はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

「短歌研究 2011年7月号」詠草・うたう☆クラブ

2011年07月14日 20時21分45秒 | 日詠短歌

「詠草」

枝垂れ桃、しだれの櫻、名を知らぬ花を従え雨の夢殿

夢殿の花のしだれに掌をやれば付き来る弁の白さに詫びる
(弁=ひら)

「おおきに」の抑揚真似る店のそと三月書房雨あがるころ (☆)

烏丸の「る」を聞き逃し取り零しかけあがるには北大路駅

北大路 春大文字 加茂川の小滝のかみに鴨一羽浮く



「うたう☆クラブ」

オノマトペどろどろひろと引きずって畑の畝をゆく鉄の爪 (☆)

土道は右から左へ抜けてゆく短歌辞めたくなる影の中

幹となることを夢見て今日もまだ歌詠む平凡人の俺は

定型という凶器あり こいつらはこんなにりっぱじゃなかったはずだ

手風琴鉄琴木琴水琴をかなでる穂村弘になって



 (☆)のついているものが、取られた歌です。

 「詠草」の歌は、4月に奈良・京都へ一日逃亡したときのものです(詳しくはカテゴリ「たんたか雑記」の「発作的奈良京都紀行」をお読みくださいね)。
 日帰りで友達にも会えなかったけれど、あのトンズラ、もとい旅は本当によかった。
 また逃亡したいなあ。