まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

心房粗動アブレーション エピソード1 不整脈

2010年05月17日 | 日常
 お久しぶりです。元気にやっております。

 さて、お話を始める前に、このエピソードの主人公について考えておかねばならない。その主人公こそが心臓であって、その心臓の働きについて少しばかり勉強しておきたい。

 心臓は血液を全身におくりこむために収縮、拡張の心拍動をくりかえす筋肉のポンプであって、心臓の右半分(右心系)は肺へのポンプ、心臓の左半分(左心系)は全身へのポンプの役目をはたしている。ここが基本だからね・・・。

 全身をかけめぐってきて、炭酸ガスを含んだ古い血液は、静脈を通って心臓に帰って来る。静脈の血液は、まず右心房にためられた後、右心室におくりこまれる。右心室の収縮により血液は肺に送られ、呼吸によって炭酸ガスが酸素に交換されて、きれいな血液になる。

 

 新鮮になった血液は、肺から左心房にためられる。そして左心室(全身に血液を送るポンプ)におくりこまれ、左心室の収縮により血液は動脈を通って、全身に勢いよく送られていく。

 心臓の筋肉(心筋)を栄養する動脈は大動脈から分岐する冠動脈であり、心臓を灌流した後、冠静脈を経て右房に戻ってくる。各心房-心室間、各心室-動脈間には一方向性の血流を保証する弁が存在していて、弁に障害が生じると心臓弁膜症となる。

 心臓のポンプ機能が弱ると心不全となり、息切れやむくみなどの危険な症状が出る。 

心臓そのものを養うものは、大動脈 →冠動脈 →左主幹部 右冠動脈 左回旋枝 左前下行枝 →心筋 →冠静脈 →右房という流れで、心臓の筋肉自体に酸素や栄養を送るパイプライン(血管)が、冠動脈 [かんどうみゃく] で、心臓を冠(かんむり)のように取りまく血管のこと。

 この冠動脈が動脈硬化などでせまくなったりつまると、狭心症 [きょうしんしょう] や心筋梗塞 [しんきんこうそく] となり胸痛などを生じるから、すぐに治療が必要となる。

では、心臓はなぜ、規則正しく動くのだろうか。誰かに命令されている訳でも、私自身が制御できる訳でもない。それはなぜなのか?

 

 心臓は、右心房の上部にある洞結節[どうけっせつ]から規則正しく出る電気シグナルがネットワークすなわち刺激伝導系 [しげきでんどうけい] を通じて心臓全体に電気シグナルが伝わって収縮、拡張の心拍動をくり返し、血液を送り出している。

 上の図で黄色が刺激伝導系を示している。

 洞結節、心房、房室結節、ヒス束、(左右)脚、プルキンエ線維、心室の順で電気シグナルが伝わっていく。心臓は1分間に約70回、1日にしておよそ10万回も収縮、拡張の心拍動をくりかえしている。

 心拍動は自律神経や心臓自体でも調節されており、身体活動、精神活動や心臓のポンプの状態によっても刻々と変化するが、この電気シグナルやネットワークに異常がおきると不整脈の原因となり動悸や失神などの症状をおこすことになる。

 この電気シグナルを体の表面から記録するのが心電図検査であり、24時間にわたって心電図を記録するのがホルター心電図検査というもので、みなさんすでにお馴染みのもの。

 さて、先にも述べたとおり、心臓は血液のポンプということで、心臓の働きとして、心臓は血液を全身に送り込むために収縮、拡張の心拍動を規則正しく行っている筋肉のポンプであることは話したが、心臓の右半分は肺へ血液を送るポンプ、心臓の左半分は全身への血液を送るポンプの役目を持っている。この心臓のポンプの働きによって、全身の臓器は酸素や栄養分を血液から受け取ることができるのだ。

 さて、血液の循環ということで、全身を巡ってきた血液(静脈血)は、静脈を通って、まず右心房に貯めらる。三尖弁を通り右心室送りこまれ、右心室の収縮により血液は肺動脈弁を通り肺動脈へと送られていき、肺動脈は静脈血が流れている。

 肺で血液は二酸化炭素を放出し、酸素を取り込む。酸素を取り込んだ血液は鮮やかな赤色(動脈血となって、肺静脈を通り左心房に戻ってくる。左心房から僧帽弁を通り、左心室へと送られ、左心室の強い収縮により全身に血液が送り出されることになる。

 



 私たちが生きているあいだ、心臓は規則正しく休むことなく動き続けている。心臓は一回の収縮で約60ミリリットルの血液が送り出す。成人男性は1分間に約60~70回収縮するので、1分間では約5リットルほどの血液を送り続けていることになる。1日に心臓は約10万回、約7000リットルの血液を送り続けているという計算にもなる。1年では約4000万回、一生には約40億回、すごい量ということらしい。こうして、私たちが生きているあいだ、心臓は休むことなく動き続けて、送り出された血液は身体のすみずみまで巡っていく。

