はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

笹短歌「店屋・店名」

2008年12月31日 09時04分21秒 | 日詠短歌
笹短歌ドットコム お題「店屋・店名」で選んでいただきました。


・縁日の屋台のうしろほの暗く銀杏の蔭で鳴る発電機(○)

・今日からは青き縞あるローソンの制服を着る三河屋主人

・マンモスの牙人形(ひとがた)に削られてさむき道辺に売られていたり

・駐車場六台分か始発まできみとしゃべったミスタードーナツ(×)

・海苔ばかり黒く出しゃばるラーメン屋もの食う顔はみな僧に似て(×)


後ろの(○)が佳作、(×)が選ばれなかった作品です。
選ばれなかった2首の方が、むしろ自信があったんですが。
どっかで見たことがある、と言うことでしょうか。

ということで、大晦日です。
わたしもこれから、実家に帰ります。
皆様、良いお年を。

「野だて茶話会」終了します

2008年12月28日 16時46分25秒 | イベント

そんなわけで、「野だて茶話会」終了いたします。
ご参加いただいた藻上旅人さん、やすたけまりさん、どうもありがとうございます。
お二人へのお礼は下「提出歌」のコメント欄に書きましたので、よろしければご覧下さい。

さて、2年ぶりの「野だて」でしたが、やはり参加者は少ないですね。
年末のこの忙しい中、お二人の参加があったことだけでありがたいのですが、正直言って、ちょっと寂しかったです。
このイベントの魅力の問題もあるのかな、と考えたりしています。

他の方のお歌を「読む」、そしてそれを文章で解説していくという作業は、少し大変ではあるけれど、とても楽しいし、やりがいのあることだと思います。
どうすれば、より多くの方々とそんな作業の交換ができるか?
内容を練り直して、さらに気軽に参加できるようなイベントを考えたいと思います(来月中旬あたりかな?)。
その節は、ぜひご参加下さいね。

「野だて茶話会」を開催します

2008年12月27日 18時55分55秒 | イベント
「野だて茶話会」と称して、歌の会を開催します。
それぞれのお歌について、自由に感想を語りあう会です。

提出歌は、限定しません(ただし、短歌に限る)。
新たに詠んだ歌はもちろん、以前どこかに(例えば「題詠100首blog」に)投稿された歌、ご自分のブログ等に発表された歌など、すべてO.K.。
野だてですので、暖かくしておいでください(サンタやトナカイのコスプレも可)。

【受付期間】   12月14日(日)~12月25日(木)
【コメント期間】 12月14日(日)~12月27日(土)
【ルール】
・参加希望者は、ご自分のブログに、提出歌を掲載した記事欄を作成してください。
 すでにある場合は、その記事欄を使用していただいてけっこうです。
・そこから、この下にある記事欄(「野だて茶話会」提出歌)にトラックバックしてください。
・その際、特に意見を聞きたい点などがあれば、提出歌のコメント欄にあらかじめ書き込んでおいてください。
・参加者は、他の参加者のブログに行き、提出歌のコメント欄に、その歌に対する批評、感想などを書き込んでください。
・参加者は最低でも、いずれか1首に必ずコメントしてください。
・コメント期間中、作者は自作に対するコメントを控えてください。ただし、コメント欄に顔を出して、ご挨拶をされる程度はO.k.です

たかはら(斎藤茂吉料理歌集)

