ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

殺人者の人権を尊重する?

2016-08-31 14:45:57 | 日記
たいへんな違いである。フィリピンでは、大統領の命令の下、麻
薬の密売人や常習者がどしどし殺されるというのに、日本では、
人を殺した凶悪犯が、住宅に立てこもったまま、14時間たった今
でも警官隊とにらみ合いを続けている。

和歌山の事件である。人質がいるわけではない。いや、犯人は自
分自身を人質にとっているのだ。自分の頭に銃口を向け、「寄ら
ば撃つぞ」の構えを見せて、警官隊と対峙している。

こんなふうに自分を人質にとることができるのも、日本ならでは
のことだろう。フィリピンでもアメリカでも、日本以外の外国な
ら、犯人は自分の拳銃の引き金に指をかける前に、治安部隊の狙
撃手によって即刻、射殺されているに違いない。日本では凶悪犯
であっても、その「人命の尊重」が至上命題とされ、生きたまま
での捕獲が目ざされるのだから、たいへんな違いである。

和歌山の犯人は、すでに拳銃で人を一人殺し、三人に重傷を負わ
せている。つまり彼は「人命の尊重」を蔑ろにした殺人者なのだ。
にもかかわらず、彼自身の「人命の尊重」がまずもってはかられ
るとしたら、これは喜劇以外の何ものでもない。「人命の尊重」を
蔑ろにした者の「人命の尊重」をまずもってはかる、という喜劇を
見せつけられても、「なんで?」という疑問符すら抱かない現代日
本人の麻痺した感性には、我ながら驚かされ、同じ国にいるのに、
まるで自分が遠い異国に迷い込んでしまったように、「なんで?」
と、不思議の思いを抱かざるを得ない。

それとも、同邦の皆さん!この喜劇のあまりの滑稽さに、呆れ果
てて声も出ないのですかね?
コメント
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