退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「不安のなせる業とビートルズをまとめたTV番組あるいは『オリエンタリズム』」に満ちた映画について

2023-12-31 02:47:46 | Weblog
晴れ。また暖かく深夜に降る。

墓参りに行く。

結構人は多く。
これも「不安」のなせる業だと思うことしきり。

その一方で現存する人との付き合いは減り。
「動かない人=死者」への思いが募る仕組み。

今日も本は読まず。
「映像の世紀 バタフライエフェクト ビートルズとロックの革命」を観る。

「従来の常識」を相当に壊した存在であることをあらためて。
10年に満たない活動でこの種のことが可能なことも。

東欧やソ連に与えた影響にふむふむ。
「60年代」という時代の波よ。

当時騒いだ人々は現在では70から80代のはず。
今をどのように見ているのだろう。

ただし「まとめ方」はいささか「強引」。
かくもかように「切り取り」によって見える「事実」のあやうさなど。

スティーヴン・スピルバーグ「レイダース 失われたアーク」(’81)を久方ぶりに再見。

もう42年前になるのか。
あれこれのシーンが懐かしく。

地図上を直線が走る描写はいかにも「昔の映画」を観ている人ならでは。
当時はそんなことに気付きもせず。

演出のテンポがいいのでついつい「物語」を追ってしまう次第。
ゲシュタポのロナルド・レイシーは「桂文珍」に似ていると言われたもの。

サティポのアルフレッド・モリーナが出ているのはすっかり忘れていて。
いわゆる「オリエンタリズム」が満開な模様。

マリオンのカレン・アレンが「飲み比べ」をするのもいい感じ。
ただし現在からするとハリソン・フォードにメロメロ過ぎるような。

ベロックのポール・フリーマンが大枠を支え。
「ナチスとの競争」が「正義」に見えるのも覚えておこう。
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「案外不都合な生活と娘との関係を取り戻したい人々による映画」について

2023-12-30 03:09:03 | Weblog
晴れ。引きこもり。

LED照明や換気扇の掃除をする。

本は読まずに終わる。
年末から正月にかけては「恒例」。

ダラダラと過ごす。
いたずらにテレビなど観ながら。

本来ならと思うことはいろいろありつつ。
なかなか好きに生きられないことを確認する。

スコット・ベッグ&ブライアン・ウッズ「65 シックスティ・ファイブ」(’23)を観る。

「父娘関係」が基本。
「実の娘」が死んでしまったゆえ「新たな娘」を見つけて。

「言葉が通じない」というあたりの描写は微妙。
「だって通じているじゃん」ということになるから。

襲いかかる恐竜たちはすべて「父娘」が結ばれるため。
ある意味「わかりやすい構図」で。

おそらくは娘との関係がうまくいっていない人々による作品。
よくも悪くも「自分の基準」でなく「娘の基準」を優先させないと。
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「『男性目線』で扱われる女性と圧倒的なエイリアンにコンピューター・ウイルスで立ち向かう映画」について

2023-12-29 02:47:55 | Weblog
晴れ。また少し暖かくなる。

「艶笑滑稽譚 第三輯」読了。

「古き羊皮紙という名の齢老いたる道を経巡る男」と。
「結婚せし美しきイムペリア」がいい感じ。

本シリーズはフェミニズム的観点からすると現代に通ずるところがあり。
著者が「未来」を見通したというより「同じ問題」が相変わらずなのだと理解しておく。

結局「男性目線」であるということ。
「彼らのルール」に縛られた女性たちは「死ぬ」しかないことなど。

宗教関係者が悉く「淫猥」であるのを覚えておこう。
これまた現代に同じく。

「支配」出来る内はいいもののそれを超えると「魔女もしくは怪物」扱いに。
「男性という存在」のひよわさをあらためて。

ローランド・エメリッヒ「インディペンデンス・デイ」(’96)を再見。

ジャド・ハーシュとランディ・クエイドの魅力を再確認する。
ビル・プルマンも当時は元気でウィル・スミスやジェフ・ゴールドブラムも若く。

「データ」ブレント・スパイナーは「サイケな時代」を思い出させて。
かの監督にしては「人間関係」が描けているか。

女優陣ではヴィヴィカ・A・フォックスが目立つ。
メアリー・マクドネルもマーガレット・コリンも「地味」。

「エリア51」が出て来るのをすっかり忘れていた次第。
このあたりは今だと余計にウケそう。

「気候危機」に対してこのように「戦う」ことが出来れば。
世界を救うのが「モールス信号=ノンデジタル」なのも忘れずに。
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「暫定的に冴えないフランスの古典と脚本が素晴らしい映画」について

