はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

続、Tさんのこと(1)

2008年07月28日 14時36分15秒 | たんたか雑記
 Tさんが、にこにこしながら携帯電話を見せた。
 以前も書いたが、Tさんはこの事務所で働く嘱託員の女の子だ。明るくて仕事も出来るので、みんなに可愛がられている。
 しかし、どこかいじめっ子気質が入っているようで(そう言うと本人はぶんぶん首を振って否定するが)、油断していると思わぬところから突っこまれる。

 で、そのTさんが真新しい携帯電話を見せて言うのだ。
「いいでしょう。これ、このあいだ買ったんです」
「へえ、いいやつなんだ」
「デジカメが○万画素(忘れた)もあるんです。ワンセグもつながりやすいし」
「ほう」
「液晶が大きくて見やすいし、ゲームもいっぱい入ってるし」
「ほう」
「ウォークマンもこっち(と言って別の装置を見せた)を使うと、本体はカバンの中に入ってても操作できるんです」
「ほほう」
「せっかく自慢してるのに、なんですかその答え方は」
 そんなこと言われても困る。
 だいたい僕は、携帯電話関係にはほとんど興味がない。
 だから、いくら一生懸命自慢されても、たとえば火星人に
「この放射能除去装置は新型でねえ」
と言われているようなもので、どこがどうすごいのか見当が付かないのだ。
 Tさんは不甲斐ない僕を見限って、同じ嘱託員のKさんに自慢をし始めた。
 Kさんは大手コンピューター会社の重役だった人だから、さすがに機械モノに詳しい。しきりに感心している。
 Tさんも、たっぷり自慢できて満足そうだ。

(続く)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