加齢なるマスゾエ症

私のメールボックスには、毎朝毎晩、朝日新聞からメルマガが
届く。興味をそそられる記事の見出しがずらりと並ぶが、基本
的に私はそれらに目を通すだけで、ことさらクリックするよう
なことはしない。私は無料購読会員だから、閲覧できる記事数
に制限がある。面白そうだと思ってクリックしても、「あなた
は閲覧できる記事数をオーバーしました。有料会員の登録をし
てください」と出る。これではストレスがたまる一方だ。それ
ならば、と、はじめからクリックしないことにした。

先日、朝日のメルマガで、面白そうな記事のタイトルが目につ
いた。「舛添要一さんのニュースで思った加齢の難しさ（青木
えるか）」。誘惑に勝てず、思わずクリックした。出てきたの
は、マスゾエさんの東大助教授時代のトガッた顔写真と、「こ
のような顔は、加齢でも衰えないタイプの顔」、それに比べて
元妻の片山さつきの顔は・・・、というような文章だった。「なん
だ、くだらない」と思ったが、タイトルとあまりにかけ離れた
文章なので、「きっとひねったオチがあるのだろう」と、逆に
興味をかきたてられた。「続きを読む」をクリックすると、出
てきたのは、なんと、有料会員の登録のページである。「あ
あ、縁日のテキ屋みたいな朝日に、また引っかかってしまった
な」と私は深く後悔した。

有料会員の購読料がいくらするのか、私は知らない。調べる気
にもならないが、「自分も変わったものだなあ」とつくづく思
う。若い頃の私は、自分の知的好奇心を充たすために、金を惜
しんだりはしなかった。ところが今の自分のこのセコさ、我な
がら恥ずかしくなるこの吝嗇ぶり、これはきっと加齢のためだ
ろう・・・。あっ！ここまで考えて、私はふと思い当たった。マス
ゾエさんのあのセコさ、恥も外聞もないあの吝嗇ぶり、これも
また加齢のなせる業なのだ。彼もまた、加齢の影響に勝てなか
ったのだろう。青木えるか氏による朝日の記事も、きっとそう
いうことが書いてあるに違いない。

そう考えて納得した私は、結局、有料購読会員の登録をしな
かった。朝日のターゲットは、きっと（加齢の影響が出ていな
い）若い人たちなんだろうね。