はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年07月25日 18時59分02秒 | 日詠短歌

2012/6/25(月)
   人間ドック終了。10日ぶりのビール。

 巻き袖の裾を伸ばして駅までの道に瑞々しく珠の花


6/26(火)
   短歌研究「蓮喰ひ人の日記」(黒瀬珂瀾)終了。好きな連載だった。

 さねさし相模の弧辺に満ち寄せるオデュッセウスの船 俺もまた


6/27(水)
   角川『短歌』7月号が、どこに行っても売り切れ。五軒目でやっと見つけた。

 マンボウの胸びれにつと掴まって三億世界の子に会いにゆく


6/28(木)
   せっかく闘いに乱入したのに、ヘラクレスに全く気づかれず踏みつぶされた。
   それが蟹座。

 やわらかな皺に寄せられ和鋏の楕円をくぐるあじさいの弁
 (弁=ひら)


6/29(金)
   笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために
         (「道化師のソネット」さだまさし)

 夏服のふくらみのなか抱く鉢の ブーゲンビリア 群のむらさき


6/30(土)
   東京湾フェリー 久里浜から金谷まで四十分。

 のりしろを知らない人へ指をさす太平洋というシステムの


7/1(日)
   夏草に汽罐車の車輪来て止る
(山口誓子)

 透きとおる殻もろともに篠竹の葉先へ向かう児のかたつむり