はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

「野だて歌会」終了します

2006年12月25日 07時24分02秒 | イベント
 12時を過ぎましたので、「野だて歌会」を終了させていただきます。
 初めての開催、クリスマス、年末、寒さ(こんな時期に「野点!?」)、いろいろ重なったせいか、今回は、わりかしこぢんまりとした会となりました。
 でも、
「ひとりも参加者がないこともあり得る…」
と怯えていたので、アットホームな野だてができて、とてもうれしいです。
 ご参加いただいたすぎなさん、yururyさん、本当にありがとうございました。

 すでにご承知のように、この会は、五十嵐きよみさんがご自分のブログで開催されていた「お茶会」の形式をそのまま使わせていただいています。
 「お茶会」を外(=私のブログ)で行うので「野だて」、と割に安易に命名しました(寒さまでは考えんかった…)。
 他の場所でも書きましたが、この「トラックバック&コメント」形式は、インターネット歌会としては画期的な物である、と常々思っておりました。
 自分の手で開催できて、うれしいやら恥ずかしいやら、といった心境です。

 また、準備を整えてこっそりと開催できたらなあ、と密かに企んでいます。
 時期としては、来年の「題詠100首blog」の受付が始まるちょっと前くらいかな。
 そのときは、足慣らしも兼ねて、ぜひご参加くださいね。

「野だて歌会」を開催します!

2006年12月24日 10時40分34秒 | イベント
「野だて歌会」と称して、歌の会を開催します。
提出歌は、限定しません(ただし、短歌に限る)。
新たに詠んだ歌、以前どこかに(例えば「題詠100首blog」に)投稿された歌、ご自分のブログ等に発表された歌など、すべてO.k.。
どうぞご参加ください。

【受付期間】 12月20日(水)~12月23日(土)
【コメント期間】 12月20日(水)~12月24日(日)
【ルール】
・参加希望者は、ご自分のブログに、提出歌を掲載した記事欄を作成してください。
 すでにある場合は、その記事欄を使用していただいてけっこうです。
・そこから、この下にある記事欄(「野だて歌会」提出歌)にトラックバックしてください。
・その際、特に意見を聞きたい点などがあれば、提出歌のコメント欄にあらかじめ書き込んでおいてください。
・参加者は、他の参加者のブログに行き、提出歌のコメント欄に、その歌に対する批評、感想などを書き込んでください。
・参加者は最低でも、いずれか1首に必ずコメントしてください。
・コメント期間中、作者は自作に対するコメントを控えてください。ただし、コメント欄に顔を出して、ご挨拶をされる程度はO.k.です

鑑賞サイト 050:萌

2006年12月17日 14時02分17秒 | 題詠100首 鑑賞サイト
 投稿歌に良く出てくる「萌え~!」というのが、正直よく分かりませんでした。
 で、職場で聞いてみました。
 同僚「ほら、最近言うじゃないですか。アニメの主人公だとか、かわいい女の子見て『萌え~!』って」
 私 「ああ、ロ○コンのことか」
…瞬間、職場が凍りつきました。
 どうやら、ロ○コンをソフトに言うと「萌え~!」であることと、「ロ○コン」はまだまだ準発声禁止用語であるらしいことが判りました。恥かいた。
 そんなことはともかく。

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春だから(そんな理由でいいのなら)手足の爪を萌葱に染める
                         (暮夜 宴) (青い蝶)

 萌葱色のマニキュアというのがあるのかは知りませんが、あってもいいですよね。楽しそう。
 あるいは、春の草原で手も足も草の色に染まりたい、ということかもしれません。二句、三句を外して読めば。
 問題は、「(そんな理由でいいのなら)」。これが入ることで、歌のイメージががらりと変わります。
 ( )付きで言われると、これは二義的な問題であるという印象を与えますが、それがかえってこの「理由」をクローズアップさせています。
 「理由」というのは「春」のことのように読めますが、むしろ歌の中には明示されていない事柄のことを指しているのかもしれません。
 それはなんなのか。なんでしょう?これからゆっくりと考えてみます。

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アスパラのひどく困った緑色ワインなくても萌えてあげるよ
                     (ハナ) (象の求愛ダンス)

 アスパラガスの緑を「ひどく困った」と形容したのは、ハナさんがおそらく初めてではないでしょうか。
 うーんでも、困ってるかなあ?このへんは、純粋に読み手の受け取り方の問題ですね。
 あるいは「困っ」ているのは、主体の相手かもしれないですね。
 で、主体は
「いいよ。ワインなんか無くても、盛り上がって(あるいは華やかにきれいになって)あげるよ」と。
 それとも、「困った緑色」のアスパラガスだけで充分「萌え」られるので、ワインなんかいらないよ、と若干偉そうに(冗談ぽく)言っているのでしょうか。
 アスパラガスたべたい。

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花ひらく萌しを摘んで雨を待つ(死ねない高さのベランダにいる)
                  (ひぐらしひなつ) (エデンの廃園)

 これも、( )のある歌です。
 ネガティブな状況を歌っているはずなのに、不思議と非常に静かで明るい光景という印象を受けます。しかも、通底音としての緊張感。
 ( )の中の語が、主体が考えたことではなく、どこか別の場所から響いてくる別のなにかが発した言葉のようにも思えます。
 「死ねない高さ」というのは初め、飛び降りても死ねない、と読みました。
 でも、だんだん
「花を植えた植木鉢を落として、(それが下の人に当たっても)死なない程度の高さだ」
 という風にも読めてきました。
 あ、いやそれだと「死ねない」にはならないか。下の人=主体と読むと、無理読みになるし。
 もしかして、「死ねない」のは「花」なのでしょうか。
 「花」と「萌」、「摘」と「雨」の印象がそれぞれ呼応し、「ベランダ」がそれをまとめ上げています。