女王陛下のお気に入り

「すごい映画を見た」。
それが、この作品を見終わったときの感想でした。

私にとっては、ヨルゴス・ランティモス監督の初鑑賞作品。

監督の名前を知った「 ロブスター 」も、バリー君 出演の「 聖なる鹿殺し 」も、
予告編の時点で 'なんかイヤ'、'不気味すぎて無理' とドン引きし、未だに見てはいないのですが、
今作は、18世紀はじめのスペイン継承戦争下のイギリスが舞台で、私の好きな歴史もの！
おまけに、当時の権力争いの中心にいた、実在の女性3名のストーリーとあっては、
寧ろ、公開を心待ちにしている状況でした。

実際に見てみても、期待が裏切られることは無く、
我々民衆には到底窺い知ることなどできない、政治的陰謀や駆け引きが
繰り広げられる宮廷は、まさに、'魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿' といった世界であり、
見ている側の不安を煽り立てるような、ランティモス監督独特の手腕が、
ぴったりとハマっているように思いました。
時々キョーレツに、あの時代にはあり得ないだろう！
といった類の演出が入り込んでもくるのですが、
眼前のスクリーンで展開される世界観に絶妙にマッチしているため、
違和感よりも、作品の個性を一層浮き上がらせる点で効果抜群でした。

そして、やはり主役の女優3名が素晴らしかったです。
映画のはじまりから終わりへと至るあいだに、アン女王、レディ・サラ、アビゲイルの、
3人の人間関係とパワーバランスは刻々と変化していく訳ですが、
適切な演技と表現とで、魅せつけられ、目が離せなくなりました。
アカデミー賞主演女優賞おめでとうございます、オリビア・コールマン！

最後に、本作のプログラムは「FOX SEARCHLIGHT MAGAZINE　vol.14」。
本編鑑賞後に楽しく読ませてもらいました～。

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　　　映画 『女王陛下のお気に入り』

　　◇原題：The Favourite
　　◇関連サイト：公式サイト（ 日本版 ）、IMDb（ 関連ページ ）
　　◇鑑賞日：2019.3.3. 映画館にて