自由に委ねるような、おおらかな映画にしあがっている。
暗喩の多い台詞回しは思わせぶりだけど、いったん事件が動きだすと誰も彼も何をどうするべきかまるでわかってなくて、チョー行き当たりばったりなのがものすごくおかしい。靴下には穴があいてるし、銃には実弾がはいってないし、無線は正門につながってない。大統領にあてがわれた女たちはほったらかされ、部下は上司の顔がわからず、医師は大統領の顔がわからない。ドタバタである。
それとは逆に、意味がわからなくてもあくまでも上官の命令通りに殺人を遂行する武官たちの、動物的な行動力が妙に怖い。こういうところが軍事政権の怖いところだなとしみじみ思った。軍事政権なら、大統領の警護をする人間もみんな軍隊出身者で実戦経験者なのだ。つまり、人を殺したり殺されかけたりした経験のある人ばっかりがウジャウジャと要人をとりまいてるのが日常ってワケ。守るだけじゃなくて、実際に人が殺せるんだよね。こーゆー人たちってさ。日本でいう警備員とはちょっとわけがちがう。
こえー。
韓国ではセンセーショナルな内容がマスコミや政府見解も含めて大きな批判をよび、一部シーンが黒みの音声のみの処理をされて公開されたそうだが、日本公開バージョンはオリジナルのままだという。
韓国で上映されなかったシーンは確かに、未だに朴正煕大統領の評価が定まっていないという複雑な事情を考えればしかたがないなという気はするけど、客観的にみればそんなにめくじらたてるほど大したシーンでもないと思う。
裁判も映像削除も、いい宣伝にはなったんじゃないかと思うけど、韓国ではどのくらいヒットしたのかねー?
ところで劇中で韓国人女性歌手(キム・ユナ)が熱唱する「北の宿から」と「悲しい酒」、ぐりにとっても懐かしい曲なのでこの事件当時もう発表されてたんかいな?と思ったらされてました(「北の〜」は76年発表、「〜酒」は66年)。当時韓国では日本の文化は規制されてて一般には鑑賞できなかったはずだから、大統領がどこでこういう歌に親しんでたのかがちょっと気になり。2曲とも名曲だけにね。
気になるといえば、帰省した在日韓国人がスパイにでっち上げられる法的手順を情報部職員たちが冗談まじりに解説するシーンも序盤にあって、ここまで日本と韓国の関わりにがっつり突っ込んだ韓国映画もちょっと珍しいのでは?という印象ももちましたです。
あと、大統領たちが宴席で食べてた高そうなお料理はなんとも思わなかったのに、病院で警備員が食べてたインスタントラーメンをみて思わず「おいしそう!」と思ってしまった自分のビンボー症にも失笑。もちろん帰りはラーメン食べましたともさ・・・。