「青い春」 2001年 日本

監督 豊田利晃
出演 松田龍平 新井浩文 高岡奏輔 大柴裕介
山崎裕太 忍成修吾 塚本高史 永山瑛太
鬼丸 渋川清彦 マメ山田 小泉今日子
ストーリー
男子校・朝日高等学校。
その日、屋上にはいつものように不良グループが集まっていた。
新学期から3年生になる九條(松田龍平)、九條の幼なじみ青木(新井浩文)、眼鏡の雪男(高岡蒼佑)、野球部主将の木村(大柴裕介)、赤いTシャツをちらつかせる大田(山崎裕太)と使いっぱしりの吉村(忍成修吾)達で、
彼等はそこで、青空をバックにポーズを決め、皆で写真を撮った。
6人は屋上の柵の外に立ち、手をたたいた回数を競う「ベランダゲーム」に興じていた。
柵の外側はつま先がやっと引っかかる程度の幅しかなく、柵に掴まらずには数秒と立っていられない。
落ちれば地面にまっさかさま。
それは、勝ったものが学校を仕切ると決められた伝統の根性だめし。
失敗すれば校庭にまっさかさまのこのゲームで新記録を出した物静かな男・九條は、勝者としてこの学校を仕切る権利を手に入れた。
しかし彼にとっては「ゲーム」も「学校を仕切る」ことも無意味でどうでもいいことだった。
自分の行き場に迷いながらも、宙ぶらりんな日常を送る九條たちに、やがて進路選択という現実が突き付けられてゆく……。
雪男が包丁で太田を刺し殺してしまい、警察官と教師に抱えられパトカーに乗せられていく。
木村は学ランを投げ捨てて、ヤクザとなった先輩と共に黒塗りの高級車に乗りこんでいく。
レオ(山中零)という2年生が九條に反旗を翻すが破れてしまい、青木は敗北したレオをボコボコにする。
九条がそ知らぬふりをするので、これに青木がキレてしまう。
さらに、学校中に青木は九條のパシリだという噂が広まっていることで抑えていた想いが爆発し、青木は九條に対して日ごろの不満をあくまで冷徹に伝え宣戦布告する。
寸評
僕の高校時代は落ちこぼれではあったが不良ではなかったし、通っていた学校は男女共学で朝日高等学校のような風紀が乱れた学校ではなかった。
彼らのような暴行や殺人などという行為は行わなかったし、学校においても行われてはいなかったが、それでも高校時代だからこそできたバカはやっていた。
九條たちのグループの中でも卒業後の進路について語り合うシーンが何度か描かれている。
就職するのか進学するのかと聞かれるが、聞かれた当人の気持ちは固まっていない。
固まっていないと言うよりも考えていないと言った方が適当と思われるのだが、彼らはそれぞれただ何となく学校に来ていて、やりたいことが見つからない苛立ちを抱えているのだ。
高校時代に自分の将来を見据えて先を目指している高校生もいるだろうが、自分が目指しているものが何なのかもわからず、とりあえず毎日を過ごしている高校生もいる。
悩み苦しみ楽しんでいたのが高校時代だったように思う。
九條は度胸はあるがどこか冷めている。
彼は「幸せなら手をたたこうゲーム」で負けたことがない。
彼がゲームに勝つ理由は、彼には執着するものがない無欲の強さがあるからだ。
腕力もありそうだが、だからと言って番長になりたいという気持ちもない。
青木とは九條が青木の居る小学校に転向してきて以来の付き合いであるが、青木はいつのころからか九條から見下されていると感じるようになっている。
太田が先輩に可愛がられているからとしきりに吹聴するように、虎の威を借るという輩はどの世界にもいるもので、青木もそんな自分を感じていたのかもしれない。
青木は気に食わない奴を痛い目にあわすということを自分ではやらず、盛んに九條にけしかけている。
虐げられている者は何も感じずに従っているわけではない。
それぞれが吹っ切れて先に進んでいくのだが、行きついた先は普通ではない。
青木は九條を見返すために自分の命を懸けてゲームに挑む。
青木は九條が机に書いていた人物らしい落書きを屋上に大きく書き残している。
青木がそれは誰なのかを聞いた時に九條は答えていない。
そこに九條が立つと大きく伸びた影がその横に並ぶ。
得体のしれない落書きの人物は九條自身だったのだと思う。
高校時代は自分が得体のしれない者でいる時期なのかもしれない。
僕は共学だったのでよく分からないが、男子校の雰囲気って描かれたようなものだったのだろうか。
僕はたまたま進学校だったが、そうでない学校の雰囲気も知りえていない。
高校の同級生がすさんだ学校の教師になったが、同窓会で出会った時に「勉強を教える前に、2階から机やイスを投げてはいけない」という指導からやらねばならない。自分たちの学校では考えられなかったことだ」と言っていたことを思い出す。
描かれたのが彼らの青春だったのかもしれないが、僕はとても「これが青春だ」とは思えない。

監督 豊田利晃
