おはようございます。
冷たい飲み物が美味しかった時間から、暖かい飲み物が欲しくなる季節に変わりましたね。
秋から冬へ季節は動いていきますねー。
さて、その時、僕はイケメン貴島くん(29)、美人な御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(28)、
若い池澤くん(24)と、事務所の近所のお蕎麦屋さんで、ランチを取っておりました。
「しかし、最近は涼しくなってきて、暖かい麺料理なんかが、本当に美味しく感じられるようになってきたわね」
と、カレー南蛮を美味しそうに食べている御島さんです。
「知ってる?ゆるちょくんの心の師である池波正太郎先生も、「神田まつや」のカレー南蛮が大好物だったのよ」
と、御島さん。
「ええ。知ってますよ。師の食エッセイ「むかしの味」に載ってますから、その話」
と、僕。
「わたしも、カレー南蛮が子供の頃から好きで・・・この和のだしで食べるカレー南蛮のお蕎麦が」
「本当に堪えられないの。秋から冬はこの味よね・・・」
と、御島さん。感動している。
「僕は子供の頃から、カレーうどんが大好きで・・・多分、小学校の給食で好きになったのかな・・・」
「カレーって、やっぱり、テンションあがりますよね」
と、貴島くん。
「わたし、結構、巣鴨の古奈屋行きますよ。ね、ゆるちょさん」
と、ユキちゃん。
「うん。あれ、ユキちゃんと行ったお台場の古奈屋・・・バナナカレーがあってさ」
「素揚げしたバナナとカレーのマッチングが素晴らしかった・・・あれ、美味しかったよね?」
と、僕。
「そうでしたね。だいたいゆるちょさん、怪しい食べ物に挑戦するのが、好きだから・・・」
と、ユキちゃん。
「人生は、冒険が一番だよ。とにかく、経験してみないと、自分なりの知見が出来ないからね」
と、僕。
「ゆるちょくんは、会社員時代、日本中の空港を仕事で回っていて・・・地方の名物をいろいろ食べたんでしょう?」
と、御島さん。
「まあ、システムエンジニアってのは、毎日スーツ来て、日本のどこかにすっ飛ばされる仕事ですからね」
「地方の食くらいしか楽しみは、無いですよ。まあ、その時に先輩にたくさん飲みに連れて行ってもらって・・・キャバクラにも」
「たくさん連れて行かれましたけど・・・」
と、僕。
「結婚している男性が地方へ行くと、夜、羽目を外すと言う奴ですか?」
と、貴島くん。
「そうだね。って言ったって、キャバクラは、お酒飲みながら、20代の女性にお行儀よくおしゃべりしてもらうだけだから、まあ、問題無い感じだったけどね」
「僕は割りと人間観察してたかな。「いいキャバクラと悪いキャバクラの見分け方」とか・・・」
「それって以前、どこかで、話したよね」
と、僕。
「ふふ。改めて聞きたいわね。ゆるちょくんが見つけ出した「いいキャバクラと悪いキャバクラの見分け方」・・・」
と、御島さん。
「それって簡単。地方でも、東京でも、まったく変わらない・・・たったひとつのルールだね」
と、僕。
「へえ。地方でも、東京でも、変わらないんですか。面白そ」
と、辛辣姫。
「キャバクラは、いい店は、店内がめっちゃ明るいのに対して、ダメな店は、店内がめっちゃ暗い」
「これは女性を置いている店すべてに言える事じゃないかな」
と、僕。
「へー。それはどうしてなんですか?どういう理由がそこには隠されているんですか?」
と、池澤くん。
「それはもう、置いている女性の品揃えの話だよ。やる気もあって、サービス精神旺盛で、美しい素敵な女性達を揃えている店は」
「品揃えに自信があるから、煌々と電気がついていて、超明るい。皆自分の外見に自信もあって、やる気満々だから、雰囲気自体明るいし、ね」
と、僕。
「なるほど・・・それは道理ね」
と、御島さん。
「それに対して、やる気がそもそも無い、自分勝手で、美人でない女性達しかいない店は雰囲気も盛り上がらないから、なんか暗いんだよ」
「店側も、それを誤魔化そうとして、ドンドン照明を暗くする。でも、暗くしても、話し弾まないから、二度と行かなくなるけどね、そうい店」
と、僕。
「なるほど・・・わかりやすい・・・」
と、ユキちゃん。
「いずれにしても、やる気の無い人間って、その場をダメにするのよね」
