礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

カバヤ児童文庫のもらい方

2015-11-23 03:30:12 | コラムと名言

◎カバヤ児童文庫のもらい方

 昨日、書棚の整理をしていたら、カバヤ児童文庫の『ピノキオの冒険』が出てきた。カバヤ児童文化研究所が発行していた、カバヤ児童文庫の第一巻第二号にあたり、一九五二年八月刊。コロデイ原作とあるが、訳者(作者)の名前はない。
 小学生時代、カバヤミルクキャラメルというものがあり、そこに入っている券を集めると、「本」がもらえるということは知っていたが、当時、実際にカバヤ児童文庫というものをもらったことはない。そもそも、私が生まれた村の商店には、カバヤミルクキャラメルが売られていなかった。今、架蔵している『ピノキオの冒険』は、中年になってから、古本屋の通信販売で買い求めたものである。
 当時の少年少女は、このカバヤ児童文庫をどのように入手していたのか。『ピノキオの冒険』の奥付ページに、「ひきかえる方法」と「あとがき」が載っている。本日は、これを紹介してみよう。改行は原文のまま。

カバヤミルクキャラメルの中に入つている
文庫券【カード】をためれば、あなたのすきな
どの本でもさしあげます。
ひきかえる方法
文庫カードが五十点たまりましたら、御近所の
引換店でお好きな本を貰って下さい。もし引換
店がない場合や引換店にお好きな本がない時は
岡山市下石井カバヤ文庫係宛、あなたの住所・氏
名・学年とすきな本の名を書いてカードと共に
封筒へ入れて送って下さい。すぐ本を送ります。
文 庫 券【カード】
大 当 り……10点
カ   バ …… 8点
ターザン…… 2点
ボ ー イ …… 1点
チ ー タ …… 1点
あ と が き
 いつもカバヤキャラメルを可愛がつ
て下さる、ニッポンの二千万人の子供さ
んの心を、美しく、清くたのしくするよう
な、童話・絵本・グラフを、つぎからつぎに、
みなさんにおくるために、カバヤ児童文化研究
所のおじさんたちは、一生懸命やつています。
 毎月つぎつぎに出る、カバヤの本を楽しみに待つて
いて下さい。
 カードがなくてこの本がほしい人は本代と送料を
お送りになれは本をお送りします。 (原)
【以下は奥付】
昭和二十七年 七月三十日 印刷
昭和二十七年 八月十日  発行
 (毎週一回・日曜日発行)
編集兼発行人 カバヤ児童文化研究所 原 敏〈ハラ・サトシ〉
印刷所    夕刊岡山新聞社
 定価 ¥120 〒16
発行所 京都市中京区壬生花井町三 カバヤ児童文化研究所
販売総取次所 岡山市下石井一九八 カバヤ販売株式会社
 電話(岡山)・七六四一―七六四五
 岡山郵便局私書函第八七号

 あとがきの中に、「童話・絵本・グラフを、つぎからつぎに、みなさんにおくる」とある。「童話」というのは、「カバヤ児童文庫」を指している。「絵本」とは「カバヤこども絵本」、「グラフ」とは「カバヤ・スクール・グラフ」を指している。【この話、続く】

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