2023-12-28 02:20:48 | Weblog
晴れ。穏やか。

バルザック「艶笑滑稽譚 第三輯」を半分以上読む。

シリーズ最終作は今のところ収穫なし。
また後半に「逆転」があるのかどうか。

やはり「千夜一夜物語」の「縮小変形版」と言うよりなく。
詳細は明日確認予定。

ニコラス・D・ジョンソン&ウィル・メリック「search #サーチ2」(’23)を観る。

恋人とコロンビアに出かけたはずの母親が失踪。
高校生の娘はデジタルツールを使って彼女の行方を捜索するのだがというお話。

監督ふたりの脚本が素晴らしく。
伏線の張り方には感服するよりない趣き。

ハビエルのエピソードの入れ方がグッド。
「真相」が徐々に明らかになっていく過程もスムーズで。

ビデオ映像による「反復」もあり。
スタッフが昔の映画を観ていることがわかる次第。

何より「続編」でこれだけの作品であるのが素敵。
出来るだけ多くの人々に観られるべき作品であるのは確か。
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「独特のロマンチックを見てしまう人と残念な脱獄映画」について

2023-12-27 02:19:32 | Weblog
快晴。仕事場は元は山だったところなので冷える。

蓮實重彦「ショットとは何か」を再読。

「映画狂人」にふさわしい内容。
「ショット」は説明されるもののその作品を観ていなければわからず。

とはいえラストはほぼ「淀川長治」な趣き。
「『不動』の『寡黙なる雄弁』」か。

「穏やかな厳密さ」あるいは「厳密な穏やかさ」という表現もあり。
「独特なロマンチック」を見てしまう人なのだなあと思うことしきり。

「物語を追う」のではなく「映像を見続ける」ことによる「発見」よ。
「粋判官」の「伝統」は保たれるのかどうかが気になるところ。

光石富士朗「大脱獄」(’01)を観る。

「脱獄」に憑りつかれた小沢仁志の「サメぶり」の異様さ。
彼に寄り添おうとする隆大介や彼と対決する鬼丸も同様に。

光石研は面会に来た親分と「同じ心境」になったのだろう。
鬼丸は結局彼に「導かれてしまった」模様。

本作には全く「ショット」はなく。
エレベーターでジュースを飲むのと盲目の修道女以外に女優は出て来ず。

石井輝男の同名作(’75)とは大違い。
残念ながら面白さは感じられず。

小沢仁志がひたすら「海」を求めるのも何だか。
「サメ」だから仕方がないとはいえ。

「階段落ち」と両手両足を壁に突っ張って刑務所の天窓に登るアクションはさすが。
諏訪太郎のヤブ医者が印象に残る。
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「男に絶望した女たちの現在と英国を中心に古典小説のヒーローヒロインを集めた映画」について

2023-12-26 02:22:01 | Weblog
晴れ。冬は来るのか。

管野久美子「ルポ 女性用風俗」を読む。

世の男性たちに絶望した女性たちの行方は。
なるほどそうだろうという内容。

セックスだけしたい男とセックスだけでは満たされない女の違いも。
前者の「子どもぶり」がいかにも目立つ次第。

おまけにあらゆるハラスメントをするのだからどうしようもなく。
DVも含めて。

ここでも女は「連帯」して男は「孤独」のまま。
全くどうしようもない限り。

「自分を優先すること」しかないとそうなってしまい。
過去の自分を思い出して死にたくなったり。

「自分が自分でなくなること」を恐れずに。
そもそも「たくましい」のは女性だということを忘れずに。

スティーヴン・ノリントン「リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い」(’03)を観る。

「ソロモン王の洞窟」の主人公に「吸血鬼ドラキュラ」のヒロイン、
「ドリアン・グレイの肖像」のドリアンに「海底二万里」のネモ艦長、

「透明人間」はそのままに「ジキル博士とハイド氏」の主人公も。
なぜか「トム・ソーヤー」を加えた「七人のレジェンドたち」よ。

「シャーロック・ホームズ」のモリアーティ教授も登場。
彼は「オペラ座の怪人」でもあったり。

「怪物」になるダンテや「白鯨」のイシュマエルも登場。
プロデューサー兼主役のショーン・コネリーのセンスがなかなか。

英国をメインとしつつ米仏伊も加えて。
アメコミのヒーローを集めたものとは異なり。

いちおう作家たちの名前も書いておこう。

H・R・ハガード、ブラム・ストーカー、オスカー・ワイルド、ジュール・ヴェルヌ、
H・G・ウェルズ、スティーヴンソン、マーク・トウェイン。

コナン・ドイル、ガストン・ルルー、ダンテにハーマン・メルヴィル。
上に書いた順番に従って。

いずれの古典も読んでおくべきか。
冒頭の戦車の突進ぶりも魅力的な作品は観ておいて損はないはず。
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「『無視された人々』と『知らぬ間に実験された人々』を描いた本と映画」について

2023-12-25 02:24:45 | Weblog
晴れ。また寒さは緩む。

宮口幸治「ケーキの切れない非行少年たち」を読む。

われわれの社会には一定の割合でこの種の人々がいることを覚えておこう。
こういう人々にこそ「助け」が必要だというのに。

それは与えられぬまま。
「非行少年」が生まれる次第。

「理解する」ということの意味をあらためて。
彼ら彼女らはそれが出来なくて苦しんでいるのだから。

もっとも「希望」は無くもなく。
「わかりたい気持ち」があるのは確かで。

少なくともこの現実は知っておきたいもの。
誰もの周囲にもあるはずなので。

ジャスティン・フォイア「アビリティ 特殊能力を得た男」(’18)を観る。

緊張感が流れる描写がいい感じ。
過去の記憶がない男は圧倒的な言語能力によって教師になるのだがというお話。

「テクノロジーによる歪んだ正義」を告発するような内容。
「実験の無残さ」よ。

その象徴がウサギ。
白い部屋に閉じ込められ命令された主人公はそれを殺し。

ミラ・ソルヴィノがこんなところに。
彼女の言語能力が主人公に活かされた模様。

ウディ・アレン「誘惑のアフロディーテ」(’95)が懐かしく。
その魅力は健在ということで。

原題は「DOE」。
わが国で言えば「名無しの権兵衛」。

この邦題は如何せん酷く。
何事かを感じさせる作品なので参考までに。
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「後半に面白くなったフランスの古典と新薬開発の意外な重要さあるいはダメな続編」について

2023-12-24 02:30:21 | Weblog
晴れ。終日空気が冷たく。

「艶笑滑稽譚 第二輯」読了。

「ムードンの司祭の最後のお説教」はラブレーへの「恋文」。
「インチキ野郎」には皮肉をということらしく。

「淫夢魔裁判録」が面白い。
エキゾチックな女子を「悪魔」に見立てる人々の群れよ。

「異様な魅力」というかたちで排斥する模様。
実は自分たちが彼女のそれに「勝てない」だけなのだけれど。

詳細は敢えて書かないので本書まで。
他の部分は飛ばしてもいいくらい。

後半は面白くなってよかった。
来週にはシリーズ最終作を。

マル激を観る。

今回は薬が必要な患者に行き渡っていないお話。
わが国の「市場規模の縮小」も手伝って。

この分野でも世界に遅れを取り。
失敗が必定な半導体にかける資金を新薬の開発に回した方が余程よさそう。

若い研究者たちが存分にあれこれ試せる環境をもっと。
もちろん分野を問わず。

「短期的な利益」を求めるだけでは滅ぶだけ。
その「当然」を理解しないトップは全員クビにしてよろしい。

ベン・ウィートリー「MEG ザ・モンスターズ2」(’23)を観る。

プロデューサーでもあるジェイソン・ステイサムは中国資本と組んで。
まだ「金儲け」するんですかといった趣き。

深海の描写が辛うじての「救い」。
メグ以外のモンスターたちも登場して(サービスのつもりのよう)。

前作以上に「中国」が全体を覆い。
リー・ビンビンやウー・ジン、ソフィア・ツァイなど。

肝心のメグは「腐った感じ」の設定。
それは違うでしょうと思わざるを得ず。

前作同様なビーチのシーンもあり。
少なくとも前作には多少の工夫があったのに本作には何もなし。
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「やはり面白くないフランスの古典と毎年恒例の面白いネタ番組あるいは悲惨な出来の映画」について