出演 松田龍平 新井浩文 高岡奏輔 大柴裕介
山崎裕太 忍成修吾 塚本高史 永山瑛太
鬼丸 渋川清彦 マメ山田 小泉今日子
ストーリー
男子校・朝日高等学校。
その日、屋上にはいつものように不良グループが集まっていた。
新学期から3年生になる九條(松田龍平)、九條の幼なじみ青木(新井浩文)、眼鏡の雪男(高岡蒼佑)、野球部主将の木村(大柴裕介)、赤いTシャツをちらつかせる大田(山崎裕太)と使いっぱしりの吉村(忍成修吾)達で、
彼等はそこで、青空をバックにポーズを決め、皆で写真を撮った。
6人は屋上の柵の外に立ち、手をたたいた回数を競う「ベランダゲーム」に興じていた。
柵の外側はつま先がやっと引っかかる程度の幅しかなく、柵に掴まらずには数秒と立っていられない。
落ちれば地面にまっさかさま。
それは、勝ったものが学校を仕切ると決められた伝統の根性だめし。
失敗すれば校庭にまっさかさまのこのゲームで新記録を出した物静かな男・九條は、勝者としてこの学校を仕切る権利を手に入れた。
しかし彼にとっては「ゲーム」も「学校を仕切る」ことも無意味でどうでもいいことだった。
自分の行き場に迷いながらも、宙ぶらりんな日常を送る九條たちに、やがて進路選択という現実が突き付けられてゆく……。
雪男が包丁で太田を刺し殺してしまい、警察官と教師に抱えられパトカーに乗せられていく。
木村は学ランを投げ捨てて、ヤクザとなった先輩と共に黒塗りの高級車に乗りこんでいく。
レオ(山中零)という2年生が九條に反旗を翻すが破れてしまい、青木は敗北したレオをボコボコにする。
九条がそ知らぬふりをするので、これに青木がキレてしまう。
さらに、学校中に青木は九條のパシリだという噂が広まっていることで抑えていた想いが爆発し、青木は九條に対して日ごろの不満をあくまで冷徹に伝え宣戦布告する。
寸評
僕の高校時代は落ちこぼれではあったが不良ではなかったし、通っていた学校は男女共学で朝日高等学校のような風紀が乱れた学校ではなかった。
彼らのような暴行や殺人などという行為は行わなかったし、学校においても行われてはいなかったが、それでも高校時代だからこそできたバカはやっていた。
九條たちのグループの中でも卒業後の進路について語り合うシーンが何度か描かれている。
就職するのか進学するのかと聞かれるが、聞かれた当人の気持ちは固まっていない。
固まっていないと言うよりも考えていないと言った方が適当と思われるのだが、彼らはそれぞれただ何となく学校に来ていて、やりたいことが見つからない苛立ちを抱えているのだ。
高校時代に自分の将来を見据えて先を目指している高校生もいるだろうが、自分が目指しているものが何なのかもわからず、とりあえず毎日を過ごしている高校生もいる。
悩み苦しみ楽しんでいたのが高校時代だったように思う。
九條は度胸はあるがどこか冷めている。
彼は「幸せなら手をたたこうゲーム」で負けたことがない。
彼がゲームに勝つ理由は、彼には執着するものがない無欲の強さがあるからだ。
腕力もありそうだが、だからと言って番長になりたいという気持ちもない。
青木とは九條が青木の居る小学校に転向してきて以来の付き合いであるが、青木はいつのころからか九條から見下されていると感じるようになっている。
太田が先輩に可愛がられているからとしきりに吹聴するように、虎の威を借るという輩はどの世界にもいるもので、青木もそんな自分を感じていたのかもしれない。
青木は気に食わない奴を痛い目にあわすということを自分ではやらず、盛んに九條にけしかけている。
虐げられている者は何も感じずに従っているわけではない。
それぞれが吹っ切れて先に進んでいくのだが、行きついた先は普通ではない。
青木は九條を見返すために自分の命を懸けてゲームに挑む。
青木は九條が机に書いていた人物らしい落書きを屋上に大きく書き残している。
青木がそれは誰なのかを聞いた時に九條は答えていない。
そこに九條が立つと大きく伸びた影がその横に並ぶ。
得体のしれない落書きの人物は九條自身だったのだと思う。
高校時代は自分が得体のしれない者でいる時期なのかもしれない。
僕は共学だったのでよく分からないが、男子校の雰囲気って描かれたようなものだったのだろうか。
僕はたまたま進学校だったが、そうでない学校の雰囲気も知りえていない。
高校の同級生がすさんだ学校の教師になったが、同窓会で出会った時に「勉強を教える前に、2階から机やイスを投げてはいけない」という指導からやらねばならない。自分たちの学校では考えられなかったことだ」と言っていたことを思い出す。
描かれたのが彼らの青春だったのかもしれないが、僕はとても「これが青春だ」とは思えない。
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