「ま、そういう人間は、いらない人間だし、視界にすら、いれたくないわ、わたしは・・・」
と、御島さん。
「でも、面白いですよね。割りとわかりやすく、分けられて・・・」
「そういう暗い店と、明るい店って・・・値段が違うんですか?」
「暗い店は安くて、明るい店は高いとか・・・」
と、池澤くん。
「それが、値段が同じだったりするから、暗い店には絶対に行かないわけ」
「確かに暗い場所で、女性と話すと・・・魅惑的な感じがするんだけど・・・あれ、日の中に出てきちゃうと」
「全部見えちゃうから・・・夜の魅惑の魔法が全部解けちゃう・・・ほんと、それってすごいもんだよ」
と、僕。
「夜の女は・・・そういう夜と言う自然現象すら、味方につけているんですね」
と、池澤くん。
「そういう事。だから、僕は女性と会う時は、昼間にまず、会うようにしているんだ」
「正々堂々、お互いの外見を見せ合う事から入らないと、正当な出会いにならないから」
と、僕。
「ゆるちょさんはただじゃあ、起きないんですね。作り上げた知恵はとにかく、普段の生活に投入する」
「だから、ゆるちょさんは、普段から、いい笑顔で生きられているんですね」
と、ユキちゃん。
「この世は魔界だよ。広告は毎日、人を騙し、イメージ付けを図ろうとしている。だから、僕らは、作られたブランドイメージに騙されてはいけない」
「ブランドと言っても結局、そこに、どういう人が集まっているかだ。商品を見て、いい仕事がしてあれば、買う事になるし」
「今回のフォルクスワーゲンのように、人を騙して金儲けしようとする会社は、金輪際無視する事になる」
「人と人とのつながりには、誠実さが無ければ、成り立たない。誠実さの無い人も会社も徹底無視だよ」
と、僕。
「わたしもそう思うわ。だから、わたしは、ひととひととのつながりを重視するの」
「だから、通信販売は、本くらいかしら、利用するのは。わたしは、出来るだけ、相手の顔を見て、商品を手に取ってみて」
「その仕事具合を確認してから、購入するようにしてるわ」
と、御島さん。
「それに・・・ショッピングって、女子にとっては、テーマパークに遊びに行ってる感覚だもん、ね、ユキちゃん」
と、御島さん。
「そうですね。それ、わかります。秋物を買いに行く時は、もう、テンションマックスですもん」
と、ユキちゃん。
「だいたい、声のトーンが上がってるよね。ただし、ユキちゃんの買い物は、わりかし速いから、つきあう僕としては助かってるけど」
と、僕。
「ゆるちょさんは、女子のファッションにも詳しいから・・・今日はちょっとコンサバ系で行きたいんです」
「って言えば・・・このトップスにこのスカートを合わせるのとか、どう?っていろいろ提案してくれるので・・・すごく楽ですね」
と、辛辣姫。
「まるで、セレクトショップの店員さんね、ゆるちょくんは」
と、御島さん。
「女性のファッションはコーデが大事ですからね。今的な流行も取り入れなきゃいけないし、差し色も必要だし」
「そうなると、クラッチバッグをどうするかとか、総合的に決めていかないといけないんで・・・まあ、いろいろ知ってると、パズルみたいで」
「面白いんですよ・・・」
と、僕。
「ゆるちょくんは、何でも凝るし、元美術部だけあって、美的センスがあるから・・・」
と、御島さん。
「うーん、でも、街を歩いているとよく思うのは、素材の良さを生かすも殺すもファッションひとつなんですよ」
「ちょっとしたコーデを変えるだけで、その人の良さが引き立つって言うか・・・」
と、僕。
「・・・と言う事はその人の良さをまず、熟知する所から始まるって言う事?おしゃれって」
と、御島さん。
「ええ。ユキちゃんの良さって、この自然なノーブルさ。お嬢様的な品がある事です」
「それは彼女が幼少の頃から、日本舞踊を習っていた事から来る、所作の綺麗さとか、言葉使いとかですよね」
と、僕。
「ユキちゃんは辛辣姫なんて呼ばれているけど、怒っても、下品な言葉使いは、一切しないものね」
「むしろ、少し引き気味だけど、上品に否定するから・・・辛辣だけど、いやな感じにはならないわ」
と、御島さん。
「だから、女性にとって、品って大事なのね。ま、下品な女性は、わたしも嫌いだけど」
と、御島さん。
「ユキちゃんは、実際、見た目も色白で、目がキラキラ輝いていて、美しい。頭の回転も速いですよね」
