京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

寒い時は・・・むしずし

2015年01月22日 09時19分05秒 | 
これから京都市内は一番寒い時期になる。
雪国と違い、雪は、北の方の山々にちょっとあるぐらい。
雪がないのだけ、底冷えという状態は相当なものです。


↑新京極を四条からすこし入るとロンドン焼の店の北隣に「音羽(おとわ)」があります。こういう蒸し器から立つ湯気が目印。

京男の小さい時は、どの家も一戸建の家が多かった。
暖房といえば火鉢と掘り炬燵ぐらい。
寝るときは、湯たんぽか、櫓形式で豆炭をいれ布団の中にいれるものだった。
当然、手足は、霜焼けだらけだったように思う。


↑ちょっと小振りの丼鉢に熱々の蒸し寿司が入っている

いまでも京都の家庭は、室温をあまり高くしないと思う。
雪国に行くとびっくりするほど室温が高い。
そこまで温かくしなくてもいいだろうに・・・。


↑金糸玉子がびっしり乗っています

そんな寒い時期は、たぬきうどんか、蒸し寿司が美味しい。
この蒸し寿司、小さい時は嫌いなものの一つでした。
先日、鍼灸の岡田先生と話していたのですが、彼も同じようなことを言った。
岡田先生の実家は、祇園の新門前あたりに住んでいたそうです。
巽橋あたりが遊び場所だったそうです。
信じられないでしょうが、昔はあのあたりも子供がいっぱいいたのです。


↑金糸玉子の下には、アナゴがいっぱい。熱々を食べます

京都の家庭で作るバラ寿司をご存知かな?
寿司飯を作るまでは同じ、問題は、具です。
京都のバラ寿司は、生ものが入らないのです。
ちりめんちゃこ、干瓢、高野豆腐、椎茸、金糸玉子で構成される。
私は小さい時、干瓢、高野豆腐、椎茸、紅ショウガが嫌いだったから食べるのに苦労した。
問題は、たくさん作るから残るんです。
そいう場合は、次の日のお昼、おかんが蒸して子供に食べさすんですわ。
蒸し寿司用に調整していないから、不味いんです。
それがあるから、蒸し寿司が嫌いなんです。
ついでに京寿司というジャンルの寿司も嫌いだった。
食べるのは卵だけ。
岡田先生も同じような体験があったそうです。


↑お吸い物、底に鱧が沈んでいます。小さい時、鱧が嫌いやったな。

ところが最近、このバラ寿司が無性に食べたくなる。
京寿司も蒸し寿司も。
もちろん、おかんの手作りじゃなく京寿司家さんのものですけど。
お吸い物に入っている鱧だって食べているんです。
昔、あんなに嫌いだったのに・・・。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
コメント (4)
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