2008年12月18日 06時21分17秒 | 斎藤茂吉料理歌集
「たかはら」


 昭和四年

酒によわくなりたる吾を寂しとぞ思はむ折もなかりけるかな

朝々にわれの食(たう)ぶる飯(いひ)へりておのづからなる老(おい)に入るらし

はかなごとわれは思へり今までに食ひたきものは大方(おほかた)くひぬ

あたたかき飯(いひ)くふことをたのしみて今しばらくは生きざらめやも

章魚(たこ)の足を煮てひさぎをる店ありて玉(たま)の井町(ゐまち)にこころは和(な)ぎぬ

まむかうの山間(さんかん)に冷肉(ひやにく)のごとき色の山のなだれはしばらく見えつ

ビステキの肉くひながら飛行士は飛行惨死のことを話(はなし)す

晝のまの勤(つと)め果てつつ一息(ひといき)をつかむころには何を食はむか

あげつらふ餓鬼(がき)は居りともひたぶるに竹の里人(さとびと)を我は尊(たふと)ぶ


 昭和五年

新しき年のはじめに貧しきも富めるも食ひたきものを食ふらむ

春さむき紙帳のなかに飯(いひ)も食(く)はず風のなごりの身はこもりけり

きさらぎはいまだ寒きに石かげの韮(にら)は群がり萌えいでむとす

味噌汁をつつしみ居りし冬過ぎていまこそは食はめやまの蕨を

芍藥はすでにふふむにかたはらの柘榴の赤芽(あかめ)いまだまず

身にひそむ病しあればこの春はき韮さへ剪(き)ることもなし

山かげの水田(みづた)にものの生きをるは春ふけにしてひそむがごとし

妙高の山路(やまぢ)を來れば土くろしみぎりひだりに蕨もえつつ

吾の如く細谷(ほそたに)がくりおりくればこのきみづ人は飲むらむ

山のべにくれなゐ深き白頭翁(おきなぐさ)ほほけしものは毛になりにけり

常蔭(とこかげ)の山といはなくにおきなぐさはつはつふふむ寒きにやあらむ

雪きゆる谷川のべに養(やしな)ひしアスパラガスをわれに食はしむ

はざま路に入りつつくれば若葉して柿の諸木(もろき)は皆かたむけり

朝々(あさあさ)に味噌汁にして食ふ蕨は奥山より採りこし蕨にあらず

けふの朝買ひし蕨は淺山より採りきて賣りたるものならむ

雨のひまに谷に入り來て胡桃(あをぐるみ)いくつも潰(つぶ)すその香なつかし

弟と弟の子と相寄りて夕餉(ゆふがれひ)鯉こくのたぎれるを食ふ

淡々(あはあは)しきものとおもへど山中にこもらふ如く夏蕎麥(なつそば)の畑(はた)

午飯(ひるいひ)を此處に濟ますと唐辛子の咽(のど)ひびくまで辛(から)きを食ひぬ

午(ひる)過ぎにはやも宿かり親しみて油揚げ餅食ひつつ居たり

はしばみの實をまだ若(わか)み道すがら取りて食へどもその味(あぢ)無しも

ほほの木の實はじめて見たる少年に暫しは足をとどめて見しむ

○(ぶな)の實のおちゐる道を踏みながらやうやく明けし峽(かひ)にかかりぬ
(○=漢字 木偏に無)

般若坊(はんにやばう)水(しみづ)にたどりつき汗あえし顔も眼(まなこ)も浸(ひた)してあらふ

水芭蕉山煙草などいふものをわが子の茂太(しげた)もわれも見てをり

烏川(からすがは)谿をながれぬ下(お)りたちてきよき川原に飯(いひ)くひにけり

わが家より持ちて來たりし胡瓜漬を互(かたみ)に食ひぬ谿の川原に

小屋見れば兎の足が六十餘りあり冬に來たりて狩せるらしも

月山の山の腹より湧きいづる水は豊けし胡瓜(きうり)を浸(ひた)す

わが子にも鹽をもて齒を磨かしむ山谷(やまだに)の底に夜(よる)は明けつつ

湯殿谿に飲食物(のみくひもの)をはこぶ馬がこの山道を通ふさびしさ

田麥俣(たむぎまた)を眼下(まなした)に見る峠にて餅(もちひ)をくひぬわが子と共に

山道に少し許りの平(たひら)あり水いでつつ店に油揚げを賣る

山中のかすかなる店に油揚げにて午飯(ひるいひ)食ひぬその握り飯(いひ)

たふとくも見ゆる白鷺このやまの杉のうへにして卵を生みつ

南谷(みなみだに)ふりにし跡(あと)にわが來ればかすかにのこる河骨(こうほね)の花

雨はれし羽黒の山にのぼり來て餅(もちひ)を食ひぬ食へども飽かず

あまつ日の照りきはまれる道のへに西瓜(すゐくわ)を置きぬあたたまるらむ

淋しさに堪へたりといひしいにしへの人の食ひけむ物おもひつつ

風のおと川わたり來るみやしろに栴檀(せんだん)の實のおつるひととき

山ふかき村のはづれにいささかの鹽(しほ)賣る家の前を過ぎつつ

石龜(いしがめ)の生める卵をくちなはが待ちわびながら呑むとこそ聞け

み寺なる朝のいづみに槇(まき)の木實(このみ)きがあまた落ちしづみけり

 (原本 齋藤茂吉全集第二巻(昭和四八年))

