ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

北に対する米 ホンネかタテマエか

2019-07-07 11:53:02 | 日記
北朝鮮に向きあうトランプのアメリカ。その態度には2つの顔がある。
(A)一つは、妥協策をとり、(完全な非核化ではなく)核開発の凍結で事足れりとする態度。
(B)もう一つは、これまで通り、完全な非核化を要求する態度である。

きのうはこの2つについて考えたが、きょうは同じ問題を、さらに掘り下げて考えることにしよう。

まずはソースの問題である。トランプのアメリカが(A)の態度へと方針転換したとする驚くべき情報は、だれが提供したのか。板門店でのトランプと金正恩の首脳会談に同行した政府高官は、ビーガン北朝鮮問題特別代表と、「ジャレンカ」夫妻(トランプの娘婿であるジャレッド・クシュナー上級顧問と、トランプの娘であるイバンカ・トランプ補佐官とを合わせたニックネーム)の3人である。

きのう私が紹介した日経の記事は、米ニュースサイト・アクシオスの報道を引き合いに出し、ビーガン北朝鮮担当特別代表が語ったことだとしているが、サイト・JBpressに掲載された記事《北朝鮮の核保有認め、ボルトン解任ーー大統領選に見境ないトランプ、次の国家安全保障担当はイバンカか》(7月3日配信)は、「『核凍結』案をイバンカ氏かジャレット氏が意図的にニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルに漏洩した」と断じている。父親であるトランプの大統領再選をねらってのことだという。

米政府の態度(A)に関する情報は、再選をめざすトランプ政権の、そのホンネの部分を表に出したものと言えるが、これに対して、タテマエを語る(B)サイドの情報も、相変わらず次々と報じられている。きょうの読売新聞は、次のように伝えている。

「ソウルで6月30日に行われた米韓首脳会談で、北朝鮮が北西部・寧辺の核施設を廃棄した場合、開城工業団地など南北経済協力事業の再開を認めるよう文在寅大統領が要請したが、トランプ大統領が拒否していたことが日米韓協議筋の話でわかった。」

つまり、トランプ大統領は「完全な非核化」を求めて「寧辺プラスアルファ」(=「寧辺の核施設の廃棄」および「ウラン濃縮施設などの非核化措置」)に固執し、断固、経済制裁を解除しようとしなかったというのである。

北風のように、断固たる態度でのぞむアグレッシブな大統領の態度に、米国民は頼もしさを感じるのだろうか。それとも、太陽のように接して、相手の軟化を待つ大統領の態度に、智将としての好ましさを感じるのだろうか。そればかりはわからない。
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