末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

ベアトリーチェ・チェンチの肖像

2005-08-06 22:37:49 | 本のはなし(和書)
ふう ぅ~~~、暑いですねぇ ;

ウチの上司はすごく暑がりなのですが ( 性格もアツくるしい 。。 ) 、
あんなに天井が低くて、狭い、我が部署の部屋で、
設定温度20度とかで急風&強風の冷房を終日入れ続けるのは、
いい加減やめてほしい。 私の席は、冷風直撃なのです。

おかげで、また お腹がコワれました 。。
( こんな暑さでは、まともな食事ができないと、
  ほんとシャレにならないのに~ 怒 )

にもかかわらず、おとといは新文芸坐へ、
ラスト1本! 料金で、再びの 「 キングダム・オブ・ヘブン 」 に
行ってきたものだから、ますます体調が悪化 ( ダメだめ ・・ ) 。

なので、残業もそこそこに切り上げて、
家でごろごろと、澁澤龍彦氏の 『 女のエピソード 』 を
今更ながらに読んでおりました。

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今回が初読です。
しかし、もともと気になる本ではありました。

姉妹編 ( でいいのか ? ) とも言える
『 世界悪女物語 』 を以前に読み、結構楽しめたので、
『 女のエピソード 』 の方も、どうしようかと迷ってはいたのです。
・・ が、何となく、そのままにしてありました。

それが、先日、
ちょっと別件で調べものをしていたときに、
テレビ東京系 『 美の巨人たち 』 のサイトにたどりつき、
過去の放送分の記事をいろいろ見ていたところ
グイド・レーニ作 「 ベアトリーチェ・チェンチの肖像 」
とても印象的だっため、
彼女のことが書かれていた同書を、ようやく購入した次第です

本の感想は、ちょっと、物足りないですかねぇ。
初出が資生堂のPR誌だったそうなので、
誌面スペースの都合上、仕方がないとも言えるのですが、
1話1話が短く、もっと読みたいなぁというところで終わってしまうのですよ ;
本書で取り上げられている人物の何名かが、
『 世界悪女物語 』 とかぶっていたのも、正直、残念だったかな。
そう言えば、『 世界~ 』 では各人物のスケール感のバランスから、
日本人女性が登場しなかったのですが、
『 女の~ 』 には、和泉式部・細川ガラシア・建礼門院徳子の名がありましたね。
でも、何故この三人だったのかが、視点の良し悪しは別としても、
いま一つ、私にはピンときませんでした ( 汗 )

肝心のベアトリーチェについてですが、
『 美の巨人たち 』 とは、語り口に温度差のある感じでした。
『 美の巨人たち 』 は、番組自体は見ていないのですけれど、
サイトで紹介されているバックナンバーを読むと、
“ 悲劇の天使 ” そのもののような少女として、
哀しみをこめながら、彼女の物語が語られているのに対し、
『 女の~ 』 の方では、ベアトリーチェに向けられる目線に
どこかスキャンダラスな空気が含まれていて、
先に、澁澤氏の本を読んでいたとしたら、
また違った印象を持ったように思います。

ところで、『 美の巨人たち 』 による、
「 ベアトリーチェ・チェンチの肖像 」 の解説を読むと、
フェルメールの作品 「 真珠の耳飾りの少女 」 との類似性が
指摘されているのですが、これは、美術界では定説なのでしょうか?
別に他意があるわけではなく、こちら方面の常識に疎いがための
素朴な疑問なのですが。。
もしそうなら、そのうち、そのうちと思って見そびれていた、
映画 『 真珠の耳飾りの少女 』 をレンタルしてくる、
良いきっかけになるんですけどね。
( なんだか、いつも同じパターンだ ・ 苦笑 )

映画といえば、
史実では、16世紀末のイタリアで起きたベアトリーチェの悲劇を、
中世フランスに舞台を移して映画化した作品、
『 パッション・ベアトリス 』 ( 主演 :J・デルピー ) があるのですが、
どうもレンタルにはなっていないようで、残念です~ (>_<)

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表紙は、ベアトリーチェ・チェンチ
 『 女のエピソード 』
  ( 澁澤龍彦 著 / 河出書房新社 )

  ◇書籍情報 :Amazon ( 関連ページ




  『 世界悪女物語 』
   ( 澁澤龍彦 著 / 河出書房新社 )

   ◇書籍情報 :Amazon ( 関連ページ
表紙は、ルクレチア・ボルジア

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