細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『マジック・マイク』はマジシャンではない、夜のショウ・ダンサーだ。

2013年06月22日 | Weblog

●6月20日(木)13−00 六本木<アスミック・エース試写室>
M−073『マジック・マイク』Magic Mike (2012) Iron Horse / extensions 765 enterprises
監督/スティーブン・ソダーバーグ 主演/チャニング・テイタム <110分> 配給/カルチャー・パブリッシャーズ ★★★☆
フロリダのタンパは、メジャー・リーグのキャンプ地でもある温暖な街。
そこのクラブでは、夜な夜な屈強なムキムキ・マンたちのストリップ・ショウが若い女性たちに人気がある。
家具の起業家のチャニングは借金苦のために、友人の紹介でマシュー・マコノヒーが仕切るクラブに飛び入りで出演することになった。
イケメンのチャニングの夜の実話を映画化した、これも苦悩する青春の溌剌としたサクセス・ストーリー。
ちょいとジャスティン・ティンバーレイク風の、キレのいいテクノ・ビートにのって、半裸の若い男たちはエネルギッシュに踊る。
いかにも陽気でスポーティな若者たちの青春は、まるでマイナー・リーグの選手のように陽気で、夜の暗さはない。

という点では、今風のミュージカル映画という見方もできる。
オスカー監督のソダーバーグは、「トラフィック」から「エージェント・マロリー」まで、とにかく元気でいい。
とくに社会性も、セックスの異常性もなく、犯罪臭さもなく、これは非常にスポーティブな青春映画で、エミネムの「8mile」に近い好感があった。
オーナーのマシューも、「ロック・オブ・エイジス」のトム・クルーズのようにキレまくる好演だ。
若者たちは、ランクの上の歓楽の大都会マイアミへの進出を夢見ているが、チャニングは実直に、自分の青春を生きて行く。
都内でも屈指のリッチなおばさま方が客層のシアターで公開するというのも、よろしいではないか。

■変化球を素直に打ち返したセンター前へのクリーン・ヒット。
●8月、Bunkamuraル・シネマなどでロードショー