ゆこちんのトランペット

トランペット奏者 藤井裕子のコンサート情報、トランペット談義のつもりが…こぼれ話や大きな声では言えない話も…毎日更新中♪

たーくん バイバイ。またね。

2014年05月30日 13時53分56秒 | 雑感
仕事仲間のホルン吹き、たーくんこと藤原貴裕くんを見送った。

ほんの1週間ほど前の22日には、山梨で一緒に公演をした。

19日も16日だって一緒に公演をしていた。6月だって宇都宮に行く気満々だったよ。


車移動だったからみんなで渋滞に巻き込まれつつ、何時間も一緒だったよ。

腰がちょっと辛そうだったり、やたらと目をこすったりはしてたけど、ぐったりしてるとか、元気がないなんて、これっぽっちも思わなかった。

今回の公演の編成だと、ホルンは2番トランペットとお隣さんで、背の高さの関係もあって、ベルがこっちに向くし、だからいっぱい音を聞いて、いっぱい一緒に吹いた気がする。



初めて一緒に仕事をした日…かれこれ10年以上経つけど、その時、私が旦那と付き合い始めだって聞いたとか、青いTシャツを着てた、とか

お母さんは世界一優しい、とか

今度お母さんと引っ越そうと思ってる、とか

同い年のミッチェルの相談にものすごく親身になってのってたり、

公演後、生徒にホルンの人もカッコよかったでしょ!!なんてキュートにアピールしてたり、

私が降り口を間違えたせいで、長岡駅着が新幹線発車2分前になっちゃったときのことを話したり…

みんなで給食食べたり、富士山見たり…

デートしたいとか、結婚したいとか。




いつもとちっとも変わらないような、
でもそれでいて、どことなく、限りなく思い出を整理していったような…

それにいつもは当たり前に聞いてる彼の音を、なぜか今回はマジマジと聞いた。



いい音だな。一生懸命だな。



こんな音だったんだなー。凄く耳に残った。

お母さんや仲間を本当に大切に思ってるなー。その上、自己肯定の力もあって。だからどうにも憎めない、可愛い心優しいヤツだ。




2日後、Facebookに身体の不調を訴える書き込みがあって、早く良くなってとコメントを書き入れ、それに対して日曜の昼に、「僕、本気で水泳か筋トレをします!!」と書いてくれたのが私にとっての最後のたーくんとのやり取りだった。

次の日の朝、彼は旅立った。

旅立ったと知ってから、実はそのコメントを読んだ。もの凄く愛おしく思えた。


昨日、今日と彼を見送りに来た人たちは、きっとエピソードは違っても、みんな同じように彼のことが大好きで、バッカだなーと思ったりしながらも、何とも愛おしいやっちゃ!と思ってたと心底思う。

たーくんはたったの35歳で行っちまった。お母さんのこと、大好きでしたと、どうしても伝えたくてお話ししたら、「そうなんですよ。もう約束が違うじゃない。この日も演奏会終わったら一緒に食事するって言ってたのに…」って。もー!約束したでしょー!ってちょっと拗ねる時のように、お母さんは話して下さった。


みんなたーくんが行っちまったことが、とてつもなく淋しい。そしてなぜそう思うのか分からないけど、私の頭に浮かぶのは、たーくんがいないなんて、いなくなっちまったなんて、つまんない。こんなつまんないことが起きていいのか?って。


でも、これも不思議なことに、みんなとてつもなく淋しいのに、絶望じゃないんだ。またね、とか、あっちで一緒に吹いてるんじゃね?とか。


つい何日か前まで、当たり前にいた人が、あっという間にいなくなることがあるんだ…当たり前に「いる」ということの奇跡を見せつけられたし、今一緒にいられることの大切さに気づかせてもらった。


たーくん。。。

ホント、いいヤツだった。ホントまた会いたい。たーくん、またね。

安らかに、ゆっくり休んで下さい。ご冥福をお祈りしております。
コメント (3)
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