ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

日本で「Q」は

2018-09-02 11:25:21 | 日記
事実は小説よりも奇なりというが、きょうの朝日新聞朝刊の1面は、そんな格言を思わせるものだった。アメリカでのことである。大きな見出しとともに、こう書かれていた。

トランプ政権を支える正体不明の人物「Q」を中心とした陰謀論集団の存在が目立ち始めている。(中略)「Q」とは昨年10月、ネット掲示板に登場したトランプ氏を熱狂的に支持する正体不明の投稿者。「Q」の主張を信じて解釈する、匿名(anonymous)の略のanonをつけた「QAnon(キューアノン)」という陰謀論集団が形成された。「Qは主流メディアが伝えないことを教えてくれる」と口をそろえ、信奉者がネット上で急速に増えている。発信内容は「トランプ氏は不正にまみれた世界を救うため秘密裏に選ばれた」「反対勢力がトランプ氏への攻撃をたくらんでいる。大統領専用機がミサイルで撃ち落とされそうになった」など荒唐無稽のものばかり。信奉者は「Q」が政権内の機密情報を知り得る人物だと疑わない。
これが、無視できない存在になりつつある。米メディアによるとユーチューブに関連動画が13万件も投稿。主張をまとめた数あるサイトの一つでも月に800万以上のアクセスがある。米タイム誌は「ネットで最も影響力のある世界の25人」に他の著名人とともに「Q」を選んだ。

この記事を読むかぎり、多数を占める「Q」の信者たちには、トランプ大統領は救世主キリストの再来のように見えるらしい。格差が固定されたアメリカ社会の、その底辺で生きる中・下流の人々にとっては、トランプ氏は自分たちを窮状から救い出してくれる 有難いキリスト(救世主:メシア)のように映るのだろう。

ふと考えてみた。ドナルドの盟友である我がシンゾーも、この手口を利用することはできないだろうか。和製「Q」を仕立て上げ、ネットの掲示板に「安倍氏は不正にまみれた日本を救うため秘密裏に選ばれた」、「抵抗勢力が安倍氏氏への攻撃をたくらんでいる。首相専用機がミサイルで撃ち落とされそうになった」などと投稿させる。このデマは、ネトウヨよ呼ばれる人々の間に、たちまち広まるだろう。

でも、どうなのだろうなあ。日本とアメリカとでは、そもそも文化の土台が違っている。アメリカの文化は、古代ユダヤ教に由来するクリスチアニズムを土台にしていて、メシア信仰を受け入れる素地があるが、日本にはそれがない。素地がないところにメシア信仰を接ぎ木しようとしても、うまく行くわけがない。和製「Q」のネット投稿は、悪い冗談として笑い飛ばされるだけだろう。

となると、我が日本のシンゾーさんは、やっぱり「逃げるが勝ち」の戦法で行くしかないのかな。これを「逃げ恥」戦法と揶揄する人もいるようだけれども。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする