退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

まやかしと観念の混合について

2009-11-25 03:37:19 | Weblog
深夜久方ぶりのDVD鑑賞。

吉田喜重「吉田喜重が語る小津安二郎の映画世界」。

晩年の作品に批判的な文章を投げかけた監督に
小津は松竹監督会の酒宴で監督の前に座りほとんど言葉もないまま飲んだ。

あまりにも有名なエピソードだけれど
監督はさらに小津に答える「義務」を与えられたということだろう。

「事物が人を見る」という解釈は非常に面白い。
「ずれと反復」に意味を見出したというのも非常に説得的。

個人的には「東京物語」「晩春」の生々しい原節子の表情や
岸恵子、岡田茉莉子、司葉子、岩下志麻の魅力をあらためて味わえたのに感謝。

笠智衆の表情はボーッとしている時が一番いいのだというのも再確認。
それにしても佐分利信の「無骨」はやはり素敵。

NHKの「ETV特集」をまとめたもので
反復される小津作品の映像がまるで「迷路」のような世界。
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粗にして野だが

2009-11-25 00:26:58 | Weblog
くもりのち雨。夜になって降る。

あかほりさとる 天野由貴「オタク成金」を読む。

著者には失礼ながら作品には全く接したことがないけれど
どんなことを考えているのか気になったので読んでみた。

印象は「優秀なお水の人」。
いわゆる「オタク」と違い外部に対して非常にエネルギッシュな感じ。

「戦国時代の野武士の頭領」も頭に浮かんだ。
才能があって状況把握も的確。

一見あらくれ者だけれど繊細な部分も持ち合わせている。
このキャラ、脇役として相当光るはずの役どころ。

おまけに自分の「歴史」を振り返ることで今後を見定め
こうした本にまでしてしまうしたたかさもある。

なかなかの強者で、今後の更なる活躍を祈りたい。
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