「・・・であれば、やっぱ、コンサバ系なファッションを選ぶのが正当かなって」
「思うし、だからこそ、逆のアバンギャルドを取り入れても、面白く表現出来る」
と、僕。
「人生は冒険ですからね。だから、わたしは、ゆるちょさんには、「冒険しましょう」っていつも言ってるんです」
と、ユキちゃん。
「だから、僕、ユキちゃんのファッションに関しては融通無碍に選びます。だけど、品と言う一線は崩さない」
「そこにこそ、ユキちゃんのアイデンティティがあるからこそ、ユキちゃんそのものをさらに自然に美しく表現出来る・・・って、僕は思っているんですけどね」
と、僕。
「ファッションを見れば、その人の人生の価値観がわかるじゃないですか?」
と、辛辣姫。
「人生適当に生きているのか、自分の事を理解していて、さらに自分を好きだからこそ、大胆に表現出来るって言うか」
「わたしは、その人を見る中で、その人のアイデンティティを感じたいって普通に思っているんです」
と、ユキちゃん。
「それは大事な事よね。流行に乗るだけではなくて、確たる自分を表現出来ないと、ファッションにはなり得ないものね」
と、御島さん。
「だから、わたしはノーブル感はどこかに残すようにしているんです。それを頭の片隅に残して服を選べば・・・自ずと決まってくるから」
「割りと服選びも楽ですし・・・」
と、ユキちゃん。
「ただ・・・わたし、ファッションは別にして、他人を見る時、最も大事にしている価値観として「自分を好きな人なのか、嫌いな人なのか」って言う見方を」
「する事が最近多くなっていますね。年齢を重ねてきて、20代後半になってくると、女性って完成されてくるじゃないですか」
「それは10代から、20代、人生の修行と言うモノが必要だと言う事を社会に出て知らされて・・・簡単に言えば、自分の嫌いな部分を好きな部分に成長させる」
「・・・そういう修行が出来た人なのか、そうでないのか・・・そういう観点で人を見るようになりました」
と、辛辣姫。
「結局、人って、変えられるんです。もちろん、人間の中身ですよね。弱かった自分が、いろいろな経験を経て、いつの間にか、強くなってる」
「上司の小言や、いろいろなひどい経験を通り抜けてきたら、いつの間にか、面の皮が厚くなってる。でも、それは少々の事では、へこたれないって事で」
「そうなれるからこそ、後輩を守ったりも出来る・・・わたしがわかったのは、自分の事でいっぱいいっぱいだった自分は、20代前半で卒業出来て」
「いつの間にか、自分の周囲を冷静に見渡せたり、後輩を守りながらも、教育する余裕が出来たって事です」
と、ユキちゃん。
「それは・・・ユキちゃんが、自分の人生にちゃんと向き合って・・・毎回毎回壁を超えてきたからよ」
「たくさん怪我をしながら、ね。こころの怪我をよくしてたじゃない・・・ユキちゃんは会社に入ってきた頃は泣き虫だったけど・・・今はちゃんと仕事を任せられる」
「使える大人に成長したわ・・・だから、わたしはあなたをこの事務所にスカウトしたんだから」
と、御島さん。
「結局、人生とは、目のある第三者の大人に評価される事が、大事なんだね。今のユキちゃんの話でよーくわかったよ」
と、僕。
「それと・・・もうひとつ、人を見る時の価値観があるんですよ」
と、ユキちゃん。
「ほう、多岐川の話、面白いから、質問しちゃおう。その、もうひとつの価値観って、どういうんだ?」
と、貴島くん。
「それは、「今の自分に自信があるか、無いか」・・・これは自信があるオトコやオンナこそ、大人のオトコ、大人のオンナって」
「事かなって、わたしが思っているからですけど・・・それって、人が大人になる為に、最低限、クリアするべき価値観だとわたしは思っているんです」
と、辛辣姫。
「それは図星かもしれないわね。例えば、自分に自信のある女性こそ、恋に積極的に動いてくるものね」
「・・・少年少女の時代や、20代前半って、自信のある自分を作っていく、言わば修行の時代だから・・・そこをどう生きたかで、女性は特に変わるわよね・・・」
「シビアに結果が出ちゃうもの・・・」
と、御島さん。
「わたしは、だから、さっきもゆるちょさんが言ってくれましたけど、わたしと言うオリジナルな自分のアイデンティティをどうやって表現するかが人生だと思っているんです」
