京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

根付きの松

2015年01月06日 03時51分34秒 | 風景・和菓子
昨日、根付きの松は、京都の標準の門松だと書きました。
もう少し詳しく説明しておきます。


↑根付きの松

根付きの松は、昔、貴族たちが早春の野に遊んで根の付いた松を引いて無病息災を祈った「子の日の遊び」に由来するともいいます。
「子の日の遊び」がもうひとつわからない。

世界大百科事典 第2版の解説から引き写します。
平安時代、正月初めの子の日に貴族たちが楽しんだ野遊び。小松の根引き(小松引き)や若菜摘みなどが行われたが、これらは年頭にあたって、松の寿を身につけたり、若菜の羮(あつもの)を食して邪気を払おうとしたものと思われる。現行の民俗のなかに、正月初山入りに雌雄の小松を引いてきて後に苗代の水口に立てたり,初山入りそのものをネノビ、ネノキムカエといったりする所のあるのは、わずかにこの影響が残っているものであろう。


↑小さい時、「美味しそう」とずっと思っていた。食べなかったけど。

わかったような、釈然としないですね。
この松、根付きである理由が面白い。
こうです。
年神さまが降臨した時に、松に根が無いとそこから落ちてしまわれるのだとか・・・。
年神さんって変わった神さんやね。(笑)


↑長久堂「門の春」

暮れの京都の花屋さんには、かならず「根付きの松」は売っています。
年末に京都市内に来た時、お土産に買うのもいいかも。
もとろんお正月が終わったら植えてもいいかも。


↑こなし、黒こしあん

昔の人は、縁起をとことん担いでいたようですね。
医学も進んでなかったし、加持祈祷の世界。病気は怨霊の祟りだったのですね。
今も状況は同じといえば同じかも。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
コメント (3)
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