ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

日本の弱点を克服するには

2023-08-15 10:45:53 | 日記
今に始まったことではないが、日本の産業技術は明らかに他の国々に後れをとっている。にもかかわらず、「技術大国ニッポン」という過去の幻想に安住し、「追いつけ、追い越せ」の気概すら失っているのが、今の日本の現状である。この嘆かわしい現状は、ではどうすれば克服できるのか。


地獄の沙汰もカネ次第。産業技術と、これを支える基礎研究の分野に充当する国家予算の規模が問題だ、と、そう考える私は、この問題は国家予算の配分方式から再検討すべきだと考えている。


「いやいや、カネの問題ではない。そもそも我が民族のモノ作りの精神が・・・」と、精神論をぶちたがる向きもいるだろうが、私は、やはりカネの問題が大きいと考えている。私がそう考えるのは、次の記事を読んだせいかもしれない。


自民党の佐藤正久参院国対委員長代行(元外務副大臣)と立憲民主党の中谷一馬政調副会長(党デジタル政策PT座長)は13日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、脅威が増すサイバー攻撃への対処などをめぐり議論した。
ホワイトハッカーなど高度な技術を持つ人材不足が指摘される中、佐藤氏は事務次官級の年収(約2300万円)レベルでは優秀な人材が確保できないとの認識を示し、政治主導で公務員の給与制度の壁を破りたいとの考えを示した。

(FNNプライムオンライン8月13日配信)


そう、まさに「人は石垣、人は城」である。優秀な人材が集まってこそ優れた技術の開発は可能になる。その「優秀な人材の確保」のために必要なのが、カネにほかならない。


優秀な人材は、カスミを食って生きる仙人ではない。高額の報酬や、充実した研究環境を提示され、アメリカや中国の企業に引き抜かれていく技術者・研究者が少なくないことは、いわば公然の秘密である。


去年ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏が、より良い研究環境を求めて渡米し、プリンストン大学に職を得たこと、さらにアメリカ国籍を取得したことは、まだ記憶に新しい。「日本人なのに、愛国心のない奴だ!」と彼を非難するのはたやすいが、もし真鍋氏が渡米せず、日本にとどまって劣悪な環境下で研究を続けていたら、彼はそれほどの研究業績をあげることはできなかっただろう。


日本ではカネの話を持ち出すのは下品なこととされているため、お上品なインテリ評論家の先生方は極力カネの話を持ち出さない傾向が強いが、自民党の佐藤正久氏といえば、自衛官上がりの現場たたき上げの人物、さすがに世情にも通じているらしい。


できれば予算審議に携わる与党議員のセンセ方には、この佐藤氏の発想と認識を共有した上で、予算増額の対象を国家防衛分野だけでなく、産業技術分野全般にまで広げてほしいものだ。


コメント
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