「「世界に一つだけの花」みたいに「人間は、生まれただけで価値がある」なんて考えはわたしには合わないんです」
と、辛辣姫。
「毎時間、自分自身を自分自身で磨くからこそ、価値が生まれ、それが育っていく・・・それがファッションや生き方に影響を与えていく」
「とにかく、自分自身で自分自身を磨く・・・それが自信につながる・・・女性にとっては、これこそが大事だと思っています」
と、ユキちゃん。
「黒い原石だって、磨けば磨く程、輝きだしていきます。そして、やがてダイヤモンドになる。そして、ダイヤモンドになれば、もう傷つきはしない」
「それが女性の生き方だとわたしは思っているんです。だって磨かなければ、黒い原石のままでは、誰にもふり向いてもらえないですから」
と、辛辣姫。
「ユキちゃん、かっくいー。「ダイヤモンドは傷つかない」・・・なかなか、言える事じゃないな」
と、僕。
「ユキちゃんは、普段は周囲にやさしいけど、事、自分の事になると・・・冷徹に進めていくもんね」
「それが筋金入りの品のあるお嬢様って事かもしれないね。ユキちゃんのアイデンティティそのものだね」
と、僕。
「結局、後になって気づいても遅いんです。人生は早め早めに食い気味に修行を重ねて・・・ドンドン結果を出していかなければ」
「しあわせになれないから・・・それは母の教えでもありますね」
と、ユキちゃん。
「素敵なお母さんね。そういう回りからの支援も女性には必要ね」
と、御島さん。
「それと・・・人生やったもん勝ち!・・・これ、ゆるちょさんに教えられた、座右の銘ですけど」
「ほんと、それ実感します。口だけで何もやらない人は、ドンドン置いて行かれるし、「面倒くさい」って言う不幸の呪文ばかり」
「唱えている人の周囲から人は逃げ出すし・・・人生、今やるからこそ、明日、結果になって現れる、って、そういう感じですもん」
と、辛辣姫。
「人生、継続は力なり・・・みたいな言葉があるけど、僕はフォーカスすべきはそこじゃないと思っている」
「フォーカスすべきは、昨日と今日の差だよ。昨日と今日で何が進化したか?何が成長したかを具体的に言葉にする事」
「簡単な事で言えば、昨日は懸垂6回しか出来なかったけど、今日は7回出来た・・・ってな事でいいわけだし」
「大事な事は、「日々、成長してる?」って言う自分の質問に笑顔で答えられる事だよ」
と、僕。
「そうね。そこは本当に大事だわ。世の中を見てみると、結構、毎日劣化しちゃっている人もいるしね・・・」
「わたし的に気をつけてるのは、動ける自分でいたいって事かしら」
「この間も事務所の皆とテニスしたけど・・・そういう動ける身体でいたいし、足腰もちゃんと鍛えておかないと」
「これから先、やっていけないじゃない?」
と、御島さん。
「御島さん、普段、ジョギング欠かさないですからね」
「やっぱり、そこは不断の努力ですね」
と、貴島くん。
「そうね。人生ビューティー化計画は、女性にとって常に欠かさないわ」
と、御島さん。
「結局、あれすか?女性も男性も常に自分を作り上げていくからこそ・・・輝ける・・・そういう話ですか?」
と、池澤くん。
「そうね。・・・と言うか、そうやるからこそ、自分の居場所が出来るって事かしら」
「もちろん、自分の居場所は周囲から愛されるからこそ、作れるって事よ」
と、御島さん。
「今のわたしの事務所こそ、わたしの居場所だわ。ゆるちょくんや貴島くんみたいな目のキラキラした大人の魅力ある男性は」
「いつもわたしを見ていてくれるし、ユキちゃんみたいな頭の回転の速い使える女性はいてくれるし・・・皆、人生がキラキラ輝いているし」
「異性な相手を視界にいれるだけで、ドキドキワクワクしちゃう・・・そういうしあわせな場所だもの、ここは」
と、御島さん。
「そういう皆は、やっぱり、自分を輝かせる為に、いろいろ考えてるし、いろいろ手を打っているって事かしらねー」
「結論的に言うと・・・」
と、御島さん。
「ま、「類は友を呼ぶ」で集まっていますからね。当然、皆、いろいろやってきた人間になるんですよ」
と、貴島くん。
「そうね。そういう毎日、成長を続ける、素敵な紳士淑女たちに乾杯って、ところね」
と、御島さんは結論的に言うと、カレー南蛮を食べ終わった。