 


 ①右心房 ②右心室 ③左心房 ④左心室 ⑤三尖弁 ⑥肺動脈弁 ⑦僧帽弁 ⑧大動脈弁

 この私たちの心臓の重さは普通、成人の場合で約200~300g、大体こぶし1コ分くらいの大きさ らしい。

 心臓の内部は、右心房・右心室・左心房・左心室と4つの部屋に分かれており、特に左心室の心筋は全身に血液を送り出す必要があるために右心室よりも厚くなっている。

 心臓には、右心房と右心室の間にある三尖弁(さんせんべん)、左心房と左心室の間にある僧房弁(そうぼうべん)、右心室と肺動脈の間にある肺動脈弁(はいどうみゃくべん)、左心室と大動脈の間にある大動脈弁(だいどうみゃくべん)の四つの弁がある。これらの弁は、血液が逆流するのを防ぐ働きがある。

 聴診器などで心臓の音をきくと、「ドックン、ドックン」と聞こえると思うが、この音は、「ドッ」の音が三尖弁と僧房弁が閉じる時の音で、「クン」は大動脈弁と肺動脈弁の閉じる音でたいう。「ドッ」から「クン」のあいだ心臓は、三尖弁と僧房弁が閉じるので、心室が収縮して血液を送り出している状態(収縮期)になる。また、「クン」から次の「ドッ」のあいだ心臓は、大動脈弁と肺動脈弁が閉じるので、心室に心房から血液が流れている状態(拡張期)になる。

 全身を循環した静脈血は、右心房に入り、三尖弁を通って右心室へ入り、右心室から送り出された静脈血は肺動脈弁を通って肺に送られ、ガス交換(酸素をもらって、二酸化炭素を排出)をして動脈血となり、左心房へ入る。この経路を肺循環と呼ぶ。

 左心房に入った動脈血は、僧房弁を通って左心室へ入り、左心室から送り出された動脈血は、大動脈弁を通って全身へ送り出され、各組織で酸素を消費して静脈血となり右心房へ戻ってくる。この経路を体循環と呼ぶ。

 心臓の働きは、血液を全身に送ることである。心臓は、収縮と弛緩を繰り返すことによって、全身に血液を循環させていて、だいたい1分間に安静時で60~80回心臓は収縮して、血液を送り出しています。 1回の拍動で送り出される血液量はおよそ60ml、1時間で約300リットルに及ぶ。

 心臓が一定のリズムで動くのは、電気刺激によるもので、まず、洞結節で発生した電気は房室結節へと伝わり、次いでヒス束、左右脚、プルキンエ線維へと伝わる。

 

 ①洞結節  ②房室結節  ③ヒス束 ④右脚  ⑤左脚  ⑥プルキンエ線維 

 1・洞結節(どうけっせつ)洞結節は別名、ペースメーカー(歩調とり)とも呼ばれている。位置は右心房にあり、ここで発生した電気刺激が左右心房に伝わって、心房がその電気刺激によって収縮している。

 2・房室結節(ぼうしつけっせつ)心房に伝わった電気刺激は房室結節に伝わり、ヒス束へと刺激を送っている。房室結節内の電気刺激の伝導速度は他(ヒス束、左右脚など)と比べると非常にゆっくりと伝わっている。理由は、心房内の血液を心室内へ十分に送らせるためである。もしも、この電気刺激が他と同じ位のスピードで伝わると、心房内から心室内へ血液が流入している途中で心室が収縮してしまい、十分な血液を全身へ送ることができなくなってしまう。

 3・ヒス束・左右脚 室結節から伝わった電気刺激はヒス束へと伝わり、左右の脚へと伝わる。右脚は1本に対し、左脚は2本存在している。

 4・プルキンエ線維 洞結節から発生した電気刺激は、最終的にプルキンエ線維(もっとも電気刺激の伝導速度が速い)へと伝わり、そこから心室筋へと伝わり心室が収縮する。

 ずいぶんと前書きの長いお話なのだが、その・・①洞結節から②房室結節 ③ヒス束あたりの異常電流によって、心臓自体が不規則な動きをしているらしい・・。それを一般的な言葉で「不整脈」という一言で片付けてしまっているらしい・・。

 私が・・こういう診断を受けたのは30歳を過ぎてからの頃からで、その当時は「先天性心筋症」とか「先天性拡張症」とかと言われて、遺伝的に壁の厚い大きな心臓だから、不正脈が発生する・・・と、高松日赤の循環器科で言われたもので、それ以来、不整脈を制御し、血圧をコントロールする薬をずっと飲み続けてきたのだが・・・。

 

じゃぁ、また、明日、会えるといね。


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