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おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

ロミオとジュリエット

2020-08-05 08:53:08 | 映画
「ロミオとジュリエット」 1968年 イタリア


監督 フランコ・ゼフィレッリ
出演 レナード・ホワイティング
   オリヴィア・ハッセー
   マイケル・ヨーク
   ブルース・ロビンソン
   ナターシャ・パリー
   ロベルト・ビサッコ

ストーリー
十五世紀中頃、春まだ浅きベロナの町。
二大名門として知られるモンタギュー家とキャピュレット家は、家長はもとより下男にいたるまで仇敵視しあう仲で血で血を洗う争いが絶えなかった。
ある日、舞踏会で出会ったロミオとジュリエットは、一目で魅かれ合うがお互いの素性を知って嘆き合う。
しかしバルコニーで恋の苦悩を訴えているジュリエットを見かけたロミオは、いたたまれず熱烈な愛の告白をし、二人は結婚を誓い合う。
翌日二人はロレンス神父の手により結婚式をあげたが、その帰り道、キャピュレット家のティボルトとモンタギューのマキューシオが争っているのに出会った。
ロミオの止めるのも聞かず二人は剣をぬき、ティボルトはマキューシオを刺殺してしまった。
ロミオは逆上しティボルトを刺し、ベロナの町に再び血が流れたことにより、ロミオは追放の身となった。
だが発つ前に、ジュリエットの乳母や神父のはからいで二人は会うことを許され、結ばれたのである。
ちょうどその頃、キャピュレット家ではジュリエットと、領主の遠戚であるパリス伯爵との婚約を進めており、ジュリエットの意向も聞かず結婚の日取りまで決めてしまった。
ジュリエットはロレンス神父のところへ相談に行った。
すると神父は四十二時間仮死状態が続くという薬をあたえ飲むようにといった。
そして墓地に運ばれたらロミオが助けにいく--という手はずをととのえたのだが・・・。


寸評
シェークスピアの4大悲劇とは「ハムレット」、「オセロー」、「マクベス」、「リア王」ということになっていて、いずれも人生に対する深い洞察を示していると言われているが、僕にとっては シェークスピアの悲劇といえば他の作品を知らなおこともあり「ロミオとジュリエット」である。
何度も映画化されているが、僕にとっての「ロミオとジュリエット」はこの1968年版以外にありえない。
そう思わせるのは一にも二にもジュリエットを演じたオリビア・ハッセーの存在である。
この映画で人気を得たオリビア・ハッセーはその後に何本かの作品に出演したが、瞼に残るのはいつまでたってもジュリエットの彼女である。
そのオリビア・ハッセーがカネボウ化粧品のCMに出演した際、そのCM曲「君は薔薇より美しい」を歌った歌手の布施明と1980年に結婚したのには驚いた(一男児をもうけたが1989年に離婚)。

劇場で鑑賞していた僕は、オリビアが赤いドレスを着て初めて窓から顔を出すシーンで衝撃を受けた。
彼女の目元と口元が幼なじみのⅠさんとよく似ていたからだ。
Ⅰさんは腎臓を患い、その後少しふっくらされてオリビアとは似なくなってしまったが、闘病前の顔立ちはオリビアを思わせるものがあった。
ジュリエットは14歳という年齢だが、この時のオリビアは16歳で実年齢に近い。
そのこともあって実に瑞々しいジュリエットとなっていて、オリビアなくしてこの映画はない。
キャピレット家で催されたパーティに参加したロミオはジュリエットに一目ぼれする。
ジュリエットもやはりロミオに一目ぼれするのだが、そんなに簡単なものなのかと思わぬでもないが、ロマンチックな淡い恋は観客をうっとりさせるに十分だ。
二ノ・ロータの音楽も映画音楽史に残るもので、二人が出会う場面ではテーマ曲に乗って歌声が響き渡り、そのメロディはいつまでも耳に残る。
14歳で結婚話が持ち上がっているから、この時代においてはそれぐらいの年齢で結婚していたのだろう。
モンタギュー家とキャピュレット家はいがみ合っているが、なぜ敵対しているかは分からないし、大人たちよりも下男の子供たちが事あるごとに争っている。
少年が縄張り争いをしているようだが、僕が子供の頃にはいたそんな少年の姿はもう見かけなくなった。
彼等の争いを通じて両家の憎しみと敵対を描いていたと思うが、生まれながらの環境による悲劇という点が4大悲劇と一線を画しているところだろう。

「ロミオ、あなたはどうしてロミオなの」という聞きなれたセリフもオリビアによって語られる。
ロミオのレナード・ホワイティングも頑張っているが、僕にはオリビアが登場すると輝きを見せた作品との印象が強いし、オリビアの豊満な肉体も印象深い。
ジュリエットが神父から貰った仮死状態になる薬を飲むシーンでは、ベッドのカーテンが引かれそれがソフトフォーカスの役目を担い美しいオリビアの横顔がアップとなる。
ウットリしてしまうシーンだ。
そして悲劇が起こり領主の叫びでエンディングに向かうが、領主の叫びはあまり心に響かない。
それにしてもオリビアだなあ。


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