(おしまい)
冷たい飲み物が美味しかった時間から、暖かい飲み物が欲しくなる季節に変わりましたね。
秋から冬へ季節は動いていきますねー。
さて、その時、僕はイケメン貴島くん(29)、美人な御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(28)、
若い池澤くん(24)と、事務所の近所のお蕎麦屋さんで、ランチを取っておりました。
「しかし、最近は涼しくなってきて、暖かい麺料理なんかが、本当に美味しく感じられるようになってきたわね」
と、カレー南蛮を美味しそうに食べている御島さんです。
「知ってる?ゆるちょくんの心の師である池波正太郎先生も、「神田まつや」のカレー南蛮が大好物だったのよ」
と、御島さん。
「ええ。知ってますよ。師の食エッセイ「むかしの味」に載ってますから、その話」
と、僕。
「わたしも、カレー南蛮が子供の頃から好きで・・・この和のだしで食べるカレー南蛮のお蕎麦が」
「本当に堪えられないの。秋から冬はこの味よね・・・」
と、御島さん。感動している。
「僕は子供の頃から、カレーうどんが大好きで・・・多分、小学校の給食で好きになったのかな・・・」
「カレーって、やっぱり、テンションあがりますよね」
と、貴島くん。
「わたし、結構、巣鴨の古奈屋行きますよ。ね、ゆるちょさん」
と、ユキちゃん。
「うん。あれ、ユキちゃんと行ったお台場の古奈屋・・・バナナカレーがあってさ」
「素揚げしたバナナとカレーのマッチングが素晴らしかった・・・あれ、美味しかったよね?」
と、僕。
「そうでしたね。だいたいゆるちょさん、怪しい食べ物に挑戦するのが、好きだから・・・」
と、ユキちゃん。
「人生は、冒険が一番だよ。とにかく、経験してみないと、自分なりの知見が出来ないからね」
と、僕。
「ゆるちょくんは、会社員時代、日本中の空港を仕事で回っていて・・・地方の名物をいろいろ食べたんでしょう?」
と、御島さん。
「まあ、システムエンジニアってのは、毎日スーツ来て、日本のどこかにすっ飛ばされる仕事ですからね」
「地方の食くらいしか楽しみは、無いですよ。まあ、その時に先輩にたくさん飲みに連れて行ってもらって・・・キャバクラにも」
「たくさん連れて行かれましたけど・・・」
と、僕。
「結婚している男性が地方へ行くと、夜、羽目を外すと言う奴ですか?」
と、貴島くん。
「そうだね。って言ったって、キャバクラは、お酒飲みながら、20代の女性にお行儀よくおしゃべりしてもらうだけだから、まあ、問題無い感じだったけどね」
「僕は割りと人間観察してたかな。「いいキャバクラと悪いキャバクラの見分け方」とか・・・」
「それって以前、どこかで、話したよね」
と、僕。
「ふふ。改めて聞きたいわね。ゆるちょくんが見つけ出した「いいキャバクラと悪いキャバクラの見分け方」・・・」
と、御島さん。
「それって簡単。地方でも、東京でも、まったく変わらない・・・たったひとつのルールだね」
と、僕。
「へえ。地方でも、東京でも、変わらないんですか。面白そ」
と、辛辣姫。
「キャバクラは、いい店は、店内がめっちゃ明るいのに対して、ダメな店は、店内がめっちゃ暗い」
「これは女性を置いている店すべてに言える事じゃないかな」
と、僕。
「へー。それはどうしてなんですか?どういう理由がそこには隠されているんですか?」
と、池澤くん。
「それはもう、置いている女性の品揃えの話だよ。やる気もあって、サービス精神旺盛で、美しい素敵な女性達を揃えている店は」
「品揃えに自信があるから、煌々と電気がついていて、超明るい。皆自分の外見に自信もあって、やる気満々だから、雰囲気自体明るいし、ね」
と、僕。
「なるほど・・・それは道理ね」
と、御島さん。
「それに対して、やる気がそもそも無い、自分勝手で、美人でない女性達しかいない店は雰囲気も盛り上がらないから、なんか暗いんだよ」
「店側も、それを誤魔化そうとして、ドンドン照明を暗くする。でも、暗くしても、話し弾まないから、二度と行かなくなるけどね、そうい店」
と、僕。
「なるほど・・・わかりやすい・・・」
と、ユキちゃん。
「いずれにしても、やる気の無い人間って、その場をダメにするのよね」
