はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

「短歌研究 2011年6月号」詠草・うたう☆クラブ

2011年06月23日 19時54分26秒 | 日詠短歌

「詠草」


アメリカの噛まぬ戦は僕たちに関係なくて米炊きあがる (☆)

慣性と摩擦の果ての囚われの星よ今夜もかたみは欠けて

幾億の葉の擦れ合って成す音に《戦ぎ》という字あてたのは誰

ゆううつの目覚めの水におもいだす(亀の天ぷら)(縮こまる腕)

死とはもう会えないことと知りながら墓、雲、蝶に、虻に目をやる



「うたう☆クラブ」


Googleに位置確認す 今 毬蹴る青き人の抱き合う国

軍艦と潜水艦は浮くものと教えてくれた港、浦賀に (☆)

ノークラと今は言わずや左膝たてて東名高速走る

渾身の脱力はるか西空の積乱雲に黒色は無く

真南の海へと向かう女等の誰も彼もが顔しかめ、夏




(☆)のついているものが、取られた歌です。

なんか、どっちも物騒な歌が取られていますね。
そういえば昔、鹿児島の桜島行きの船に乗っていたら、いきなり潜水艦が浮いていてびっくりしました。
軍港の近くでもない、湾の真ん中、フェリーの航路沿いに、雨に濡れてぷっかりと。
ただ浮いているだけで、ただそれだけだったんですが、あの光景はなぜかシュールに憶えています。


仲間はずれ

2011年06月08日 20時45分10秒 | たんたか雑記

   連なれる五本の指の一本は仲間はずれのようである

                      (『こおろぎ』 山崎方代)


自分の右掌をぱっと見て、親指のことだ、と思った。
けど、眺めるごとに、どの指も当てはまりそうな気がしてならなくなった。
どの指も、仲間はずれ。
あなたの指は、どれでした?