源氏物語とスターウォーズ(2)

2008年12月02日 18時59分40秒 | たんたか雑記
 妄想に弾みが付いてしまったのでもう少し続ける。
 これに続く『エピソードⅡ』のタイトルは当然「ムラサキ」である。
 『Ⅲ』は「スマ・アカシ」で、ダークサイトに落ちたGENJIが、サブエンペラーの座に着くところで終わる。
 『Ⅳ』は「ニオーミヤ」、『Ⅴ』は「ウジ」。GENJIの子孫でやはり強いフォースを持つニオーとカオルが活躍する。

 『Ⅵ』はどーすんだ、という声もあろうが、原作者のトゥ・シキブが続きを書いていないんだからしょうがない(真面目な話、あそこまで引っ張ったんだから、切りのいいところまで書いて欲しかった)。
 だから勝手に続きを想像すると、

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 キューチューパレスの深奥部に到達したカオルの前に、死んだはずのカシワギ(トーノ・チュージョーの息子)がサイボーグ化して立ちふさがる。
「お前が父さんを殺したんだ!」と叫ぶカオル。
「No! I am your Father!」
 ショックを受けるカオル。
 その後、カオルとカシワギは、ダークエンペラーGENJIの前で戦うが、息子への愛に目覚めたカシワギは、GENJIを道連れに死んでいくのだった。
 かくしてフォースはバランスを取り戻し、シティーヘーアンキョーの御代は栄えたのであった。

  ジャラッジャラッジャラッ ジャジャジャ!(以下、エンディングテーマ)

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 この辺まで来ると、もはや呆れて誰も読んでいないだろうが、インパクトの強い物語を平行して見読すると脳に良くありませんよ、というお話でした。

(了)

源氏物語とスターウォーズ(1)

2008年12月02日 18時53分56秒 | たんたか雑記
 『源氏物語』を読んでいる。
 最初から順を追って読むのは、考えてみればこれが初めてだ。
 すでに終盤の「宇治十帖」まで読み進んでいるが、めっぽうおもしろい。
 それはいいのだが、同時に『スターウォーズ』のDVDも始めから見返しているので、時々この二つが頭の中でごっちゃになる。
 例えば、こんな感じだ。

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 Long time ago
 In a city
 Far, far away…
(いづれのおん時にか
 はるか彼方の平安京で…)

ジャン!!(以下、スターウォーズのテーマ)

  GENJI
  STORY

『エピソードⅠ HUJITUBO(藤壺)』

「クイーンキリツボはエンペラーとの間に一子をもうけたが、それを嫉妬
 した悪の女御コキデンによって命を奪われた。
  さらにコキデンは、忘れ形見の一子にも手を伸ばしたが、エンペラ
   ーの機転により、御子は救われる。
    その御子はたぐいまれなるフォースに恵まれ、後に「シャイ
     ニングGENJI」の異名を取った。
      しかし、自らのフォースに溺れたGENJIは増長し、
       キューチューパレスに住むエンペラーの後妻フ
        ジツボに想いを馳せる。
         それにより、コキデンの追求はGENJI
          ばかりでなくフジツボにも及ぶのだ
           った…」

(前説インポーズ終わり、カメラは下にパンする)
 ズキューン ズキューン!
(光弾を発射しながら逃げる小船『HUJITUBO』。そのあとに超巨大船『KOKIDENデストロイヤー』が姿を現す)
 ズゴゴゴゴゴ……

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 やってると切りがないのでこの辺でやめるが、しかしこういう目で見ると,スターウォーズの音楽って源氏物語に馴染むと思いません?思わないか。
 でも、太政大臣になって以後の光源氏には「ダースベイダーのテーマ」がぴったりなんだけどなあ。