事業を相続する方法は、個人事業の場合と株式会社など会社経営の場合が考えられます。
まず、
会社を経営している場合を考えてみましょう。
この場合、会社の社員権や株主権が相続の対象になります。
ただし、合資会社の無限責任社員の地位や合名会社の社員の地位、民法上の公益社団法人の社員権、組合員たる地位(特約がない場合)は相続されません。
株式の経営権は株式の持ち株数によって左右されます。
自分が100%出資して作った実質個人事業のような会社であっても、遺言で各相続人が取得する株式を明確にしておきましょう。
死後株式が分散してしまい経営権争いになる危険があります。
次に、
個人事業の場合を考えてみましょう。
この場合権利関係が複雑です。
事業で使っている不動産はもちろん相続財産になります。
営業用の商品は、商品、原材料、製品、半製品、仕掛品その他棚卸しをすべき資産(副産物、仕損品、建築用資材、消耗品など)のことですが、相続されます。
商品の価格→課税時期における販売価格からその中に含まれる適正利潤額、販売時までの必要経費予定額、消費税額を控除した金額で評価します。
原材料の価格→課税時期における仕入れ価格に運賃などの経費を加えた金額で評価します。
製品の価格→課税時期における販売価格から適正利潤額、経費予定額、消費税を差し引いた金額で評価します。
半製品、仕掛品の価格→課税時期における仕入れ価格に運賃などの経費を加えた金額で評価します。
事業の雇用関係に関しては、雇人の方の死亡はその相続人には何の関係も及ぼしません。(未払い賃金や退職金があったときは金銭上の問題になります。)雇い主の方の死亡は特に使用人と特別の信用関係にあったような場合を除き雇用関係はなくなりません。
商売上の借金は「相続の放棄」や「限定相続」しない限り、債務の内容が分割できない性質のものであれば相続人が共同して負担し、分割できるときは相続分にしたがって負担します。
(負担割合は、債権者の承諾なしに変更しても債権者に対抗できません。)
身元保証は一身専属的なものであるので相続の対象になりません。
身元保証に限らず、特に保証人と日保証者との特別の信頼関係によって契約させられたという事情がある場合は同様に相続されない場合もありますが、一般の保証人の地位は相続人に引き継がれます。
営業を継続している間に自然に生まれてくる世間の信用や評価、といった無形の財産である「のれん」も営業権の一種として相続の対象になります。
評価の仕方としては、税法上、その営業の超過利益の額 (注) を年八分の利率による超過利益還元法という計算法により計算した額と前年の所得金額(有名な営業権については所得金額の3倍)のいずれか低い方で評価することになっています。
{(注)超過利益金額=平均利益金額×0.5ー企業者報酬ー総資産額×0.08}
製品製造上の秘訣は、経験や努力によって会得した個人的なものである場合は、財産的な権利とは言えず相続の対象になりませんが、これが、特許権や実用新案権、意匠権となっている場合は相続の対象になります。
商号(商人営業上の名称)の使用を他人から妨げられない権利や他人が同一または類似の称号を不正に使用するのを排斥する権利は商号権として相続の対象になります。商標権も相続の対象になります。
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