先日記事にしましたオオバノハチジョウシダ(雪の登山道)とは違う場所のものです。 ここのオオバノハチジョウシダは全体的に大型で、側羽片の先端部は尾状に長く伸びています。
このように先端部が尾状に長く伸びているものは無融合型の特徴だそうですので、胞子の形を観察しました。 胞子は四面体が崩れた形をしています。 大きさは2倍体有性生殖型に比べてかなり大きく 60~73μm(~80μm)ほどありました。
この胞子の形状と大きさは、3倍体無融合生殖型 と一致しますので、 このオオバノハチジョウシダは3倍型無融合生殖型と考えられます。
オオバノハチジョウシダ3倍型無融合生殖型が生えているところでは、側羽片の前側に裂片が無いか、あってもまばらの個体が稀に見られます。
下の画像はほとんど枯れていますが、側羽片の前側に裂片が無いタイプで、胞子をつけた成熟個体です。 (オオバノアマクサシダと呼ばれているもの)
『裂片が欠けるというオオバノアマクサシダの葉型は、無融合生殖型に見られる幼形成熟によるものと考えられる。』 (中藤成実 2006 )ということですので、若い個体の側羽片を観察してみました。
オオバノハチジョウシダの若い個体です。 側羽片の下側に裂片ができつつありますが、前側にはまだ裂片がありません。
さらに若い個体です。 側羽片にはまだ裂片がなく、最下部の側羽片の下側に裂片ができはじめています。
オオバノハチジョウシダの若いときには、確かにオオバノアマクサシダと呼ばれているものとそっくりな個体が見られます。
胞子の形がぜんぜん違うのですね。
ここまで違うと種の判定の難しさが判るような気がします。
下から2番目の写真は初心者の私にとっては完全に別種に見えてしまいます。
でも、判らないながら面白いと思ってしまう話題です。
雪の登山道で見た2倍体有性生殖型には、かなり探しましたが裂片が欠けているものが見当たらなかったことも面白いと思いました。
でもマイクロスコープでは大きさを計ることができませんでした。比較に0.1mmのスケールを並べてみたけど微妙 (^_^;)ゞ
でも、オオバノハチジョウシダ∋オオバノアマクサシダだという事がわかって
悩みが解消したみたいです。
なかなかさん、ありがとうございました。
KLXさんのところで、悩みを打ち明けてよかった (^_^;)ゞ
胞子はとても小さいので0.1mmのスケールでは測定できないですよね、やはり顕微鏡がないと・・・。
集合の∋久しぶりに見ました。 初めヲと読んでしまいましたよ(笑)