「ま、そういう人間は、いらない人間だし、視界にすら、いれたくないわ、わたしは・・・」
と、御島さん。
「でも、面白いですよね。割りとわかりやすく、分けられて・・・」
「そういう暗い店と、明るい店って・・・値段が違うんですか?」
「暗い店は安くて、明るい店は高いとか・・・」
と、池澤くん。
「それが、値段が同じだったりするから、暗い店には絶対に行かないわけ」
「確かに暗い場所で、女性と話すと・・・魅惑的な感じがするんだけど・・・あれ、日の中に出てきちゃうと」
「全部見えちゃうから・・・夜の魅惑の魔法が全部解けちゃう・・・ほんと、それってすごいもんだよ」
と、僕。
「夜の女は・・・そういう夜と言う自然現象すら、味方につけているんですね」
と、池澤くん。
「そういう事。だから、僕は女性と会う時は、昼間にまず、会うようにしているんだ」
「正々堂々、お互いの外見を見せ合う事から入らないと、正当な出会いにならないから」
と、僕。
「ゆるちょさんはただじゃあ、起きないんですね。作り上げた知恵はとにかく、普段の生活に投入する」
「だから、ゆるちょさんは、普段から、いい笑顔で生きられているんですね」
と、ユキちゃん。
「この世は魔界だよ。広告は毎日、人を騙し、イメージ付けを図ろうとしている。だから、僕らは、作られたブランドイメージに騙されてはいけない」
「ブランドと言っても結局、そこに、どういう人が集まっているかだ。商品を見て、いい仕事がしてあれば、買う事になるし」
「今回のフォルクスワーゲンのように、人を騙して金儲けしようとする会社は、金輪際無視する事になる」
「人と人とのつながりには、誠実さが無ければ、成り立たない。誠実さの無い人も会社も徹底無視だよ」
と、僕。
「わたしもそう思うわ。だから、わたしは、ひととひととのつながりを重視するの」
「だから、通信販売は、本くらいかしら、利用するのは。わたしは、出来るだけ、相手の顔を見て、商品を手に取ってみて」
「その仕事具合を確認してから、購入するようにしてるわ」
と、御島さん。
「それに・・・ショッピングって、女子にとっては、テーマパークに遊びに行ってる感覚だもん、ね、ユキちゃん」
と、御島さん。
「そうですね。それ、わかります。秋物を買いに行く時は、もう、テンションマックスですもん」
と、ユキちゃん。
「だいたい、声のトーンが上がってるよね。ただし、ユキちゃんの買い物は、わりかし速いから、つきあう僕としては助かってるけど」
と、僕。
「ゆるちょさんは、女子のファッションにも詳しいから・・・今日はちょっとコンサバ系で行きたいんです」
「って言えば・・・このトップスにこのスカートを合わせるのとか、どう?っていろいろ提案してくれるので・・・すごく楽ですね」
と、辛辣姫。
「まるで、セレクトショップの店員さんね、ゆるちょくんは」
と、御島さん。
「女性のファッションはコーデが大事ですからね。今的な流行も取り入れなきゃいけないし、差し色も必要だし」
「そうなると、クラッチバッグをどうするかとか、総合的に決めていかないといけないんで・・・まあ、いろいろ知ってると、パズルみたいで」
「面白いんですよ・・・」
と、僕。
「ゆるちょくんは、何でも凝るし、元美術部だけあって、美的センスがあるから・・・」
と、御島さん。
「うーん、でも、街を歩いているとよく思うのは、素材の良さを生かすも殺すもファッションひとつなんですよ」
「ちょっとしたコーデを変えるだけで、その人の良さが引き立つって言うか・・・」
と、僕。
「・・・と言う事はその人の良さをまず、熟知する所から始まるって言う事?おしゃれって」
と、御島さん。
「ええ。ユキちゃんの良さって、この自然なノーブルさ。お嬢様的な品がある事です」
「それは彼女が幼少の頃から、日本舞踊を習っていた事から来る、所作の綺麗さとか、言葉使いとかですよね」
と、僕。
「ユキちゃんは辛辣姫なんて呼ばれているけど、怒っても、下品な言葉使いは、一切しないものね」
「むしろ、少し引き気味だけど、上品に否定するから・・・辛辣だけど、いやな感じにはならないわ」
と、御島さん。
「だから、女性にとって、品って大事なのね。ま、下品な女性は、わたしも嫌いだけど」
と、御島さん。
「ユキちゃんは、実際、見た目も色白で、目がキラキラ輝いていて、美しい。頭の回転も速いですよね」
