京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

重陽って、めだたないねぇ

2017年09月04日 05時26分06秒 | 社寺・和菓子


もうすぐ9月9日。
重陽(ちょうよう)なんです。
ただ、旧暦ならなんとなく共感できるのですが、新暦ではどうもピンとこない。
「重陽」は、五節句の中で最高の位なんです。
これよりいい日はない。
五節句というのは、ご存知ですか?
人日(じんじつ)正月七日、上巳(じょうし、三月三日)、端午(たんご、五月五日)、七夕(七月七日)、重陽(ちょうよう、九月九日)
人日だけが納得できないですね。
一月一日じゃないの?と考えますよね。一月一日は別格なんだそうです。


↑西本願寺唐門

この人日は、こういう理由があります。
正月の一日を鶏の日、二日を狗(犬)の日、三日を猪(豚)の日、四日を羊の日、五日を牛の日、六日を馬の日、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていた。
そして七日は、犯罪者に対して刑罰は行わないことにしていた。
だから人日というらしい。なんかスッとしない説明ですね。
正月一日は、犬・猪・豚・羊・牛・馬・人間を殺して食べていたということね。
ちょっと納得。
でも・・・。


↑そろそろ塗りなおした方がいいかも。

陰陽思想で数字にも格差がある。
奇数の方が偉いのです。つまり1・3・5・7・9が偉いのです。
その中でも9は最高なんです。
日本でも陰陽思想の影響を受けている。
10より9の方が偉く感じませんか?
8は、漢字で書くと「八」で末広がりといい別格かもしれません。
8と9(オイチョ+カブ)を組み合わせ名前が「おいちょかぶ」・・・話がそれそうなのでこのあたりで止めます。


↑京都鶴屋鶴壽庵「重陽」


↑栗入りきんとん、粒あん

いまの話で「0(ぜろ)」って陰陽思想で出てくるのかな?
陰陽に別れる前の状態なのかな?
混沌(カオス)の状態という意味。
陰と陽は、受動的な性質、能動的な性質に分類することであり、善悪二元論とは違う。陰が悪、陽が善ということではない。
混沌だけでは、この世は動かない。陰と陽に別れることにより動く。それがこの世の姿。
太極図というのがありますね。陰の中に陽があり、陽の中に陰がある。あの状態が我々の住む世界。
ひょっとして、混沌に対する世界もあるのかも。
それが「0(ぜろ)」なのかな?
こんなことをまだ暑いいまの時期に考えるべきでないかもね。

旧暦の重陽(今年は10月28日)の頃ぐらいに考えましょう。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
コメント (2)
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