2023-12-23 02:42:00 | Weblog
晴れ。昨日ほどは冷えず。

バルザック「艶笑滑稽譚 第二輯」を半分以上読む。

本書をきちんと味わうにはフランスの歴史に関する知識が必要な模様。
あまり知らずに読むと残念ながらあまり面白くないということにしておく。

とはいえ著者の他の作品を思えば。
やはり面白くないのだろう。

少なくともラブレーと比べると残念な結果。
「敬愛」すればいいというものではなく。

「爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭り2023」を途中から観る。

モグライダー、ラランド、ウエストランドは見逃した模様。
どの芸人のネタも面白く。

東京03の発想が素晴らしく。
友近はまるでよく出来た映画のようで。

「コンプライアンス」ギリギリのトム・ブラウンもよく。
東貴博、古坂大魔王、土田晃之のスペシャルユニットはいつも通りで。

爆笑問題は太田がネタを間違えたり。
政治ネタで客を引かせた後の「回収」には成功。

パトリック・ウィルソン「インシディアス 赤い扉」(’23)を観る。

ジョシュを演じる俳優がメガホンを取ったものの。
悲惨な出来と言ってよさそう。

「脅かし」をするだけで何の怖さもなく。
いたずらに「父子関係の回復」が描かれるだけ。

唯一の収穫はダルトンを助けるクリスのシンクレア・ダニエルか。
こういう友人がいたら楽しそうと思わせてくれるので。

ジェームズ・ワンが撮らないとダメだということをあらためて。
プロデューサーをやっている場合ではないでしょうに。
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「劣化の言い換えのような本と残念な続編映画」について

2023-12-22 02:24:10 | Weblog
晴れ。今季一番の冷え。

與那覇潤「過剰可視化社会」を読む。

「過剰視覚化」とは五感のうちの視覚を優先させ過ぎること。
患者数、貨幣、プレゼン、見た目、病名、SNSによるプライバシーの公開など。

そうした「情報の渦」によって「ニセの現実=シミュラークル」が作られ。
本物の現実がむしろ「見えなくなっている」という見立て。

ふむふむと思う一方でこれは「劣化の言い換え」かもと思ったり。
なぜ「視覚を過剰に優先する」のかと言えば。

答えは簡単で活字が読めないから。
数字や映像は「誰にでもわかる」から。

もちろん「文脈」もわからなければ「メディアリテラシー」もないのを忘れずに。
身体感覚に頼ることもなく。

残念ながら「劣化した大人たち」はどうしようもないので。
子どもたちをどうにかするしかないだろう。

とはいえ学校はすでに崩壊していて。
「従来通りのシステム」ではどうにもならず。

とりあえず数少ない「好ましい大人や環境」に触れさせるのみ。
基本は「愉しさ」が感じられるという条件を付けて。

「現実」が思いもかけない変化を遂げることを知るのも重要か。
「自分の思い通り」などたかが知れていることを含めて。

次の瞬間に死ぬかもしれないことを本気で考えたら人は狂うはず。
それでも偶然生き続けることがあったりするのが「面白い」のだから。

ディーン・パリソット「RED リターンズ」(’13)を観る。

モーガン・フリーマンが抜けてアンソニー・ホプキンスが参加。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズやイ・ビョンホンも。

後者が暴れまくるのに比べると前者の扱いは微妙。
116分の作品は前作と比べるとさらに緩く。

核爆弾の描写を見る限り監督はヒロシマやナガサキを知らないと言うよりなく。
「高性能爆弾」といった感じなので。

ヘレン・ミレンがエリザベス女王(1世)を演じたりするサービスはあるものの。
彼女の恋人ブライアン・コックスも見せ場がないままに。

アンソニー・ホプキンスはさすがの貫録を見せるけれど。
ジョン・マルコヴィッチは相変わらずで。

これだけのメンバーを揃えて何とももったいないこと。
原作はアメコミなんだからもっとキャラクターを活かさないとどうにも。
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