行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

出張の楽しみ

2009年01月18日 | 徒然に
出張に行った時の楽しみのひとつは、風呂にゆっくりつかりながら本を読むことです。

あまり難しい本ではなく、リラックスしながら読める本をゆったりと読みます。

飲み会があるときはできないのですが、何も入ってないときはよくやります。


今回の出張で読んだのは、城山三郎の「そうか、もう君はいないのか」。

テレビドラマも始まったようですが、薄いし、気軽に読めそうだったので。

ストーリーは、城山三郎の妻との出会いから別れまでの回想記。

その後の、次女による城山三郎の亡くなるまでの後書きもありました。


簡素な文章に、奥さんへの思いがあふれた温かい本です。

特に、その中に書かれている詩がすばらしかったので、引用させてもらいます。



城山三郎「そうか、もう君はいないのか」から引用
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夜ふけ 目ざめると

枕もとで何かが動いている

小さく咳くような音を立てて

何者かと思えば

目覚まし時計の秒針

律儀に飽きることなく動く

その律儀さが 不気味である


寝返りを打つと 音は消えた

しばらくして おだやかな寝息が

聞こえる

小さく透明な波が

寄せては引く音

これも律儀だが 冷たくも

不気味でもない


起きている間は いろいろあるが

眠れば 時計より静か


「おい」と声をかけようとして やめる

五十億の中で ただ一人「おい」と呼べるおまえ

律儀に寝息を続けてくれなくては困る

コメント
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