「・・・であれば、やっぱ、コンサバ系なファッションを選ぶのが正当かなって」
「思うし、だからこそ、逆のアバンギャルドを取り入れても、面白く表現出来る」
と、僕。
「人生は冒険ですからね。だから、わたしは、ゆるちょさんには、「冒険しましょう」っていつも言ってるんです」
と、ユキちゃん。
「だから、僕、ユキちゃんのファッションに関しては融通無碍に選びます。だけど、品と言う一線は崩さない」
「そこにこそ、ユキちゃんのアイデンティティがあるからこそ、ユキちゃんそのものをさらに自然に美しく表現出来る・・・って、僕は思っているんですけどね」
と、僕。
「ファッションを見れば、その人の人生の価値観がわかるじゃないですか?」
と、辛辣姫。
「人生適当に生きているのか、自分の事を理解していて、さらに自分を好きだからこそ、大胆に表現出来るって言うか」
「わたしは、その人を見る中で、その人のアイデンティティを感じたいって普通に思っているんです」
と、ユキちゃん。
「それは大事な事よね。流行に乗るだけではなくて、確たる自分を表現出来ないと、ファッションにはなり得ないものね」
と、御島さん。
「だから、わたしはノーブル感はどこかに残すようにしているんです。それを頭の片隅に残して服を選べば・・・自ずと決まってくるから」
「割りと服選びも楽ですし・・・」
と、ユキちゃん。
「ただ・・・わたし、ファッションは別にして、他人を見る時、最も大事にしている価値観として「自分を好きな人なのか、嫌いな人なのか」って言う見方を」
「する事が最近多くなっていますね。年齢を重ねてきて、20代後半になってくると、女性って完成されてくるじゃないですか」
「それは10代から、20代、人生の修行と言うモノが必要だと言う事を社会に出て知らされて・・・簡単に言えば、自分の嫌いな部分を好きな部分に成長させる」
「・・・そういう修行が出来た人なのか、そうでないのか・・・そういう観点で人を見るようになりました」
と、辛辣姫。
「結局、人って、変えられるんです。もちろん、人間の中身ですよね。弱かった自分が、いろいろな経験を経て、いつの間にか、強くなってる」
「上司の小言や、いろいろなひどい経験を通り抜けてきたら、いつの間にか、面の皮が厚くなってる。でも、それは少々の事では、へこたれないって事で」
「そうなれるからこそ、後輩を守ったりも出来る・・・わたしがわかったのは、自分の事でいっぱいいっぱいだった自分は、20代前半で卒業出来て」
「いつの間にか、自分の周囲を冷静に見渡せたり、後輩を守りながらも、教育する余裕が出来たって事です」
と、ユキちゃん。
「それは・・・ユキちゃんが、自分の人生にちゃんと向き合って・・・毎回毎回壁を超えてきたからよ」
「たくさん怪我をしながら、ね。こころの怪我をよくしてたじゃない・・・ユキちゃんは会社に入ってきた頃は泣き虫だったけど・・・今はちゃんと仕事を任せられる」
「使える大人に成長したわ・・・だから、わたしはあなたをこの事務所にスカウトしたんだから」
と、御島さん。
「結局、人生とは、目のある第三者の大人に評価される事が、大事なんだね。今のユキちゃんの話でよーくわかったよ」
と、僕。
「それと・・・もうひとつ、人を見る時の価値観があるんですよ」
と、ユキちゃん。
「ほう、多岐川の話、面白いから、質問しちゃおう。その、もうひとつの価値観って、どういうんだ?」
と、貴島くん。
「それは、「今の自分に自信があるか、無いか」・・・これは自信があるオトコやオンナこそ、大人のオトコ、大人のオンナって」
「事かなって、わたしが思っているからですけど・・・それって、人が大人になる為に、最低限、クリアするべき価値観だとわたしは思っているんです」
と、辛辣姫。
「それは図星かもしれないわね。例えば、自分に自信のある女性こそ、恋に積極的に動いてくるものね」
「・・・少年少女の時代や、20代前半って、自信のある自分を作っていく、言わば修行の時代だから・・・そこをどう生きたかで、女性は特に変わるわよね・・・」
「シビアに結果が出ちゃうもの・・・」
と、御島さん。
「わたしは、だから、さっきもゆるちょさんが言ってくれましたけど、わたしと言うオリジナルな自分のアイデンティティをどうやって表現するかが人生だと思っているんです」
