中日新聞の「くらしの作文」に「手をつなごう」というタイトルで、74歳の女性が投稿されていました。
近くに住む娘家族と、山へのハイキングに出かけた。
沢の音に耳を傾け、みずみずしい芽吹きのモミジに見とれる。
竹林からタケノコも顔を出している。
緩い坂道を上り始めると、ふと夫が振り返り「手をつなごうか?」と私を見る。
結婚して50年、武骨な夫にして初めてのことに戸惑う。
どうした心境の変化! 首を傾げて怪訝(けげん)そうにしていると、夫が言った。
前を歩いている若い2人が手をつないでいるのを見て感化されたとか。
夫は、自分の手を出して「どうすればいいのかな?」と照れた様子。
それならと、私もおずおずと手を差し出す。
お互いに指をがっちり組むと、力が入りぎこちない。
なかなかしっくりしない。
もたもたしていると、後ろから来た高校1年の孫娘が、見かねて「おじいちゃん! こうだよ」と、笑いながら細く白い指先を、夫のごつごつ指に絡ませた。
2人は、そのまま足取りも軽く歩き出した。
孫娘は、心地良い風に長い髪をなびかせて。
女子高校生と手をつなぐなんて、山でのハイキングの解放感のおかげか! 上機嫌な夫の後ろ姿を見送った。
以上です。
結婚されて50年、初めて手をつなごうとすると上手く行かないものですかね。
ご主人はかわいいお孫さんに手をつないでもらって嬉しかったでしょうね。
奥様と手をつなごうとしてモタモタしていたのが、幸いしたようです。
私もかみさんと付き合っていた頃はいつも手をつないで歩いていましたが、結婚後はあまり手を繋いだ覚えがないです。
最近は歩いていてバランスを崩して倒れそうになった時は、かみさんが手を差し伸べて歩いてくれますが。苦笑
初恋によろしく/西郷輝彦