奥井みさき、旅の記録と徒然日記

仕事の合間に旅行、旅行の合間に仕事。
フリーライター・奥井みさきの旅日記と、日々思うこと。
札幌からです。

旧川原邸(帯広市)

2015-12-07 06:11:07 | 北海道の博物館



ここは帯広、芽室、中札内の1市1町1村に広がる「とかち田園空間博物館」の一角にあります。





当地で小間物屋を営んでいた川原家の2代目・祐吉氏、邸宅を改築し建てられたのがここ。
大工は滋賀県出身で幕別町在住の田川某氏、1933年に竣工しています。

建物の条件は店舗兼用であること、浄土真宗の集会所に使用できる部屋を用意することでした。
集会で使う部屋は入り口左手、10畳の和室2部屋の続き間です。

この続き間の仕切りにある欄間の彫刻は帯広にある清水仏壇店の彫刻家・徳光陽運氏が2年かけて仕上げたもの。
地元に彫刻家がいてその方が2年かけて彫るなど、今では考えられないな。

さて、建物自体は祐吉氏が能代で買い付け15t貨車で愛国駅まで送らせたという秋田杉を使っています。
構造材は地元の針葉樹、基礎部分は当時としては珍しいコンクリート造布基礎、
土台には柱の腐食を抑えるために鉄製グリルをはめています。

その他細部に様々な意匠を凝らした贅沢な建物、凄いですねぇ。
細かい説明は現地の案内板などに詳しくなされています。

全体的には本州の建築様式を受け継ぎながら、
個人住宅と地域のまとめ役的機能を持った北海道昭和初期らしい住宅です。

その上建築材料として当時では珍しいコンクリートや鉄を使うなど、先進的試みもなされている。
私はこういうところに、今に続く十勝の先進性を感じるのです。

大事に残したい建物ですね。




*旧川原邸

住   所:帯広市川西町基線61-13
開館時間:9:00~17:00(12月~4月は前日までに予約要)
入 館 料:無料
休 館 日:月曜日(祝祭日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
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