「「世界に一つだけの花」みたいに「人間は、生まれただけで価値がある」なんて考えはわたしには合わないんです」
と、辛辣姫。
「毎時間、自分自身を自分自身で磨くからこそ、価値が生まれ、それが育っていく・・・それがファッションや生き方に影響を与えていく」
「とにかく、自分自身で自分自身を磨く・・・それが自信につながる・・・女性にとっては、これこそが大事だと思っています」
と、ユキちゃん。
「黒い原石だって、磨けば磨く程、輝きだしていきます。そして、やがてダイヤモンドになる。そして、ダイヤモンドになれば、もう傷つきはしない」
「それが女性の生き方だとわたしは思っているんです。だって磨かなければ、黒い原石のままでは、誰にもふり向いてもらえないですから」
と、辛辣姫。
「ユキちゃん、かっくいー。「ダイヤモンドは傷つかない」・・・なかなか、言える事じゃないな」
と、僕。
「ユキちゃんは、普段は周囲にやさしいけど、事、自分の事になると・・・冷徹に進めていくもんね」
「それが筋金入りの品のあるお嬢様って事かもしれないね。ユキちゃんのアイデンティティそのものだね」
と、僕。
「結局、後になって気づいても遅いんです。人生は早め早めに食い気味に修行を重ねて・・・ドンドン結果を出していかなければ」
「しあわせになれないから・・・それは母の教えでもありますね」
と、ユキちゃん。
「素敵なお母さんね。そういう回りからの支援も女性には必要ね」
と、御島さん。
「それと・・・人生やったもん勝ち!・・・これ、ゆるちょさんに教えられた、座右の銘ですけど」
「ほんと、それ実感します。口だけで何もやらない人は、ドンドン置いて行かれるし、「面倒くさい」って言う不幸の呪文ばかり」
「唱えている人の周囲から人は逃げ出すし・・・人生、今やるからこそ、明日、結果になって現れる、って、そういう感じですもん」
と、辛辣姫。
「人生、継続は力なり・・・みたいな言葉があるけど、僕はフォーカスすべきはそこじゃないと思っている」
「フォーカスすべきは、昨日と今日の差だよ。昨日と今日で何が進化したか?何が成長したかを具体的に言葉にする事」
「簡単な事で言えば、昨日は懸垂6回しか出来なかったけど、今日は7回出来た・・・ってな事でいいわけだし」
「大事な事は、「日々、成長してる?」って言う自分の質問に笑顔で答えられる事だよ」
と、僕。
「そうね。そこは本当に大事だわ。世の中を見てみると、結構、毎日劣化しちゃっている人もいるしね・・・」
「わたし的に気をつけてるのは、動ける自分でいたいって事かしら」
「この間も事務所の皆とテニスしたけど・・・そういう動ける身体でいたいし、足腰もちゃんと鍛えておかないと」
「これから先、やっていけないじゃない?」
と、御島さん。
「御島さん、普段、ジョギング欠かさないですからね」
「やっぱり、そこは不断の努力ですね」
と、貴島くん。
「そうね。人生ビューティー化計画は、女性にとって常に欠かさないわ」
と、御島さん。
「結局、あれすか?女性も男性も常に自分を作り上げていくからこそ・・・輝ける・・・そういう話ですか?」
と、池澤くん。
「そうね。・・・と言うか、そうやるからこそ、自分の居場所が出来るって事かしら」
「もちろん、自分の居場所は周囲から愛されるからこそ、作れるって事よ」
と、御島さん。
「今のわたしの事務所こそ、わたしの居場所だわ。ゆるちょくんや貴島くんみたいな目のキラキラした大人の魅力ある男性は」
「いつもわたしを見ていてくれるし、ユキちゃんみたいな頭の回転の速い使える女性はいてくれるし・・・皆、人生がキラキラ輝いているし」
「異性な相手を視界にいれるだけで、ドキドキワクワクしちゃう・・・そういうしあわせな場所だもの、ここは」
と、御島さん。
「そういう皆は、やっぱり、自分を輝かせる為に、いろいろ考えてるし、いろいろ手を打っているって事かしらねー」
「結論的に言うと・・・」
と、御島さん。
「ま、「類は友を呼ぶ」で集まっていますからね。当然、皆、いろいろやってきた人間になるんですよ」
と、貴島くん。
「そうね。そういう毎日、成長を続ける、素敵な紳士淑女たちに乾杯って、ところね」
と、御島さんは結論的に言うと、カレー南蛮を食べ終わった。
(おしまい)