末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

2018-04-28 08:18:54 | 映画のはなし
相も変わらず、1940年5月~6月の英国をうろうろしています。

ゲイリー・オールドマンが主演した、
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を見ました。

まずは、第90回アカデミー賞の「主演男優賞」と、
「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」の受賞、おめでとうございます~。

本作に上記2部門をもたらした仕事ぶりを、スクリーンで見たかったのと、
未だ(私自身が)脱出できていない「 Dunkirk 」の裏で、
イギリス本国ではどんな動きがあったのかを知りたかった、というのが、
この映画を見た理由ですが、これらの点については、まぁ満たされたかな。
1940年6月4日に、チャーチルが下院で行った "we shall never surrender" の演説を、
ゲイリー・オールドマンの演技で聞くことができましたしね。

ジョー・ライト監督の演出は、しかし、
作品ジャンルを選ぶな ・・ というのが、正直な感想でした。
例えば、同監督の「 Atonement 」は、とても大好きな映画なのですが、
あれは文芸作品が原作で、ドラマティックな見せ方は凄くマッチしていたと思います。

でも、チャーチルの映画のように史実ベースの作品だと、
私の感覚では、ちょっとエモーショナルに過ぎるような気がしました。
もちろん、この作品はドキュメンタリー映画ではないため、
登場人物に感情移入しやすいよう、人間ドラマの部分で
実際とは違うアレンジが施されるのは、演出上のテクニックの一つだと言えるし、
作品内で矛盾や破綻が生じない限り、個人的には普通に受け入れられるのですが、
政治的要素が濃い部分で泣かせの煽りが強烈なのは、何だか落ち着かなくて。
特に、カレー陥落のシークエンスでの過剰さは、私には残念ながら、
マイナス方向へのインパクトが大きくなってしまいました。

劇場空間を思わせるような、独特な画面の構図とかは、
こだわりが感じられて、面白いのですけれど。

本作は、脚本を担当したアンソニー・マクカーテンによる
小説版 が出ていますが、ノベライズ本というより、小説とドキュメンタリーの
中間のような印象を受けたので、読んでみようかと思います。
あの時代のことも、ウィンストン・チャーチルのことも、興味は尽きないので。

そして、この映画を見ていたら、
無性に「 The King's Speech 」を見返したくなったので、
近いうちに、再見できればと思います。

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   映画 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

  ◇原題:Darkest Hour
  ◇関連サイト:公式サイト( 日本版 )、IMDb( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2018.4.1. 映画館にて