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バイク乗りのちょっと寄り道、思った事…

時は流れて… 1

2007-04-11 12:58:08 | 思い出
'95.1.10 その日、私は神戸六甲山にいた。
フェリーから降りてすぐに上がってきたので
街はまだ朝靄の中に包まれていて
しばらく展望台で街を眺めた後
裏六甲から日本海を目指す。
その後同じ街の姿は見る事が出来なくなった。
そう、それはあの阪神淡路大震災の1週間前の事でした。

ちょうどその頃、私はいろいろ迷っていた。
やる事、やる事、うまくいかない…。
半ばヤケクソになって、現実逃避といった方が正解のツーリングだった。
そんな旅の目的地は丹後半島の伊根の船宿。
京都というと琵琶湖近くと思いがちだが
京都府は意外と細長く北は丹後半島で日本海に面している。
むしろ歴史的建造物が集まっている場所の方が端っこなのだ。

そんな京都府伊根の船宿
陸地から海に突き出した家の1階部分は船が入れられる倉庫の様になっており
2階部分が自宅になっている漁師の家だ。
そんな船宿が穏やかな湾に面してずっと並んでいる事を
湾の反対側の岸から防波堤に腰をおろして確認する。
老人の町だ…。
他には数匹の猫。

泊まる場所を決めてなかったが
その中の1件に泊まる事ができた。
主人が宿帳を持ってきたので
職業の所に自営業と書いた。
「ほぉ、じゃあ今日はお休みですか?自由な時間があっていいですね」
っと話しかけてくる。
もちろん悪気があって言っている事では無い事くらいは解ってる。
でもホントは自営業じゃなくて無職って書きたいくらいの気持ちなんだ。

今日の泊まりは私以外に1組。
仕切りが障子なので隣の様子がすぐわかる。
地魚の夕食にお酒をつけたが
ひとりの食事はあっという間に終わってしまった。

部屋にはTVがない。
する事も無いので早めに布団に入るが
もちろん寝れるはずも無い。
若者もいる訳でもないし車もほとんど通らない。
静かな夜…。
オレって何やってんだか…。

耳元に下から船にあたる波の音だけが聞こえていた。






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