退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「映画ネタ」ふたつ

2011-11-23 02:56:52 | Weblog
晴れ。昨日ほどの寒さはなく。

川本三郎「ハリウッドの黄金時代」を読む。

アラン・ラッド、エヴァ・ガードナー、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、ベティ・デイヴィス
ラナ・ターナー、メイ・ウエスト、ケーリー・グラント、グロリア・スワンソン、リタ・ヘイワース

そしてゲーリー・クーパー。

「シェーン」のアラン・ラッドを冒頭に持ってきたあたりがポイント。
「背が低い=172センチだった」ことがコンプレックスでもあったスターの苦悩も描きつつ。

シュトロハイムの「贅沢」、ケーリー・グラントの「瀟洒」、クーパーの「素朴」という並びには
ある種の「洗練」を重視しながら「理想」を抱く著者の「姿勢」がうかがえる。

女優陣について「型にはまらないタイプ」ばかりを選んでいることにも注目しよう。
リズ・テイラーやバーグマン、グレース・ケリーなど「万人受けする」美女とは一味違う。

それぞれに割かれたページ数は文庫で基本的に24ページ。
クーパーとケーリー・グラントの二人だけはそれぞれ23ページと22ページ。

そこに敢えて意味を読み取るのも面白いかも。
もっとも後者については執筆当時に訃報が知らされたこともあるのかもしれないけれど。

四半世紀前まではこうしたスターたちの名前がまだまだ知られていて
そのうちの何人かは健在だったのだ。

本書は本来の意味で楽しいゴシップについてあらためて考えさせられる。

小津安二郎「小早川家の秋」(’61)をようやく観る。

「小早川」を「こはやがわ」と読むとは知らずずっと「こばやかわ」だと思っていた「不勉強」。
案外いろんな本にそうした注釈はなかったような気がするのだが。

中村鴈治郎の「オヤジぶり」は孫との「かくれんぼ」のシーンで笑わせる。
娘・新珠三千代の「いけずぶり」は夫・小林桂樹に押さえられ結局は「親子の愛情」におさまり。

長男の嫁・原節子は「紀子」つながりのせいか司葉子と常に行動を共にする。
藤木悠に対する山茶花究の「ちゃうちゃう」も楽しく。

浪花千栄子と団令子の「水商売母子」のたくましさよ。
加東大介が森繁を原節子の見合い相手にしたりするあたりがいかにも「東宝」。

司葉子の恋人に宝田明、同僚に白川由美。
医者の内田朝雄にはまだちょいと毛があり。

杉村春子と遠藤辰雄の「オバオジ」に東郷晴子。
農民の笠智衆と望月優子の夫婦は火葬場のそばでカラスの数や煙で「死人の有無」を確かめたりもする。

当時も今思っても豪華キャスト。
ただしその豪華さに比べると映画の内容はそれほどでもなく。

食事のシーンで珍しくキャビアが出たりするあたり
小津作品としては「本調子」でない感じが濃厚。
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